Vol.19
“原作あり”だとひと味違う野沢ドラマ「喪服のランデブー」
枡毅の次は岸辺一徳、
一週間に2度も首を絞められて
気の毒な山本未来さんにちなんで、
今回も“野沢尚ばなし”のつづきです。
前回、「野沢ドラマには陰のあるタイプが似合う」って
書いたけど、
もっとぴったりの言葉みつけました。
えぐみ、
春の筍とか山菜とか食べると、
なんか苦いような後味が残ることがあるでしょ、
ああいう「えぐみ」が
野沢作品にはあるんですよね。
それは「重い」とか「暗い」とかと、
ちょっと違う、
「えぐみ」なんですよ。
「え〜〜〜?どこが〜〜〜?」
って言われると困るけど、
たとえば「リミット」の場合、
幼児の臓器売買、というあたり・・・。
「恋人よ」では、
岸谷五朗が死んだ鈴木保奈美の指切り取っちゃうし・・
「素晴らしきかな人生」では、
富田靖子は自殺しちゃうし・・
織田裕二はボロボロになって放浪しちゃうし・・。
でも、具体的にどこ、というより
なんか全体が
どことなく、
えぐいんですよ。
わかってもらえます?
だからやっぱり「氷の世界」は
反町隆史じゃなくて竹野内豊なんだし、
「リミット」は、
常盤貴子じゃなくて安田成美なんだろうな。
あ、たとえば、ですけどね。
えーと、前置きが長くなりましたけど、
いゃ〜「喪服のランデブー」、いいですね。
えぐみ、がない。
(いや、少ない、かな。)
「おいしい関係」もそうだったけど、
原作ものの野沢尚さんは、
独特のえぐみが少ない分、食べやすい。
主役の藤木直人さん、「リミット」の安田成美さんと
比べてみるとわかるけど、
藤木さんの方が偏執的な殺人者という設定にもかかわらず、
なぜか後味すっきりしてますよね。
ドラマ全体も、
しっかりした味付けなのに、
喉越しがいい、って感じ。
しかもまた、
むちゃくちゃうまいんだ、野沢さんたら。
たとえば
山本未来さんが岸辺一徳さんに別れ話を切り出す場面、
もう、いやってほど、上手、ですよね。
まあ、山本さんも岸辺さんも
野沢さん好みの「えぐみ」のある役者さん、
ということもあるけど。
こういう言い方をすると
誤解されるかもしれないけど、
品質のよいエンターテインメント、っていうんですか?
原作ありの野沢脚本、
ワタシは好きです。
(AUGUST.24)
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