Vol.16
あ、これは大型車の乗り心地、「合い言葉は勇気」
お馴染みの「古畑任三郎」を除けば、
(シリーズその3、スペシャル2本)
今度の「合い言葉は勇気」、
三谷幸喜作品としては、「今夜、宇宙の片隅で」以来、
2年ぶりの新作ということになりますね。
このドラマ、
なんていうか
たとえばベンツ、クラウン・・・
大型車の乗り心地、って感じで、
ワタシ、気に入ってます。
これまでの三谷ドラマって、
必ず何かの制約を設定して、
その範囲内で“巧みに”ドラマが展開する。
いわば小型車のような小気味よさが、
魅力だったんですよね。
制約ってのは
まあ、場所と時間のことですけど。
出世作となった「やっぱり猫が好き」は
登場人物3人の室内劇、
「振り返れば奴がいる」は、
病院内に限る、日を跨がない、が原則。
その他、
「王様のレストラン」「3番テーブルの客」
「総理と呼ばないで」「今夜、宇宙の片隅で」
だいたいが室内劇ですよね。
「古畑任三郎シリーズ」は室内劇ではないけれど、
1話完結犯罪謎解きもの、
これもある意味、
制約みたいなものですよね。
ところが、
前々作「総理と呼ばないで」あたりから、
ちょっと低調っていうか
切れ味が鈍ったかな、
なんて感じがあって・・・。
なんていうか
三谷さんのキャパというか
力量というか
エンジンが大きくなってきたものだから、
小型車流のドライビングでは
なにかこう大きな車体がついて
いかなくなってきた。
という感じ。
で今回、
「合い言葉は勇気」なんですけど。
いままで自ら課していたカセをとっぱらって、
“フツウの”ドラマの手法で勝負している、と。
これがまた三谷ドラマの“人間くさい部分”を
うまく引き出していて。
たとえば
役所広司演じるニセ弁護士のキャラクターなんか、
一見大味なようでいて、
ビミョーな人間くささが、よ〜く出てますよね。
役所さんの演者としての力量に
負うところも大きいと思うけど。
なんていうか
三谷ドラマの新段階、
自らのエンジンパワーに見合った
大型車の乗り心地を発見しつつある、
という感じがしますね。
最終回まで、急がず、ゆっくり、
シートにドッカと腰を落ちつけて、
楽しもうと思います。
ところで第三回の最後、
あの演説シーンて
「俺達は天使じゃない」でしょ、ね、ね。
(いや〜ショーン・ペンの演説には泣きましたぜ、ワタシャ)
(JULY.25)
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