Vol.166
犯人は誰だ?「R.P.G.」
先週は「恋文」、
50ページ足らずの短編なのに
原作に忠実、
って話でした。
今週はその逆です。
(ネタバレ、あります)
先週放送された単発ドラマ「R.P.G.」、
今、日本でいちばん売れてる作家
宮部みゆきさんの原作で、
後藤真希さんが主演で。
ちなみに
芸術祭参加作品
だそうです。
この原作って
300ページ近くあるんですよね。
で、それを
わずか一時間かそこらに縮めてる。
まあ
確かに話をシンプルに絞ってはいるけど、
原作にない部分を付け加えてもいるみたい。
それって
つまり、
ドラマの後半の部分、
犯人が明かされてからの
一連の展開。
犯人は、自白はしたけど、
まだ心は閉ざしたまま。
それを
武上刑事(伊東四朗さん)と石津刑事(風吹ジュンさん)が
取調室で対決しながら
次第に溶かしていく・・
っていう
ことなんだろうけど
う〜〜ん、
これでいいの?
このドラマ
まずなにより
原作のアイデアが魅力的ですよね、
ネット上の“家族ごっこ”。
しかもそれが
アイデアで終わらずに
現実に跳ね返ってくるところまで
突っ込んでる
ってところが
読み応え=観応えあります。
ドラマも前半は、
殺人事件をきっかけに
この“家族ごっこ”が
徐々に明らかになっていく
っていう象徴的な展開。
これがまた
伊東さんと風吹さん
ベテランお二人の
微妙な演技と、
星田良子さんの
行間を紡いでいくような
細やかな演出が
ほんとに
うまく噛み合ってて
とっても
いい感じでした。
ところが!
・・・・
あえて言うけど、
後半の安っぽい展開はナニ?
これで視聴者は
感動したり
泣いたりする
なんて・・・
思ってるワケ?
もちろん
「(石津刑事は)母親の目をしていた」
なんていうセリフや
殺された所田良介(伊武雅刀さん)が
ナイフを隠せといった
なんて話は、
原作にはありません。
前半の展開は
とっても面白かったのに、
できれば、
最後までこの調子で
観たかった
と
一視聴者としては
思うんですけど。
原作の
いちばんの泣かせドコロって
一人の老刑事が
犯人に
(あるいは犯人の気持ちに)
気づくところ
ですよね。
父親がネットで
“家族ごっこ”をしている。
娘がそれを知ってしまう。
「こんなことをやられたら、
やられた方はたまらん。
たまらんさ。
本部の連中は、
なんでこれに気づかないんだ。
俺なら、頭がおかしくなりそうなほど
怒るだろう」
ここのところに
(ここのところだけに)
娘が父親を想う気持ちが
逆説的に描かれてるし、
それを察することのできる
大人が描かれてる。
だから
その他の部分は
むしろ
タンタンとしてる感じで。
一人のドラマファンとして思うのは、
ここで
伝わってくるものを
なんでドラマは
そのまま表現しようとしないんだろう。
なんで
安っぽいヒューマニズムに
わざわざ置き換えてしまうんだろう、
ってこと
なんですよね。
もしも
“ドラマって、こーゆーもの”
だというのなら、
そうしてしまった犯人は
誰?
えっ、もしかして、
ワタシ(視聴者)?
う〜〜ん、
どうなんでしょう・・。
あ、
でも、
前半、
久しぶりに星田良子さんならではの
キメの細かさ、
とってもよかったです。
なんて、
前向きに
シメてみました。
ダメ?
november.28
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