「サンタはどこへ消えた?」
あこがれのち〜ちゃんに捧ぐ。
はじめに
ベストセラーとなりつつある「チーズはどこへ消えた?」
は社員教育を意図して作られている。
特に役員へはウケがよく作られており、一般社員はこのまま鵜呑みにすると、
ただ踊らされてマインドコントロールされてしまう。
確かにポジティブで前向きな意見や行動は好まれるが、その裏に潜むものも理解していなければならない。
この本はプラス面ではよくできているが、同時に考慮しなければいけないマイナス面が
まったくといっていいほど欠けている。それが役員ウケする理由でもある。
役員にしてみれば、社員を躍らせても働かせたいからだ。
本来マイナス面も考慮したうえでプラス面を生かさなければならない。
利益と損害は表裏一体であり、一方だけを語ることはできない。薬には効能が
あるが多かれ少なかれ必ず副作用もある。副作用を知らないで薬を用いるのは
危険である。用法を守らなければ取り返しのつかない死に至るかもしれない。
風邪薬の副作用である眠気を知らずに、車を運転して事故死しては何のための
風邪薬であろう。
そこで、このマイナス面を補うために、「サンタはどこへ消えた?」を
執筆した。あわせて読んでいただければどういうことかわかるであろう。
決して批判ではないことを付け加えておく。
第一話「努力」
物語のはじまりはじまり。パチパチパチ。
つい最近、サンタの国に迷い込んだち〜にゃんと
まゆみちゃんがいた。
ち〜にゃんは幸せをくれるというサンタさんを探していた。
まゆみちゃんはその幸せを分けてくれるというので、ち〜にゃんに
そそのかされてついてきてしまった。
一人と一匹はサンタの国をくる日くる日も歩き回った。ち〜にゃんは
すばしっこく、あちらこちらのにおいをかぎまわりながら探した。
まゆみちゃんは賢く、地図を描きながら迷わないように探し回った。
ある日、一人と一匹はトナカイさんに出会った。そこで賢いまゆみちゃんは
サンタさんの居所を尋ねた。トナカイさんの言うことには、サンタさんは
煙突のある赤いレンガの家に住んでいるとのことだった。
ち〜にゃんは喜びのあまり、トナカイさんの背中にのった。これでもう
サンタさんに会えると思ったのだ。
さっそく一人と一匹とトナカイさんはサンタさんを探しにでかけた。
しかしいくら探しても煙突のある赤レンガの家はみつからなかった。
とうとう疲れ果て、誰も歩くことができなくなってしまった。
そこで賢いまゆみちゃんは道にこう格言を書いた。
「努力は報われないものだ。」
ち〜にゃんはあくびをして寝てしまった。
つづく。
解説
努力してもほとんど報われないが、それでも努力なしには成功はありえない。
人はわずかな望みにかけて努力する。もしかしたら一生報われないかも
しれないが、それも覚悟の上で努力すべし。
第二話「挑戦」
あくる日、ち〜にゃんが目を覚ますと、まゆみちゃんとトナカイさんが
いなくなっていた。太陽はもう真上に差しかかっていた。そう、いつもの
ように寝坊してしまったのだ。
まゆみちゃんとトナカイさんは、ち〜にゃんを起こそうとしたのだけれど
まったく起きる気配がなかったので、あきらめて出かけてしまったのだ。
でも、ち〜にゃんはいつものようにマイペース。今日もずる休みしようか
どうか考えていた。
そのころ、まじめで賢いまゆみちゃんとトナカイさんは、一見赤いレンガの
ようにみえるチョコレートの家にたどりついていた。まゆみちゃんは
サンタさんの家かどうか確かめるため、勇気を出して戸をたたいた。
しかし、何の返事もない。恐る恐る戸を押すとゆっくりとあいた。
中は暗くてわからないけれど、甘い匂いに誘われてまゆみちゃんは中へ
入っていった。と、突然、ガラガラどっすん。義理チョコでできた床が
抜けて、まゆみちゃんは床下に落ちてしまったのだ。トナカイさんの
手助けで何とか這い上がることができた。
こんな状態でも冷静なまゆみちゃんは道にこう格言を書いた。
「新たな挑戦に危険はつきものだ。」
同じころち〜にゃんはやはりずる休みをしていた。
つづく。
解説
新たな挑戦には危険が伴う。それを覚悟の上で努力すること。時には
取り返しのつかない危険もある。会社は決してあなたを守ってはくれない。
自己責任で挑戦すること。さらにたとえ挑戦に成功したとしてもそれに見合う
成功報酬を得られるとは限らない。
第三話「運」
がっかりしてまゆみちゃんとトナカイさんはち〜にゃんの元に戻ってきた。
まゆみちゃんの話を聞いて、すっかりお腹のすいていたち〜にゃんは
チョコレートの館へ行こうと言い出した。
日が暮れようとしており、まゆみちゃんはすっかり疲れていたので
明日にしようと言いました。
しかしち〜にゃんは昼寝をして眠くなく、どうしようもなくお腹がすいていたので、
まゆみちゃんの制止も聞かず、チョコレートの館を求めて旅に出た。
案の定、夜道に迷ったち〜にゃんでしたが、明かりのともる家を見つけた。
なんとそれはまぎれもないサンタさんの家でした。
コンコンと戸をたたくと白いおひげのサンタさんがでてきました。
サンタさんは寒そうなち〜にゃんをみて「おはいり」と言いました。
そして暖かいスープをわけてくれました。
サンタさんはち〜にゃんからいきさつを聞き、ひとつだけ願いを
かなえてあげることにしました。
そこでち〜にゃんをサンタのお嫁さんにしてくださいとたのんだのでした。
すると不思議なことにち〜にゃんの尻尾が消え、あっという間にかかわいい
人間のち〜ちゃんになっていまいた。
こうしてち〜ちゃんは幸せに暮らしたとさ。
めでたしめでたし。
後々このときのことを聞いたまゆみちゃんは道にこう格言を書いた。
「運も実力のうち。」
解説
世の中、運もある。運も実力のうち。それを妬んではいけない。
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