FXとは
はじめに
最近巷をにぎわせている外国為替証拠金取引(FX:Foreign Exchange)をご存じですか?
FXは儲かると思いこんでいないですか?惑わされていませんか?
人間は都合のよい生き物ですので、自分が負けることを想定しないようです。
上手い話には必ず裏があります。
それが世の常です。騙されないようにしましょう。
[FXはマネーゲーム]
FXは一種のマネーゲームであり、ポーカー、麻雀、ババ抜きと同じで勝者がいれば必ず敗者もいます。
全員が勝者であることはあり得ません。
逆にいえば敗者がいなければ、勝者も存在しません。
そして勝者の数は少なく、むしろ敗者の数の方が多く存在します。
一人勝ちする人がいて大部分が負けます。勝者は氷山の一角です。
勝った話はよく耳にしますが、負けた話は公にできないためあまり聞きません。
実際には負けた話は多いにも関わらず。
ゲームにはルールがあり、ルールや仕組みを熟知していなければ良い鴨にされます。
[勝者がいれば敗者もいる]
FXの仕組みは非常に簡単ですが、外貨定期の手数料リスクのように
話の裏を解説したものを見かけません。上記のように儲かる話ばかりして
敗者になる人を誘い込まなければ勝者は生まれないからです。
裏話を知ってしまうとゲームに参加してもらえなくなるからです。
[担保とレバレッジ]
さてFXの仕組みとはどういうものでしょうか?
簡単に言えば、FX業者に証拠金という名の「保証金」を担保に差し出し、
保証金の2倍から100倍の「お金を借りて」ゲームに参加させてもらいます。
この2倍から100倍をレバレッジ(テコの原理)効果と呼びます。
少ない元手で大きなお金を運用することができます。
このように実は「借金」をしていることにみなさん気付いていません。
この借りたお金で外国為替取引というゲームをします。
なぜ、保証金の100倍もお金を貸してくれるのかは後述する仕掛けがあるからです。
借家の場合、「敷金」を担保にしており、例え夜逃げされても
大家さんは敷金分の家賃を取りはぐれない仕組みになっています。
FXも同じような仕組みになっており、ゲーム参加者が負けた場合、
保証金は没収されてしまいます。
[損切り、ロスカット、強制終了]
なぜ保証金の100倍ものお金を貸してくれるのでしょうか?
それはゲームにルールがあり、あらかじめ最大損害額が保証金以内(例えば50%)に
納まるように設定しておかなければならず、その設定値(閾値)を超えた場合、
強制的に清算され、ゲームを強制終了させられる仕組みをとっているからです。
これを損切りとかロスカットと呼びます。
この仕組みにより、FX業者は夜逃げを防止し、借金を踏み倒されないようにしています。
保証金を追加しない限り、ゲームを再開することはできません。
こうしてみると最大損害額は預けた保証金だけに限定されるように見えますが、
それを超える額になる場合もあります。
あまりにも急激な変化が発生した場合、瞬間的に閾値を飛び越えてしまい、
損害額が保証金を超えてしまうからです。
当然、この場合、超えた損害額も追加で穴埋めしなければなりません。
FXはレバレッジ効果があるため、損害も拡大します。
[金利、スワップポイント]
こうしてFX業者から借りたお金で外国為替の取引をします。
お金を借りているということは当然、「金利を負担」しなければなりません。
FX業者から円を借りた場合には円金利を払わなければなりません。
消費者金融からお金を借りたら金利を払うのと同じです。
(実際にはFXの基軸通貨はドルであり、ドルを起点にしてはじまりますが
ここでは日本人にわかりやすいように円を基軸にします。)
そこで円の金利よりも高い外国通貨に投資して、金利の差益を得ます。
この金利の差益を「スワップポイント」と呼びます。
例えば、円の金利が年1%でドルの金利が年2%ならその差額の金利を得られます。
「スワップポイント」=「外国通貨の高い金利」-「日本の低い金利」
現在(2008年)、円は先進国の中でもっとも金利が低いため、円を借りてドルや
ユーロが買われます。円金利はゼロ金利時代が長く続きましたが、
将来上がることが予想されます(というか円のマイナス金利は存在しないので、
上がるしかない)。そうなると金利の高低が逆転するかもしれません。
スワップポイントはプラスだけとは限らずマイナスになることもあります。
スワップポイントは2つの通貨ペアーと売買の方向で決まります。
各国の金利は毎日変動します。スワップポイントは日ばかりで計算されるため、
ポジションを維持し続けることを「ロールオーバー」と呼びます。
[為替差益、スプレッド]
金利差益による「スワップポイント」の他に、為替変動の差益を
ねらうことができます。外貨を安く買って高く売ればその利益を得られます。
(慣習で「買い」のことを「ロング」、「売り」のことを「ショート」と呼びます。
たとえばドルロング円ショート)
もちろんその逆もあり大損することもあります。
損害もレバレッジ効果が働きます。
例えば証拠金が1万円で100倍のレバレッジを設定していると、100万円を
元手に1ドル100円で買うと1万ドルになり、その後1ドル120円で売ると
120万になります。元手の100万円を返すと差し引き20万円の儲けとなります。
(このドルを所持している期間、スワップポイントも儲けになります。
もちろん、ドルを所持中にロスカットに引っかかってしまうと強制終了させられます。)
為替取引する場合にもFX業者に手数料を払わなければなりません。
この為替手数料を「スプレッド」と呼びます。
例えば、ドルであれば片道あたり5銭の手数料が上乗せされます。
通常の為替取引では片道あたり1円の手数料ですから
FXの手数料は低く抑えられていますが、レバレッジ効果が
働いていますので、為替手数料も大きくなります。
(上記の売買例では実はスプレッドも上乗せされていたことになります。)
ドル円の仲値=100円/ドルの例
円売りレート=100円+5銭
円買いレート=100円-5銭
為替の売買は売り手と買い手があり、両者がいてはじめて売買が成立します。
一方だけが存在する場合は売買が成立しません。
売り手市場になれば価格は下がり、買い手市場になれば価格は上がります。
ババ抜きと同じで誰かが得をすれば誰かが損をします。
今が売りだと思う人と今が買いだと思う人が、それぞれの思いで行動します。
為替の変動のタイミング読み切れたものだけが勝者となります。
ただし、誰にも将来のことはわかりません。勝ち続けることはほぼ不可能であり、
宝くじで1等が当たる確率よりも低いでしょう。一度の負けですべてを失うこともあります。
FXのノウハウを売る方もいるようですが、米国でもよく見かけました。
セミリタイアを夢見て勧誘していますが、本当にセミリタイヤできるのはほんの一握りです。
おそらく嘘は書かれていないでしょう。しかしなぜノウハウ本を売り出すのでしょうか?
その理由はその本業であるFXなどの金儲け手段よりも、ノウハウ本を販売したほうが手軽にかつ確実に大きな利益を得られるからです。
しかもそのノウハウ本はいつまでも利用できるとは限りません。
少し前まで米国では中古の家やアパートを購入し、リホームして転売する儲け話(本)が流行っていました。
しかしご存知のとおりサブプライム問題が発覚してはじけました。ババを引いた人は家を追い出されそれはひどい生活をしています。
その昔MMFもほぼ元本割れすることはないといわれていましたが、エンロンの破綻で元本割れをおこしました。
同じことがFXにもおこるかもしれません。突然不正が発覚し、それを防止する法改正が行われて
いままでのようなFX取引ができなくなるかもしれません。
何度も言うようですが、勝ち続けることはほぼ不可能です。将来のことは誰にもわかりません。
起こりそうもないことが突然起こるものです。
[まとめ]
FXはお金を借りて、スワップポイント(通貨の金利差)と
為替取引で儲けることも損することもあります。
レバレッジ効果(テコの原理)が働き、ハイリスク、ハイリターンの商品です。
なお、FXの運用利益は税法上「雑所得」として申告しなければなりません。
サラリーマンの場合、年収2000万以下で、雑所得の合計が20万以下なら確定申告の必要はありません。
[自己責任]
お金の運用は自己責任です。筆者はいかなる責任も負いません。記載された内容が正しいとは限りません。
FXは確かに手軽に始められます。しかしリスクを納得した上で始めなければなりません。
借金をしてまでマネーゲームをしたくなければFXに手を出してはいけません。
金銭的な余力や損害の覚悟がなければ手を出してはいけません。
一部の人は確かに勝者になりますが、大部分の方は敗者になります。
仕組み上、敗者がいなければ勝者も存在しません。
本質はババ抜きと代わりありません。
FX業者は参加者の勝敗に関係なく、(レバレッジによる元手)金貸しと
為替手数料(スプレッド)で儲ける仕組みになっています。
所場代のようなものです。
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