Vol.101

バブルってなに?「眠れぬ夜を抱いて」

ラーメンにチャーシューは2枚入れても、
ナルトは1枚しか入れないのが
暗黙の了解
であるように、
ミステリー系の連ドラってのは
1クールにひとつ
にしてもらいたいものです。
今回は「空から降る一億の星」だの
「天国への階段」だの
(これは“サスペンス”か?)
謎とき系のドラマを
いくつも並行して観ることになっちゃって、
しかもシチュエーションがどことなく似てたり、
他のドラマとかけもちのキャストがいたりと、
も〜〜混乱しそう。
あの伏線は
どのドラマだっけ
なんてことになりそうで、
けっこうドラマ観るのに
アタマを使う1クールです。
う〜ん、サカナを食べなきゃ。

というわけで
「眠れぬ夜を抱いて」。
野沢尚さん脚本だから、
連ドラミステリーとしては元祖
ということになりますよね。
やっぱり
家族がまるごと消えちゃうとか、
新興住宅地とオーストラリアの事件が
“海と時間”を超えて
つながっていたりとか、
のっけから
興味をそそる展開で、
ワタシはこれを最後まで観るであろうことを
少しも疑ってないので、
今回は、
まず、
“注文”から。

これって
なんかリアリティなくない?
ていうか
へんに“観念的”?
とでも言うんでしょうか、
バブルといえば不動産開発
という設定そのものにしても、
「新しい故郷をつくる」という
中河欧太(仲村トオルさん)の“夢”にしても、
消えちゃった夫婦たちの“夫婦ぶり”にしても、
事件を無責任に取り上げるマスコミにしても、
欧太を責任者としてつるし上げる住民たちにしても、
その言動が
なんかあまりにステレオタイプ。
それにみんな
テンション高すぎ。
ちょっと乗り切れないなぁ〜〜
なんて思ってるのは、
ワタシだけ?
「タタリじゃ」
に至っては、
もう白線を超えてると
思うけどなぁ〜。

もちろん、
野沢尚さんは
作家として
社会派なわけで、
たとえば北川悦吏子さんとかのように
あ、わかるわかる、その気持ち
っていう意味のリアリティとは
ちがうんだ
ってことはわかってはいるんだけど、
それにしても
「氷の世界」あたりから
何かがエスカレートしてる
気がする。
“ミステリー作家”として
読者=視聴者に挑む!
という意気込みなのかもしれないけど・・。

ところで今回の「眠れぬ〜」の場合、
う〜ん、
なにかがしっくりこない
いちばん大きな理由って
他にあるような気がするんですよ。
このドラマ、
おそらく
バブルの時代
っていうのを
きちっと一度精算する、
というテーマがあるわけじゃないですか。
で、思うんですけど
「今、それって
こういうこと?
ていうか
そもそもそれって
アリなわけ?」

このドラマ、
もともとは野沢さんご本人の
小説が原作なんだけど、
オリジナルが新聞に連載されたのって
2000年10月〜2001年3月
なんですよね。
たしかにその時期って、
まだ、
20世紀を総括する
っていう機運があったし、
バブルを反省しなきゃ
っていうのが宿題だったけど、
それから1年半で
時代の空気みたいなものが
微妙に変わってしまった
っていう感じがあるんですけど、
ワタシには。
2002年も半ばを迎えた今、
もうすぐワールドカップも開幕しようという今、
(関係ないけど)
バブル=六本木で遊んでる女
とか
バブル=無反省な不動産開発
とか言ってて
OKか?
というのが
ワタシとしては
なんかしっくりこないんだよなぁ。
これってつまり
野沢さんのせいじゃなくて、
企画のせいなんだけどね。

以前にも書いたけど
「反乱のボヤージュ」は
とってもよかった。
主人公である薫平(岡田准一さん)にとって
全共闘世代である名倉さん(渡哲也さん)との
ジェネレーションギャップを
精算しておくことは
意味のあることだったし、
視聴者の胸にも
(少なくともワタシには)
ズシっと来ました。
「ネット・バイオレンス」は
あの時、あのタイミングで、
ナイフのような
切れ味でした。
社会派として時代に敏感なことが、
かえってこの1年半のタイムラグを
大きなものに
してしまってるのかも・・。

とは言えこの「眠れぬ夜を抱いて」、
まだ序盤ですから。
これからの展開が
どうなるのかわからないんで。
事実が明らかになるにつれて、
そのへんが
どうなるのか、
期待大ですね。

ところで
どうしても考えちゃいません?
失踪した進藤さん(田辺誠一さん)が
実は、あんなところで
運送屋の見習いしてるんだって。
(「夢のカリフォルニア」です・・)

(MAY.7)


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