バブル
[世界の原油需要予想]
世界の原油需要予測が国際エネルギー機関(IEA)から報告されています。
- 2009年 平均日量8770万バレル(前年比86万バレル増加予想=1.0%、2008年度実績は予想を下回っていた)
- 2008年 平均日量8820万バレル(前年比220万バレル増加予想=2.6%)
- 2007年 平均日量8613万バレル(前年比130万バレル増加予想=1.5%)
- 2006年 平均日量8530万バレル(前年比160万バレル増加予想=1.9%)
- 2005年 平均日量8427万バレル
年間高々1から2%の増加予想です。これは需要が急増している中国やインドを含めての値です。
この需要に見合うように生産もされています。原油生産が追いついていないとは聞いたことがありません。
ちなみにバレル(barrel)とは航海時代に使われていた樽に由来し、石油の場合1バレル=42米ガロンです。
1米ガロン=3.785411リットル。つまり1バレル=約159リットル。
[年間増加率≠日間増加率]
「年間」の世界原油需要予測は高々数%(1から2%)の増加であるのに対して、
原油価格は「一日」で数%増減するのはもはや適切とはいえません。
確かに供給が大幅に減り、需要に追いつかなくなれば価格は急上昇するでしょう。
物は少ないのに、ほしい人が大勢いるわけですから、大枚叩いてでも手に入れようとするでしょう。
しかし、供給が追いつかなくなったとは聞きません。
オイルショックの時でさえも。イラク戦争の時でさえも。
むしろ、掘削技術の進歩により今まで不可能であった原油を掘り出すことができるようになり、
供給量は増えています。たとえば、海上油田の掘削など。
必ずしも比例するわけではありませんが、一般的に考えて1%の需要が増すのであれば、
供給量が変わらないと仮定して、1%程度の値上がりが適切といえるでしょう。
需要が1%増えたからといって値を100%も吊り上げたら、ぼったくりといわざるを得ないでしょう。
(たとえばロシアがヨーロッパの大部分に供給している石油パイプラインをとめるぞと脅して、
値を吊り上げます。ロシアの経済は石油に支えられています。
石油会社を強制的に国有化したことからもわかるでしょう。)
こうしたことから、原油の適正価格は年に数%増加でなければなりません。
需要が年間で1%しか増えず、供給量が変わらないなら、
本来の価格も年間で1%程度しか増えないはずです。
にもかかわらず原油価格が「一日」で数%も変動しているのは異常といえます。
冷静にみればわかるのですが、バブっているときは周りが見えず、
後であのときがバブルであったと気付くものです。
[バブル]
価格が上がるから投資が投資を呼んでおり、いわゆるバブっています。
対象はなんでもよくたまたま原油だったというだけです。
おそらくヘッジファンドによる投機マネーが流入しているためでしょう。
世界の余った金がサブプライム問題ではじけた住宅バブルの次に
原油が標的にされてしまったわけです。
原油バブルもはじけるのは時間の問題です。
一度下げ始めると急激に投機マネーが手を引きはじめあっという間に下がるでしょう。
儲からないとわかった途端、手を引きます。
ただしゼロになるわけではありません。
適正価格まで下がります。
[適正価格]
日経平均株価もバブル期には最高値38,915円(1989年)をつけていましたが、
現在1.3万前後と1/3になりました。
同様に147.27ドル/バレル(2008年7月11日)の高値をつけていましたが、
現在(2008年8月)113ドル/バレルと急降下しました。
一時的には多少上げるかもしれないですが、下げ基調はとまらないでしょう。
こうなると儲からないものは投機対象にならないのでさーっとお金が引きます。
適正価格が最高値の1/3であるとするならば50ドル/バレル前後とみられます。
もちろん一時的には反動でオーバーシュートし、50ドル/バレルを下回ることもあるでしょう。
原油バブルはすでにはじけ始めたのかもしれません。
(ちなみにですが、原油の原価は3ドル/バレル前後と言われています。
産油国がどれだけぼったくりであるかわかるでしょう。
しかも石油の利権は入札で行われ、産油国側の負担はわずかです。
例えば石油を掘るための設備投資も入札側が負担することが一般的です。
利益の9割を産油国がとり、残りの1割分しか入札側がとれないこともあります。)
[バブルの標的]
さて次の投機対象(バブル標的)は何でしょうか。
もちろん、一つだけが標的となるわけではなく、同時並行でいくつかが標的になるでしょう。
日本バブル->ITバブル->米国住宅バブル->原油バブル->中国バブル->果て次は?
投機対象になったものはみんな踊られて、遊ばれて、はじけて、その後数十年立ち上がれません。
[一般人がそのツケを払わされる]
原油バブルのツケは海外旅行では「燃油サーチャージ(特別付加運賃)」
という形で一般人が払わされています。ガソリンの高騰も同様です。
一部の富裕層によるマネーゲームのツケを一般人が払わされているわけです。
もちろん、投機によるマネーゲームは法律を犯しているわけではありません。
しかし行き過ぎた、加熱した、不適切な投機をしているのも事実です。
適正な価格であるならまだしも(不適切な)投機マネーの上乗せ分を払わされています。
一般人はもっと大きな声を上げてもよいのではないでしょうか?
例えば、投機マネーで儲けた利益にもっと重い税金という形で徴収し
その代わりガソリン税率をさげるといった対策などです。
(C)2008 All rights reserved by Einstein.