ドラマファンとしては、
いったい
どうコメントしていいのか
なんとも言い難いのが
この「私立探偵 濱マイク」、
なんですよね。
だって
これって
映画界からの殴り込み
でしょ、
早い話。
主演の永瀬正敏さん
といえば、
最近は映画ばかりで
テレビドラマには出ない
ことで有名だし、
演出は、日本映画界をしょって立つ12人の監督が
一話ずつを担当。
(ちなみに第1話から順に、
緒方明、前田良輔、萩生田宏治、
行定勲、須永秀明、青山真次、岩松了、
石井聰亙、中島哲也、竹内スグル、
アレックス・コックス、利重剛、以上敬称略です)
しかも
毎回必要以上に豪華なゲストを含めて、
出演者もどことなく“映画系”。
そもそも
どういう意図で企画されたのかは
知らないけど、
「このドラマをきっかけに、
映画界にお客を引っ張っていきたい」
という永瀬さん本人のコメント、
やっぱりな〜
では、ありますよね。
もちろん、
面白いか、面白くないか、
と言われれば、
そりゃもう、
かなり面白いです、ハイ。
でも
このドラマの場合、
その面白さとか、
魅力とかを
語ったりなんかしちゃうのは、
なんか野暮、
というか
ミもフタもない
気がしちゃうんですよね。
だって
たとえば
「フォアグラとトリュフのパイ包み」
なんて料理を目の前にして、
この料理はなぜうまいかと言うとぉ〜
なんて、
誰も言い出さないでしょう。
だから、まあ、
なにも不満があるわけじゃないけど、
でもやっぱりなぁ〜。
たとえば、
街の洋食屋に
メンチカツ定食を食べに行ったら、
例の「フォアグラとトリュフ〜」
が出てきちゃった、
みたいなもんで、
それはそれで
美味しいんだけど、
そこには、
あのシャキシャキの千切りキャベツも、
ぽってりとしたポテトサラダも、
傍らにちょこっと添えられたカラシもなくて、
なんだかもの足りない
なんて思ってしまうのと
似ているような。
思えば、
ドラマファンって、
そういう
「フォアグラ」系の美味も理解しつつ、
メンチカツや
ハンバーグ定食や、
ハムカツなんかの魅力を愛でる
人たちなんじゃないかと、
ワタシは勝手に思ってるんですけど、
どうなんでしょう。
(もちろん
B級グルメとか
そういう意味じゃなくてね。)
というわけで、
今回は
日本映画界vsテレビドラマ界
仁義なき戦い
みたいな話になってしまいましたが、
それはそれとして
ドラマそのものに関する
コメントがないのもなんなので・・。
え〜と、
一視聴者として、
「私立探偵 濱マイク」のうれしいところ。
これはやっぱり
一話一話、時間とスタッフを動員して
つくってるだけあって、
話に芯がある
ってことじゃないでしょうか。
テーマ、
と言ってもかまわないけど。
特に第1話、
“何かを起す”ために
銀行襲撃のためのトンネルを掘る男。
とか、第2話。
“大切なものを失った悲しみ”を歌うために
恋人を殺してしまった歌手。
みたいなのは、
見応えがありましたね。
やっぱり
テレビドラマだって、
安易な
不倫だとか親子の情だとかで
お茶を濁してばかりいないで、
このくらいの
深みがあっても
バチは当たらない
と思いますけど。
で、マイナスポイント。
セリフが聞きづらい。
映画館で観るなら、
音量もしっかりあるだろうし、
それなりの集中力で観るだろうから、
ぜんぜん問題ないんだろうけど、
テレビだと、
ちょっとツライなぁ。
確かに臨場感はあるけど、
もうちょっと
なんとかしてくれると
うれしいなぁ。
とにかく、
この「私立探偵 濱マイク」、
毎回、確かに観応えはあるし、
フィルムの映像は味があるし、
ゲストが意表をつくし、
次週が待ち遠しいドラマ
ではあります。
それにしても
やっぱりこのドラマ、
映画館か、
レンタルビデオで観たい
と思ってしまうのでした。
って、それじゃ
永瀬さんの思惑通りか?
(AUGUST.4)
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