Vol.172
生春巻、侮(あなど)りがたし。「彼女が死んじゃった。」
ヒョウヒョウとして、
おかしくて、
せつなくて、
絶妙。
う〜ん、
ひと言で言うとそういうことでしょうか。
(ちっともひと言じゃないけど)
これ、始まる前から
予感はあったんですよね、
もしかしたらダークホース?って。
大当たり。
だいたいタイトルからして、
「彼女が死んじゃった。」
ですよ。
話はっていうと、
主人公の安西ハジメ(長瀬智也さん)は
俗に言う“女たらし”。
行きずりの女(木村佳乃さん)と
一夜をともにするわけだけど、
その後もなぜか彼女が気になる・・・。
でも彼女、
自殺しちゃうんですね。
で、その謎が知りたくて、
彼女の妹や婚約者といっしょに
ケータイのメモリーを頼りに
関係者を訪ね歩く・・・。
っていうんだけど、
だいたいこの設定が
そそられます。
最初に主人公が死んじゃって
第三者の証言をもとに
話が展開する
っていう趣向は、
有吉佐和子「悪女について」とか
岡崎京子「チワワちゃん」で
やってましたけど。
あと、
ちょっとちがうけど、
ジョディ・フォスター主演の「君がいた夏」
なんかを
思い出してしまいました。
おっと
話がそれました。
でも
このドラマの
感じ
は、
そのどれとも違うし。
そう、
ヒョウヒョウとして、
おかしくて、
せつなくて、
絶妙・・
なんですよ、やっぱり。
しかも
それが
同時に
じわっと効いてくる。
辛くて甘くて酸っぱく美味しい生春巻のタレ
みたいな感じで。
たとえば
第2話のラストのところ。
こわれかけてた夫婦が
仲直り(?)するシーン。
(いちばんおいしいところ
なんで
ネタバレかも
しれないけど)
妻が捨てちゃった
結婚指輪を
二人で
ゴミ収集所で
さがして
見つけるんだけど・・
妻「何も解決していない・・」
夫「今度はもっと探しやすいところへ捨てろ」
妻「(夫を見て)そうします。
必ずそうします」
たとえばこういうセリフの
甘さの抑え具合が
絶妙。
しかもこれ、
ゴミの中に突っ立ってるんですよ、二人で。
普通だったら
ブランコがある公園
かなんかで、
もっと甘めのセリフ
でキメるでしょ。
(他局のドラマであったけど)
まあ、いちいち
挙げていっても
しょうがないけど。
まあ、こんなふうな
エピソードを盛り込みながら、
自殺した彼女=石井ゆかりの
“意外な一面”が
次々と明らかになり、
キャラが浮き彫りになっていく
ワケなんだけど、
これがまた
ちょっと謎っぽくて
魅力的
なんですよね。
たとえば、
自分の部屋に強盗にはいった犯人(柳沢信吾さん)を
拘置所に訪ねていって
和気あいあいだったり。
まあこのあたりは
全9話を通して
徐々に全体像が
(そして自殺の理由も)
見えてくるんだろうけど。
なんかこれ
最終回
泣けるような気がする、
カンだけど。
脚本の一色伸幸さんって
どっかで聞いたことある
と思ったら、
80年代後半から90年代にかけて、
映画で活躍した脚本家で、
「私をスキーに連れてって」
「僕らはみんな生きている」
「ショムニ」(映画版)なんかを
手がけた方だそうです。
特に「病院に行こう」(90年)では、
日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞。
でも99年「お受験」を最後に
映画もテレビも
あまりお仕事されてなくて
久々の登場
って感じらしいです。
よく知らないけど。
それにしても
このワク(NTV土曜9時)、
過去には「すいか」
なんかもあって
侮りがたし。
っていうか、
香川照之さん。
この人の出るドラマ、
最近ハズレがないです。
う〜ん、
侮りがたし。
january.30
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