Vol.191

ステーキか懐石か、堂々本格派対決「人間の証明」vs「新選組!」

過去最大級のブランクで
どーもすいません。
久しぶりの更新は、
今クールのマイベストワン発表
ということで、
候補は2つ、
「人間の証明」と「新選組!」。

え〜と、
すでに放送終了した「人間の証明」ですが、
最終回、
よかった!拍手。
いきなり取調室から始まって
どんな展開になるのかと思いましたが、
なんと
約1時間の間、
取調室のシーンに終始、
そのままクライマックス。
う〜ん、
この力技にはまいりました。
今日のお料理は「前菜からどうぞ」
なんて面倒なこと言わずに
いきなり肉料理ドーン!
みたいな。
しかも
堂々の正統派。
塩加減と火の通し加減だけで、
これだけ味わい深く、
1時間飽きさせずに
引っ張り通すとは。
拍手!

たとえば「逃亡者」が
“犯人は誰だ”形式で
引っ張っていくのに対して、
この「人間の証明」、
犯人はわりと早い段階で
わかってたワケじゃないですか。
こーゆー場合、
最後に明らかになる
“意外な事実”はなんだろう?
っていうのが興味の対象なワケで
それがドラマチックなほど、
なんていうか
カタルシス
なワケで・・。
この「人間〜」の場合
「被害者が加害者を憎んでいなかった。かばっていた。」
っていうのが、
う〜ん、
ドラマチックにハマりました。
しかもそれが
棟居(竹野内豊さん)自身の問題と
ビミョーに絡んできて
テーマを強調してる
ってところも
見応えがありました。

結局、最終回
ほとんどワンシーン
で、ズバッと勝負に出るからには、
やっぱりそれなりの自信と気合いアリ、
って感じでしたね。
演出の中江功さん、脚本の前川洋一さん、
棟居役の竹野内さんはもちろんのこと、
やっぱり松阪慶子さん、
なんていうか大女優然とした“厚化粧”な演技が
フツー、テレビではウクんだけど、
それがこの場合、
逆にピタッとはまってて
う〜ん、拍手です。
「人間の証明」
マイベストワンの有力候補!

で、もうひとつの候補
「新選組!」。
これ、過去に何度か
ここで書いてるんだけど、
そのときは、
近藤勇(香取慎吾さん)の今のキャラで
後半、波乱の歴史的事実を
乗り越えられるんだろうか
みたいなこと書きました。
でも、心配無用でしたね。
ちょっと古い話ですが、
山南敬助(堺雅人さん)切腹!
に至るまでの盛り上がりは
見応えがありました。

三谷さんの脚本って
軽妙さが身上だと
思ってたんですけど、
軽妙さってつまり、
チープとか、ライトとか、キッチュとか
ってことじゃなくて、
たとえば天ぷらをカラリと揚げるのって
けっこう高度な技量なんですよ的な、
そういう類の軽妙さ
ってことなんだけど、
だけど
このところの「新選組!」、
むしろ
どっしり本格派の趣
じゃないですか。
う〜ん、
いい感じです。

とくにワタシ的には
山南が遊女おすず(鈴木砂羽さん)と出会って
明里と名付けるシーン
がよかった!
インテリの山南に対して
明里は「あほな女」に描かれていて
山南が仙台生まれだというと、
「仙台?それどこにあるの?」
とか言ってるワケです。
でもそれって
ガクのある男がアホな女に安らぎを見いだした
とかそんな単純な話じゃなくて、
たとえば
「あんたもさみしいお人なんやな」とか
なにげにグサリと言われたり、
明里が自身の不幸な身の上について語った後で
「賢かったらこうはいかんで。
とっくに首くくっとるワ」
なんてアッケラカンと言う。
山南は「・・・そういうものかな」とか
ますます(自分の身の上を)考え込んじゃう。
つまり、
ここでもう逆転してるんですね。
インテリであるがゆえの山南の孤独
みたいなものが、
あまりにも見事に
浮き彫りになっちゃってる。
う〜ん、
グッと来ました、このシーン。
で、その後、
京を逃げ出す二人のシーンなんかで、
ますます逆転がはっきりする。
(団子の件とか、菜の花の件とか)
なんていうか、
山南は明里に負けることで
救われてる・・・みたいな。
これって
なんていうか、
一見、オーソドックスで本格的な懐石料理
ではあるんだけど、
同時に、
いかにも三谷幸喜らしい
ポリシーに貫かれている。
でもって
あまりに悲劇的でもあるんだけど、
同時に
いかにも喜劇的でもある、
という歴史ドラマにも
ちゃんとなってる。
う〜ん、
お見事、拍手、
っていうか、
これぞドラマの醍醐味。

「新選組!」過去2クール、
マイベストワンを逃してきましたが、
今クール、「人間の証明」という
強敵がありながら、
あのワンシーンで逆転。
今クールのマイベストワンは
「新選組!」
ということで、
パチパチパチ!


september.13


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