Vol.174
ブレイクスル〜?「なつのひかり。」
これ、観た人
少ないんじゃないかな、
「なつのひかり。」
たしか2/14(土)の昼間の時間帯に
やってた単発ドラマなんだけど。
日本テレビシナリオ登竜門2003大賞受賞作品
なんだそうです。
こういう単発ドラマを
いい!とか言っても
再放送があるワケじゃなし
あんまり役に立たないかもしれないけど、
いい!
よかったです。
っていうか、
なんか
ドラマの未来を感じました。
(って、
小ネタなんで、
ちょっと大袈裟に言ってみたりして・・)
観てない人のために
ストーリーをちょっと・・
舞台は下町の町工場。
社長の木田武司(大杉漣さん)は採算度外視の職人気質、
共同経営者の冬柴雄一郎(モロ師岡さん)が
いつも金策に奔走してて
でも、経営は苦しくて借金いっぱいあって・・。
この雄一郎の娘、冬柴宏美(相武紗季さん)が
主人公なんだけど、
工場の2階のアパートで、
みんな家族みたいに暮らしてるんですね。
宏美は若い職人の北原哲生(内田朝陽さん)と
いい感じで・・・。
まあ、いかにも下町っぽい設定です。
で、ある日、
雄一郎が風呂場で自殺しちゃうんです。
たまってた借金を保険金で払ってくれって・・。
まあ、
そんな話です。
これって
確かに古典的
ではありますよね、
「キューポラのある街」
みたいな。
でも考えてみたら、
現代的な状況
と言えなくもない、
「プロジェクトX」
みたいな。
でも、
今、
これを
ドラマでやるとしたら、
どうしても
古典的にならざるをえなかった
と思うんです。
なんていうか
「経営に行き詰まってる町工場」
ってだけで、
ステレオタイプな下町人情もの、
あ、いかにもドラマな世界ね、
それは“観賞用のドラマ”としては
ありだけど、
リアリティないね、
みたいな。
それを避けるには、
“今っぽい”
題材わざわざ見つけてきて、
(たとえば、援交とか、メルトモとか、
家族のディスコミュニケーションとか、将来の閉塞感とか)
それでヒネッてみせるしかなかった。
で、
これが今のリアリティでしょ、
って見せるしかなかった
と思うんです。
でもそっちの方向にいっちゃうと、
今度はどうしても
トリッキーな企画になって
正統派にはなり得なかった。
つまり、
ど真ん中に投げれば打たれる、
だから次々と新しい変化球を開発する
みたいな。
で、同じことが
主人公の高校生宏美のキャラにも言えて、
今までドラマに登場してきた高校生って
いかにも現代っ子なキャラが
(ドライで、今風で、ケータイで
みたいな)
そうはなれないケナゲな高校生、
このどちらか
でしたよね、
乱暴に言ってますけど。
でも、前者には
“ホントはそんな女子高生ばっかじゃないし”
って思うし、
後者には、
“今時、そんな女子高生いないし”
って思うワケです。
ところがこの
宏美はどちらでもない、
ほんとにフツーの高校生なんです。
なんていうか
必要以上に今っぽくないけど、
フツーに軽くて、
表層的なコミュニケーションの世界に生きてる。
必要以上にケナゲじゃないけど、
フツーに素直ではある。
きちんと
“現代的”に二重構造なワケです。
(そういう意味では
宮藤官九郎さんっぽいかも)
だから、
このドラマ観終わった“読後感”って
意外と
(借金だ、自殺だって話のワリには)
さわやか。
見た目は古典的な
ドミグラスソースのハンバーグ
なんだけど
なぜかアッサリとして
胃にもたれない
みたいな。
思うに、
このドラマ、
ど真ん中に投げる球を見つけた
って意味で、
けっこう大きいんじゃないかと。
う〜ん、
今回は更新遅れた上に
妙に理屈っぽいこと言ってますけど、
別にネタに困って
深読みしてる
ワケ
じゃ
ない
ですから・・。
でもちょっと大袈裟?
ですよね、
そうですよね、
失礼しました。
ま、それはともかく(笑)
渡部智明さんの演出の力も大きいと思いますが、
山元直子さん(脚本)、
要チェックです、
ワタシ的には。
おまけ。
誰も観てないドラマの話ばっか
してもしょうがないので、
みんなが観てるドラマの話。
先週の「砂の器」
よかったですね。
演出が大袈裟
って話もあるけど、
まあ、作品主義、様式美の世界ですから、
それよりも
音声と映像が多層的に展開して
いろんなエピソードが
同時進行する見事な構成は、
交響楽のようで。
う〜ん、
ナイスです。
february.18
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