Vol.128

イヨッ!物語の醍醐味「真夜中の雨」

なんだかとんでもない展開になってきた
「真夜中の雨」、
いやぁ〜、面白いですね。
なんか久しぶりに
ドラマらしいドラマ
って感じ?
“ドラマらしい”
っていうのは
つまりなんていうか、
“お話”っていうか“物語”っていうか
“つくり話の醍醐味”
みたいな意味なんだけど。
なんていうか
歌舞伎みたい
じゃないですか?これって。
よくわかんないけど。

あるお屋敷に雇われた腕の立つ侍が、
ことごとくその主人と対立。
しかも、やがてそれは
自分と母親を見捨てた男
であり、
血を分けた父親であるとわかり、
かたく復讐を誓うのであった・・
みたいな。

このドラマって
けっこう偶然の展開が多すぎて、
なんだかな〜って
人もいると思うけど、
こんな都合のいい偶然なんて
あるわけないじゃん
みたいな“非現実性”こそ、
実は
“物語”としての面白さの原点なわけで。
ほんとにありそうな話しか
ダメ、なんだったら、
あの名作だって、
あの話だって、ダメじゃん
てことになっちゃう。
(とっさに例が思いつかなくてスイマセン)

こんなことをいうと
日頃おまえは
リアリティ、リアリティと言っておいて
節操のないヤツ
とか言われそうだけど。
そう、これは
そういうリアリティ型のドラマとは
対極にあると思うんですよ。

たとえば、
「夢のカリフォルニア」の放送時、
番組のHPの書き込みは、
ドラマの感想とかじゃなくて、
私は今どうだとか、自分の場合はこうだとか
現実の自分の話をする人が多かったそうだけど、
それは
あのドラマが、
そういうふうに琴線に触れる
リアリティがあった
ってことであって。

この「真夜中の雨」の
HPには
たぶんそういう書き込みは
あんまりないんじゃないかな。

こういうドラマって
まあ言ってみれば様式美
だから
へんに愛憎劇になっちゃって
感情的になられちゃうと
ちょっとイヤ
なんだけど、
これって話は思いっきり愛憎劇なんだけど、
なぜかドライな感じ。
なんていうか
将棋の大盤解説
見てるみたいな。
「う〜ん、都倉先生、
四6歩ときましたか。
そうなると医院長、
次の手はどう切り返すんでしょうねぇ」
みたいな。
このあたり、
演出があくまでも“様式美的に”煽ってて、
ワクワクしますね、
音楽の入り方といい、
とどろく雷鳴といい。

様式美、
という意味で
ついでにいうと、
このドラマ、
なんていうか構図が見事ですよね。
都倉先生(織田裕二さん)と医院長(長塚京三さん)の
相対する親子に、
娘の香織(山田麻衣子さん)、二代目(阿部寛さん)、
理事長(石黒賢)、水澤刑事(松雪泰子さん)とかが
いろいろ絡んできて、
それぞれの駒の配置、
というか立ち位置とその緊張感だけでも
充分に絵になる。
次男坊(松岡俊介さん)や熱川医師(渡辺いっけいさん)さえも
絶妙な配置に見えて、
思わぬ駒が後々大事なところで効いてきそう。
個人的には、
理事長の愛人(田中美里)、
この一手が、
う〜ん、いいなぁ、
なんでかわからんけど、
寿司でいえばガリ、
ドライカレーのレーズン、
キャラメルコーンのピーナツ
みたいに
全体の味わいに
奥行きを与えて・・おっと、
エラそうですいません。

ここまで書いてきて
いま思いついたんだけど、
とにかくこのドラマ、
カッコいい!
そう、
織田さんも長塚さんも
カッコいいんですよ、
客席から「イヨッ!」って
声をかけたいくらい。
そう、
これはそういうドラマだったんですね、
なるほど、なるほど。
(一人で納得しているワタシ)
というわけで今週も
どこでミエを切ってくれるか
楽しみです。

ところで来週は、
イヨッ、旅芸人も登場した
「ホーム&アウェイ」、
今週の話の“続き”で、
いってみようかと思います。
予告しちゃったりして。

(NOVEMBER.18)


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