古い話で恐縮だけど、
昔、ソニーロリンズとパットメセニーの競演
というのを聴きに行ったことがあります。
ロリンズと言えば、
ジャズサックスの大御所。
メセニーと言えば、
人気のフュージョン系ジャズギタリスト。
言ってみれば、
夢の競演
ですよね。
このときはたしか
ロリンズのバンドに
メセニーが加わる、というかたち
だったんだけど、
う〜ん、これがまた
なんと言っていいのか・・。
というのは、
ロリンズのソロが終わって、
メセニーのソロが始まると、
最初、明らかに
ノリが合わないんですよ。
ロリンズといえば、
メリハリが効いた骨太なノリの良さが身上で、
それに
メセニー本来の
ゆったりとした
うねるようなノリが、
最初のうち、
どうも噛み合わない。
なんかしっくりこない。
で、ソロの後半になって
ようやく
彼本来のノリに
“引きずり込む”ようにして、
もっていく、
というパターン。
それはそれで
聴き応えがあるんだけど・・。
久しぶりに
長〜い前フリをしてしまいましたが・・。
「アルジャーノンに花束を」
これ観てると
なんか思い出すんですよね、
その話。
いきなり言っちゃいますけど、
岡田惠和さんというのは、
自分の中にテーマをもってらっしゃるタイプ
の脚本家だと思うんです。
こういう言い方はヘンですが、
与えられたテーマを
ワザでこなしていくタイプでは
ないですよね、本来。
もちろん、プロとして、
そういう(後者のような)書き方もしなくては、
とご本人もどこかで
おっしゃってましたが。
で、
それが
原作がもともともっているテーマと
最初のウチ、
なんかしっくり
噛み合わなかった。
というのが、
この「アルジャーノン〜」なんじゃ
ないかと。
だから、
最初の何回かは、
なんか観ていても
しっくりこない感じ
だったんですよ、
ワタシ的には。
それが、
ここにきてようやく、
なんだか、
岡田脚本ドラマっぽい
味を出してきたような。
まるで、
ソロの後半、
メセニーが本来のノリを
取り戻したように。
前回、このコラムで
このドラマを取り上げたとき、
「なんの話かわからない」
って書きました。
それがようやく
見えてきました。
この
「アルジャーノンに花束を」
原作は
「愛」についての話
なんだけど、
このドラマでは、
「情」についての話
になってる。
そう考えてみると
ワタシ的には、
ようやく
腑に落ちるんですけど、
どうでしょう。
これ、
原作とは
設定もいくらか
変えてますよね。
ハル(ユースケさん)の周りで言えば、
たとえば
ドラマでは、
エリナ先生(菅野美穂さん)には
晴彦(吉沢悠さん)という婚約者がいて、
いわゆる
三角関係になるわけですけど、
原作では、
アリス・キニアン先生とチャーリィは
相思相愛状態。
でも、
チャーリィには、
もう一人、フェイという女性がいる。
で、
これが、
アリスとの超越的な「愛」に対して、
世俗的な「慰め」という対比、
けっして、
“日本的な”三角関係じゃない。
て、
なんか
今週は、国語の授業
みたいなことに
なってしまいましたが。
チャーリィと家族との関係にしても、
やっぱり、そういう対比が
あるような気がします。
かたや「愛」、
かたや「情」。
だから
先週の
エリナ先生のとまどいって、
(「愛なのか、同情なのか」)
原作から岡田バージョンへ“翻訳”する際に
ひっかかってきた
小骨みたいな気も
してしまうのですが。
なんか
今週はワタシ
すご〜くエラそうで、
なんかイヤですね。
で、ワタシ的には
何を言いたいかというと、
こういう原作がありながらも、
自分なりに噛み砕かずにはいられない
岡田惠和さんの仕事ぶりって
なんか、スゴイ!とか思っちゃいます、
いや、マジで。
こういう人なら、
きっと次も
いいドラマを観せてくれるはずだって。
いや、ワタシ、
ファンですから、ハハハ・・。
(DECEMBER.7)
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