Vol.182

安易な“心あたたまる話”なんかじゃない!?「ホームドラマ!」

家族じゃない人たちが集まって
家族のように暮らす。
たしかこれ「拡大家族」とかっていって
昔(80年代頃?)
カート・ヴォネガットJrってアメリカの作家が
提唱してたように
思います。
これからは、
こういう擬似的な大家族みたいものを
制度的につくって
助け合って暮らしていくのが
ひとつの解決策なんじゃないか
みたいな話
だったかなぁ〜〜??たしか。
岡田さんご自身は、
昔「テロの被害者同士が
家族のように暮らしている」という
ニュースを小耳に挟んで
引っかかってた
っておっしゃってますね。
(公式HPのインタビューで)
で、
ワタシが何を言いたいか
と言うと、
パクリだ!
とかそういうことじゃなくて、
なんていうか、
ヴォネガットが
「拡大家族」のことを言い出したとき
それはとても
現実的な提案として
言ってるワケで。
で、このドラマも、
同じように、
ヒューマニティ溢れるお伽噺、
あり得ないけど、心あたたまる話
とかじゃなくて、
現実的な話、
今この現実にかかわる話、
として
取り組んでる
ってことが
なんかスゴイ
と思います。

だってこれ、
いっけんこういう
ヒューマンな話
なんで、
テレビ的に甘めにしようとしたら、
けっこう
カンタンになっちゃう
と思うんですよね。
(たとえば
「R.P.G.」
のところ参照してください)
そういうふうには
ぜったいに
安易にしないぞ
っていう決意が
う〜ん、
ジリジリッと
感じられます。
たとえば
両親を亡くした青山くん(泉澤祐希くん)は
親戚のところに預けられて
みんなに親切にされてる、
でも
岡田脚本は
そういう“親切”に含まれるわずかな“無責任さ”さえ、
許さない。
厳し〜〜い!

ところで
最初にテレビ雑誌で
このドラマの紹介を読んだとき、
あ〜〜、なるほど、
そういうことか
って思ったんですよ。
何度か書いたけど、
「ちゅらさん」以降の岡田惠和さんのドラマって
ど〜〜〜〜も、
なんていうか、
登場人物が仲良しになりすぎる
気がして
ひっかかってたんですよね。
こういうことだったのかと。

岡田さんは
以前からよく
挫折と癒しを描いてらして
えーと、たとえば
ワタシの好きな「ビーチボーイズ」や
「ランデヴー」
「彼女たちの時代」なんかも
そうでしたよね。
考えてみたら、
こ〜ゆ〜のもみんな
疑似家族みたいなもんで、
なにも、
“登場人物仲良し傾向”は
「ちゅらさん」で始まったわけじゃ
ないんだって。
でもって
今回の「ホームドラマ!」は
この
“登場人物仲良し傾向”を
真っ向から
きちんと、ちゃんと
取り組もうっていう
そういうドラマなのかなと。
これ、書いてる時点で
まだ初回しか観てないんですけどね。
そういう意味では、
ど真ん中、直球勝負、
ホント、楽しみです。

で、ちょっと
内容に触れとくと
今回、
久しぶりに田村高廣さんが出てらして、
(ダメモトでお願いしたら
OKしていただいた、とか)
なんていうか
この河野老人の
寒々とした孤独感が
グッときますね〜。
たとえば、
“思わず笑っちゃった”っていう
そのテレビ番組は何だったのか
まじめな顔で聞くところとか。
あと、
つい自殺なんか
考えちゃったりしたところに
たまたま遠山さん(いしだあゆみさん)が
訪ねてくるんだけど、
その場で
「し、死んじゃダメ!」
ってならずに
「私で〜す!」
なんて脳天気に手なんか振ってる。
でも、あとでなにげに
「あんなところでなにしてたんですか?
ダメですよ。」なんて
サラリと言ったりする。
こういうところが、
なんていうか、
私が岡田脚本を好きな理由。
って言うんでしょうか。
ダキョウのないキャスティングと
ダキョウのない脚本で
なんか
すごいドラマになりそうな
予感がします。

プロデューサーの橋本孝さん、瀬戸口克陽さんは、
「夢のカリフォルニア」「恋文」など、
“岡田惠和後期のシリアス路線”
を作られてるスタッフみたいですね。

P.S.
最近発刊した新風舎文庫ってところで
なんと
ドラマのシナリオシリーズが
出てるんですね。
ずいぶん大胆な企画だと
思いますが、
おかげで
見逃してた
「ちゅらさん」を
読むことができました。
それから、
これも私が好きな
池端俊策さんの
「僕が彼女に借金をした理由。」も。
ドラマって
映画と違って
オンエア1回こっきりで
消えてっちゃうもんだから、
こういうカタチで
残るのは
ドラマファンとして
嬉しいです。
あとで読み返せるし。
かんばれ〜〜〜〜!新風舎文庫!

あと、それから
この「ホームドラマ!」の
オープニング・テーマ
「アローン・アゲイン」って
これ、反則じゃないか?!
ドンピシャすぎ?!


april.23


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