Vol.183

フォアグラは必要か「オレンジデイズ」

今クールのなかで
「ワンダフルライフ」が
ひときわ清々しいのは、
五体満足な人しか出てこない
数少ないドラマ
だからじゃないかと
思ったりもしちゃうくらい、
今クールはなんていうか・・・。
で、
この「オレンジデイズ」、
きっと誰もが
こう思ったはず、
「またかよ」。

(久々の更新で、
スイマセン。
今回は前半注文、後半ほめます。)

「またかよ」ってのは、
もちろん、
同じ北川悦吏子さん脚本の
「愛していると言ってくれ」を
踏まえて言ってるんだけど、
(この他にも障害者という意味では
「ビューティフルライフ」もそう)
ワタシ的には、
「愛している〜」は
アタマ数回でパスしてるんですね。
理由は
ドラマの“泣かせどころ”が
しゃべれないという特殊事情に依拠しすぎている
って思っちゃったから。
だいたいタイトルからして
そうじゃん。

今回の「オレンジデイズ」についても
北川さんご本人は
「私、そういうこと(耳が聞こえない)って
あんまり特別なこととは
思えないんです。」
「そこで泣かせる気も、
そこで怒らせる気も、
そこでドラマを特徴づける気も。
特にはありません。」
なんて言ってますが、
これ、
はんぶんはホントとしても
はんぶんはウソじゃん!
とワタシ的には
言いたい。

以前に書いたけど
「トイストーリー」のバズの場合は、
オモチャという“特殊事情”にもかかわらず、
その心情が理解できたのに、
今回の「オレンジ〜」では、
沙絵(柴咲コウさん)の
あくまで特殊事情でしかないように
思えちゃうんですよね。
まあ、むしろ、
たとえば「神様、もう少しだけ」のように、
主人公の不幸な境遇が視聴者の涙を絞る
ってタイプのドラマ
なのかもしれないけど。

で、
はんぶんはホント
って言ったのは、
これ、
沙絵の特殊事情に関係なく
けっこういい感じの青春ドラマ
になってるから。
こういうの好きなんですよね、
ワタシ的には。
こういう
青春もの、群像もので
印象に残るドラマって
けっこうあるようで、
あんまりなかった
んじゃないかと。
「けっこうある」
って思っちゃうのは、
印象に残ってるものの
印象がとっても強いから
だと思うんだけど・・。

北川さんは
「あすなろ日記」みたいな
青春ものを
いつかもう一度書きたい
って思ってらしたそうで、
「あすなろ〜」は未見なんですけど、
「ロンバケ」って
やっぱりこういう
卒業(大人になる)を間近にした年代の
話じゃなかったでしたっけ?
北川脚本って
なんていうか、
この周波数に波長が合ったときに、
グッと
深いところに触れてくる
ような気がします。

波長が合う
っていう意味では、
北川さんと植田Pが自ら選んだという
5人のキャスティング、
なんていうか
存在感そのものが
青春してて。
すっごく
いい感じです。

でも
やっぱり思っちゃうんだけど、
それならいっそ、
“特殊事情”なしでも
いけたんじゃないかって。
なんか
うまいハンバーグ(またかよ)
食べようと思ったら、
フォアグラものせときました
って言われちゃった
ようなもんで、
え〜〜、
デミソースとせいぜい目玉焼きにしてよ〜
って思っちゃうのは、
ワタシだけ?

植田博樹プロデューサーによれば、
「『耳が聞こえない』っていうのは、
今回、大学生を主人公にする上で、
どうしても必要な設定」だったそうで、
というのは、
今のように
夢が持ちにくい、自分の限界がわかっちゃう
っていう閉塞感の中で、
主人公の櫂(妻夫木聡さん)が
自分の夢を見つけるきっかけ
が必要だった、
ということだそうです。
それもわからなくはないけど、
やっぱり
フォアグラは“特殊”すぎる
んじゃないかと・・。

それよりも、
今回は
夢を見つけて
卒業する(大人になる)ところを
描くんだそうで。
以前にも書きましたが、
北川脚本って
“大人にならない”
ところが
ユニーク
かつ
魅力的
だと思ってるワタシ的には、
今回
どう新しい局面を見せてくれるんでしょう、
とても楽しみです、
ワクワク。

ところで
今回はストレートで
いい感じのタイトルが多いですね。
「オレンジデイズ」
GOODです。


may.12


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