Vol.193
象印夫人vs桂枝雀?「マザー&ラヴァー」
こういうことは
たぶん今のうちしか言えないので
言っちゃお。
ツマンナイ!
「マザー&ラヴァー」
第1回を見た限りでは、
なんか話の展開も平凡だし、
いかにもコメディですよ
って言いたげなラグタイムなBGMも
今さらどうなの?って感じだし、
確かにツマンナイ・・
でも、なぜか
いい!
そう、なんていうか、
全体を通すと凡庸なコッペパンのようだけど、
ところどころスパッと切ってみると
切り口はなんとも美味しそうな
レーズンがたっぷり、
って感じで
なぜか
いい、んですよ、意外にも。
・・・
まあどうせ、
パンダが岡田惠和ファンだというのは
バレバレなんで、
なんとか無理矢理
ホメるとこ見つけてるんだろう
なんて思ってるでしょうが
(ま、否定はしなけど)
まあ聞いてください。
このドラマ、
今どきマザコン!
てのがウリなんだけど、
なぜかそのマザコン、
いや、
母親と息子の関係が
いい感じに見えるんですよ。
たとえば、あの“冬彦さん”が
いかにも「マザコン」というレッテルを
額に貼り付けたようなキャラクターだったのとは対照的に、
なんていうか
女手ひとつで育ててくれた母の愛情に応える
というような、
ナットクできる“理由”が、
ちゃんとある。
つまり、
最初から「マザコン」という種類の特殊な人間
に描かれてないんですね。
だからたとえば
夜中に母親(松坂慶子さん)につくってもらったうどんを
食べている真吾(坂口憲二さん)、
というツーショットでも、
ベタベタした感じではなく、
ちゃんと適度な距離感がある。
その後、二人で飲みに行くんだけど(!)
「駅前に素敵なお店ができたんだけど一人じゃいけない」
みたいに
ちゃんと“理由”があるんですね。
マザコン
というよりは、
う〜ん、母親思いのいい息子さんじゃないですか
みたいな。
ステレオタイプなキャラとか人間関係が出てこない
っていうのは、
ワタシにとって
岡田ドラマの魅力の“原点”
なんだけど、
今回もやっぱりそう。
たとえば瞳(篠原涼子さん)と麻衣子(矢沢心さん)の先輩・後輩もそうだし、
真吾と圭(水川あさみさん)の元カレ・元カノもそう。
とくに今回
真吾と瞳の恋愛関係が
なかなかいい感じ
なのでは。
岡田ドラマって
恋愛ものは不得意
っていうか、
恋愛ドラマな企画でも
恋愛ドラマにならなくなってしまうのが
岡田ドラマだと、
ワタシ的には思っていて、
それってなんていうか
恋愛以前に
人としてどうよ
みたいなところに
きっちり踏み込んでしまうから
なんだと勝手に思ってるんだけど、
今回はそうした前提の上で、
ほとんどはじめてと言っていいくらい
恋愛ものになってる
ような気がします、第1回までは。
ラブコメ
といえば、
ファーストデートはひとつの見せ場だけど、
この場合、
瞳が真吾がバイトしている人力車を
一日借り切るエピソードが
これですね。
たとえば、
最初に
瞳「だいじょうぶ、私お金持ってるから」
と言ったあと、
「がんばってんだー」なんて
照れてみせるところに
女らしさというか
可愛さが見え隠れするし、
途中で地図を見ている真吾に
瞳「アタシ、見よっか?」
なんて自然と手が出るところに、
芽生えた親密さがチラリズムしていて
いい感じです。
とくに
レインボーブリッジを望む東京湾景なシチュエーションでの
絶妙なやりとりや、
別れ際にお互い
コクるシーンなんて、
もうほとんどラブコメの達人!
なんて思ってしまうのは、
ワタシがとりわけ岡田ファンだから
ではないと思うけど
どうでしょう?
話それるけど、
こういうときの
篠原涼子さんって
ホント絶妙ですよね。
このハズしかた
というか、
間
というか、
在りし日の桂枝雀師匠を
思い出してしまいました。
それはそれとして、
この「マザー&ラヴァー」
冒頭でツマンナイ!
なんて言いましたが、
確かにパッと見、平凡、
だけどこれ
噛めば噛むほど味が出るドラマ
だと思います。
まあもともと岡田惠和さんというのは、
ストーリーで見せるタイプではないので、
いつもそれ以外の部分で
カバーしてきたわけですが、
さて、今後の展開でどうなっていくんでしょうね。
それにしても
ワタシ的には、
「夢のカリフォルニア」や
「彼女たちの時代」みたいな
“ヘヴィ”なドラマも、
「ちゅらさん」のような“ライト”なドラマも
大きな意味では、
同じ引き出しから出ている
と思ってるのですが
今回の「ラブコメ」は
もしかすると新境地かも?
う〜ん、
ほんとに芸域の広い脚本家なんだから、
岡田惠和という人は。
P.S.
母親岡崎マリア役では、
松坂慶子さんが「人間の証明」の時とは
また違った一面を見せていますが、
なんかドンピシャというか、
他の人じゃ考えられないんだけど、
この役、当初は岩下志摩さんの予定だったそうですね。
(健康上の理由で降板とか)
う〜ん、考えられない。
でも、役者さんの魅力を上手に引き出す岡田さんのことだから、
“象印お母さん”も見てみたかったような・・。
October.8
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