海外スキーのための車選び

■海外スキーに車
不思議に思われるかもしれないが、海外スキーに車は必需品である。
車といっても現地でのレンタカーの話ではない。
車検を迎えるにあたり、車を買い換えることにした。
スキー板、スーツケースを担いで列車での移動はもはや考えられない。
何度か実践してきたが、これほど過酷なものはない。
これだけの荷物を担いでホームの階段を上り下りすれば、それだけでかなりの体力を消耗する。
空港へ着くころには、もうへとへとで海外スキーへの気力は薄らいでしまう。
スキーで体力を使うならまだしも移動で体力を使っている場合ではない。

空港へ前日に荷物を送る方法も考えられるが、送り出す時間などありはしない。
まして帰路、自宅に送り出しても受け取る暇などない。
そこで車の登場となる。一見、コストがかかるように見えるが実はそうでもない。
空港近くの駐車場は一週間以上いくら止めても\3500程度である。
ガソリン代と高速代がかかるがこれも高々知れている。
荷物の輸送代と列車の運賃を考えれば、大して変わりはない。
車での移動あれば大幅な体力の温存になる。

一つだけ気をつけなければいけないのは、「時間の読み」だけである。
渋滞に巻き込まれる危険があり、少しだけ余裕をみておけばよい。

■車種選定
さて、車選びといっても車種が豊富で、目移りしてしまう。
そこで、自分のライフスタイルから、条件を設定した。
車の利用は主に国内外スキー、スノーボード、ゴルフであり、ここから必要最低限の条件を導きす。
現在、および将来の経済状況を考えると大きな出費はできない。
高級車は経済が回復してからでも遅くはない。
この時代に見栄をはっている場合ではない。
そこで採算計算をしてみる。
5年で償却するとして、月々に払える金額を3万とすれば、年間36万、5年で180万。 トータル購入金額の限度が大体見えた。
こうしておけば5年してまた買い換えを考えることができる。

Web上に詳しい仕様は掲載されているので、ここではポイントになる部分だけを表にした。
車種 グレード 価格 分割可倒式リアシート
フィットアリア 2WD1.3 119.8万
プラッツ 2WD1.0 115.8万 ×※1
カローラセダン 2WD1.3X 130.8万 ×※2
サニー 2WD1300 FE 121.9万 ×※3
ファミリア 2WD1500 LS 139.8万 ×※4
■車種決定
決め手は「分割可倒式リアシート」。
意外な結果となったが、このクラスで標準装備していないものがほとんどである。
こうしてフィットアリアに決定し、何度も交渉を重ねて納車となった。
交渉の過程は省くが粘り強さが必要だ。

フィットアリア 1.3A L-Package(2003年モデル)

好みでLパッケージを選択した。8万増しになるが、ディスチャージヘッドランプ(HID)、 電動格納式ドアミラー、グリーンプライバシーガラス(リアドア、リアウィンドウ)、 ルーフセンターアンテナがつく。
フィットアリアの詳細はメーカのWebをご覧いただくとして、一般の試乗レポートとも違った観点で、 ここでは実用本位で評価してみる。 辛口で知られる自動車評論家、三本さんの意見も参考に。
■トランク

スキーを積んでみる。 約170cmの板が縦に余裕ではいる。約2mまで大丈夫である。
ウルトラトランクを売りにしているだけのことはある。 以前の車はリアシートを倒しても斜めにしか入らなかった。 これなら同時にスーツケースも積める。 海外スキーにはもってこいだ。 ゴルフバックも余裕。
■燃費(Update)

燃費をデジタル表示してくれる。トリップメータをリセットすると燃費もリセットされる。 シリンダあたり点火プラグを2つもち、燃焼効率をあげている。 無段変速機との組み合わせで、カタログ上は20.5km/Lの低燃費を誇る。 街乗りでは3割程度低めに見積もらなければならないであろう。 実際、当初の燃費は街乗りが主で平均13km/Lであった。 しかし、高速を長距離走行したときは、平均18km/Lを記録した。 燃料タンクは42lであるから、無給油で756km走れる計算だ。 ずっと雨の中であり条件としては悪いほうだった。 これはハイブリッド車の実質燃費に匹敵する。 プリウスの実質燃費は20km/L前後である。
あながちカタログ値はうそではないようだ。 ちなみに時速100kmでのエンジン回転数は約2200rpmと低く抑えられている。

(Update) 実際にスキーへ行ったときの燃費を測定してみた。385kmの走行で19.6km/Lを記録した。 これは市街地走行も含めたトータルである。高速では、20.2km/L を記録していた。 スキー場へは山間部を走ることになり燃費としては不利だがそれでもカタログ値に近い値をたたき出した。 もちろん途中で給油する心配はまったくない。

(Update) 街乗りが増えたので、トリップメータが1000kmを超えるまでの平均燃費を測定してみた。15.0km/Lを記録した。 高速道路は利用していない。カタログ燃費の(15.0km/L) / (20.5km/L)=73%であり、予想通りである。
■トルク

予想していたようにトルクに不満はない。 エンジンは 1.3l であるが車重が1050kgと軽いため、馬力あたりの重量が小さい。 トルクにも特徴があり、2800rpmという信じられない低い回転で 最大トルク119Nmを出す。 トルクは低いところからフラットのようだ。 高速でもパワー不足を感じることはなかった。 燃費とトルクのバランスが絶妙だ。
ちなみにカローラが4400rpmで最大トルク121Nmであるから、フィットアリアのトルクが どれだけ厚いかが分かる。
■CVT(無段変速機)
実は比較した車種で唯一、無段変速機を搭載している。 一般の無段変速は回転数が一定で加速するらしいが、アリアは回転数も上がりながら加速する。 そして一定速度になると回転数が下がる。
自動変速機の場合、押し出されるようなシフトショックを受けることがあったが、 アリアにはまったくない。
安定性もあり運転中、不安を感じることはない。
■静寂性
エンジン音は走行している際にまったくと言っていいほど聞こえない。 加速するとき以外は。
それほど、室内は静かである。ボンネットの裏にも吸音材が張られている。
室内が静か過ぎるので、逆にロードノイズが聞こえる。路面の状態がよく分かる。
車重が軽いこともあってか、乗り心地が硬いと感じるようであるが、気にはならない。
■排出ガス

実はアリアは超低排出ガス(U-LEV、★★★)適合車ではなく、優低排出ガス(★★)である。 平成15年5月から優低排出ガスは税制面での優遇がなくなった。
ベース車である Fit とエンジンが同じであり、そちらは最近、超低排出ガスになった。 排気ガスを浄化する触媒に違いがあるのかもしれないが、 単に審査、届出の関係と思われる。
i-DSI(Dual & Sequential Ignition)2点位相差点火制御は 燃焼効率を向上し、 その分、クリーンにもなり、効果は絶大だ。
■HID(ディスチャージヘッドライト)
ディスチャージヘッドライトは自然な色合いだ。
光量もあるが対向車線に配慮しており、光が斜めに切れるように設定されている。 寿命が長く消費電力も小さい。いいことずくめだ。
■CPC

オプションでCPCペイントシーラントを試してみた。 5年間ワックスが不要になるというものであるが、果たしてその効果は。 年数が経過してみないとわからない。
本当に5年もつのであれば 採算は合うとみている。今後のレポートにご期待。
CPC社の Web は怪しい。日本しか取引先表示がないのはなぜ。 ちなみに中央自動車工業が扱っている。 しかもCPC事業部は1995年からと歴史は浅い。 Web上でそろそろ効果の有無が判明するころだろう。
■クリープ現象
本来、CVTにはトルクコンバータは不要だが、スムーズな発進のために搭載することが多い。 アリアにはホンダ独自のトルコンに相当するものが搭載されている。
特徴的なのはこれによって作られるクリープ現象。 普通のAT車はブレーキを踏んでいてもDレンジであればトルクがかかっている。 ところがアリアはブレーキを踏んで停止している間、トルクがかからないようにしている。 ブレーキを放すときにトルクをかけ、ちょっとしたタイムラグを感じる。 といっても気になるほどではない。
もともと最近の車は燃費を稼ぐためにクリープを低めに設定している。 そのため、アリアも例に漏れず、急勾配坂道発進では、Dレンジにしていても ブレーキを放すとバックすることがある。これだけは今後改善してもらいたい。 マニュアル車ならともかく、CVTのためにコストを払っているのであるから。 以前のAT車ではこのようなことは一度もなかった。
Dレンジは前進の意思を運転者が車に伝えており、たとえ坂道であっても せめて停止していてもらいたい。運転者としてはバックを期待していない。 ABSなどタイヤの回転数を検出する仕組みがあるのだから、 Dレンジでバックしようとしたなら、クリープを増すなどして、 停止させることは技術的に可能なはずだ。 制御プログラムを修正するだけであり、コストがかかる わけではない。
詳細はホンダマルチマチックをご覧いただきたい。
(追記)その後、坂道発進を補助する、ヒルスタートアシストシステムが開発された。
■公称燃費
公称燃費について少し考察してみたい。 実燃費が公称燃費と違うとメーカーにクレームをつける例を見かけるが、公称燃費と実燃費の違いを理解していないことが原因である。 概ね実燃費は公称燃費の3割引きである。 そこでこの違いを列記する。 このほかにも燃費悪化の原因がある。 一方で燃費を向上させる方法もある。
■経年変化
11年目の車検を終えるにあたり、経年変化をまとめることにした。整備の参考にしていただけたら幸いである。 多少の情報はWeb上にも公開されているが、見落とし部分が多数ある。特にゴム類は経年変化により劣化する。 これは避けられないことであり、ゴム類は消耗品と考えておくべきである。
故障が起こってからでは遅いこともあるので、予防措置が必要である。余計な出費も予防できる。メンテナンス・コストは最小限に抑えたい。
経年変化で交換の必要性がでてくるパーツ一覧のマニュアル記載を希望する。特にゴムパーツ一覧があれば点検に利用できる。

一般常識レベル 上級者レベル
13年目の車検での整備内容である。 いろいろなところに経年変化が現れる。
■番外編
一度だけ、珍しい現象に遭遇した。約2週間でバッテリが上がってしまうのだ。 バッテリをフル充電しても約2週間でバッテリが上がる。
エンジンを切ってもバッテリは時計などを駆動するために微弱電流(これを暗電流と呼ぶ)を流すが、明らかに異常な電流であった。
原因はABS装置の漏電であった。
バッテリに電流計をつけ、車載ヒューズを一つずつ挿して、ABS装置と特定できた。
ABS装置はブレーキオイルを制御する装置であり、この制御基板内で漏電していた。
幸い保守パックのマモルに入っていたので、モジュールごと無料交換となった。 このような経験はないであろう。
■リコール
ディーラで1台ずつコンピュータ管理されている。

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