Vol.125

明石家さんまが古典落語を演ったら・・「ダブルスコア」

「出世なんかハナっから頭にない
アメリカかぶれの無鉄砲な命知らずで、
検挙率95%の代わりに
始末書モノの率も95%のダーティー刑事。」
ていうのが公式HPに出ていた
主人公 橘真ノ介(反町隆史さん)のキャラ。
も〜〜〜はっきり言って
100万回聞いたでしょ、こ〜ゆ〜の。
でもって、
その真ノ介とコンビを組むのが、
「出世が約束された、
ノーブルかつおしゃれ、知性派でマニュアル指向の
新人キャリア刑事」河村悦郎(押尾学さん)。
つまり、真ノ介とは水と油、デコボココンビ。
こもももう
200万回聞いたでしょ。
でも、
すごく面白かった、
笑えた、楽しめた、
この「ダブルスコア」。

ストレートな刑事もので、
いわゆるバディもの。
ちょっと思いつくだけでも、
松岡昌宏さんと田中美佐子さんの「ショカツ」、
西村雅彦さんと草なぎ剛さんの「チーム」、
それに
「踊る大捜査線」の青島(織田裕二さん)と
室井(柳葉敏郎さん)も
なんとなく思い出したりするし、
まあ、王道、っていえば王道。
古典的、っていえば古典的。
でも、たとえば、
今あえてハンバーグ専門店としてオープンするレストラン
に求められるであろう、
“この時代にマッチしたソースのキレ”
みたいなものが、
このドラマには、
あるような気がします。

どこが?
って言われるとコマるけど、
たとえば、
なんていうか
全体的なテンポのよさ、
みたいなところ。
でもって
登場人物それぞれのキャラが
なんていうか
エッジが立ってる、
っていう感じ?
一昔前の、あるいは凡庸なドラマにありがちな
ヌルさ、みたいなものが
微塵もないところが
観ていて気持ちいいです。
で、
さっき設定は古典的
って言ったけど、
ストーリーはけっこう今風で、
たとえば第1〜2回、
子供が誘拐される話なんだけど、
たとえば、
一人だけ掴まえた雑魚が
実はボスだったとか、
それを逃がすために、
主人公の上司(永島敏行さん)が
ウラで金を受け取っていた、とか、
ボスはすぐ殺されちゃって、
新しいボスもすぐ死んじゃう、とか。
永島さんも、さっさと殺されちゃうとか。
で、もって
人質の居場所を知ってる人が
誰もいなくなっちゃう、とか。
なかなか意外な展開で、
引き込まれました。
それに
人質の“料理法”としては、
ボンベといっしょにプールに沈めておく、
というのは、
斬新だったんじゃないかと。
(現実に可能かどうかは、
この際、関係ないわけだから)
それから、
初回のエピソードが解決しないで第2話につづく、
という手も
開店にいらしたお客様には、
次回ご来店のための割引券進呈、
みたいに商売上手で、
そのへんがまた
今風でもあるし。

ワタシ的には
このドラマ、
いちばん気に入ってるのは、
河村悦郎(押尾学さん)の
とらえどころのないキャラクターですね。
(先に引用したコメントとちょっと違って)
なんかヌボーッとしてて、
飄々としてて、
そこがなんだかリアリティがある。
たいてい、
無鉄砲派のお相手と言うと、
正義感が強くて、熱血漢で、
でも杓子定規で、頭でっかちで、
っていうのが普通なんだけど、
(「ショカツ」の羽村くん(松岡さん)も
「チーム」の風見くん(草なぎさん)も
そんな感じ?)
この河村くんは、ちょっと違う。
いちおうは
「それは規則違反です」とか
「まずいっスよ」とか言うんだけど、
なんか本気で思ってないような感じで、
何考えてるのかわからない。
なかなか噛み応えのあるキャラだと
思います。
で、
一見ひ弱そうに見える彼が
実は武道(しかもテコンドー)の達人、
ってところもまた、
クライマックスの乱闘シーンとかで効いていて、
なかなか楽しませてくれるんですよね。

まあ、確かに
カタチは古典的
だけど中味は現代的。
いってみれば、
やすきよ?じゃなくて、爆笑問題。
天地真理?じゃなくて、松浦亜弥。
ディープパープル?じゃなくて、マッドカプセルマーケット。
でしょうか。
常に“新しさ”を求めて
なにかとヒネリを効かせた企画を
次々と投げ込んでくるドラマ界にあって、
あえてストレートど真ん中で勝負!
というのは、
やっぱり自信と実力と気合い
でしょうね。
(でも第3回は、
ちょっとテンション低かったなぁ〜)
どこまで楽しませてくれるか、
期待大のドラマです。

ところで
キャリアvs現場の構図や、
セットの雰囲気が似てるために、
ワタシ的には、
「踊る大捜査線」を思い出してしまうんですが、
これって
“似てる?”って考えるよりは、
「踊る〜」以前と以降で刑事ドラマは変わった、
と考える方が、
ダトーだと思うんですけど、
どうでしょう。

(OCTOBER.27)


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