Vol.214

刺身とカルパッチョはどう違う「タイガー&ドラゴン」

ホントに今、宮藤官九郎さんほど
“今時のコミュニケーション”
について真剣に考えてる人って
いなんじゃないですかね
・・なんて
つい真面目に前振りしてしまった
「タイガー&ドラゴン」。
お正月の2時間スペシャルに続いて
いよいよ連ドラですね。
ワタシはただのドラマファンですが、
世の中にはドラマファンの他に、
クドカンファンという人たちも
いると思うから、
そうゆ人たちはきっと
「クドカンらしくな〜い!」
とか
「らし〜い!」
とか言いながら見てるんだろうけど、
ワタシはただのドラマファンとして
話をします。
いやぁ〜、いい!
毎回、何度か声だして笑っちゃうし、
ギュッと濃い〜1時間です。

まえにこのコラムで
ドラマって語り口ですよね
って話をして、それこそ
落語を引き合いにだしたりしたんだけど、
この「タイガー&ドラゴン」、
その語り口が
エンターテインメント。
毎回、古典落語を題材にして、
途中、どん兵衛師匠(西田敏行さん)の噺とか
劇中劇=時代劇とかで紹介していくんだけど、
同時進行する現実の話が
最後に古典とシンクロしてくる、
それを
虎児(長瀬智也さん)が高座で話してまとめる。
ていうのが基本スタイル。
言ってみれば、時空を超えて(笑)
古典と現代が交錯する
ってところが
なんともスリリング。
でまあ、
これだけだったら
構成の妙
って話になるんだけど、
ワタシがこのドラマ
なんとも好きなところは、
カタチだけなぞるんじゃなくて、
最後は“今の話”として
しっかり中味でつながってる、
古典の今風な解釈
みたいになってる
ってところなんですね。
原作モノの映画とかで
よくあるじゃないですが、
話のスジはいちおう
原作なぞってんだけど、
オイオイぜんぜん違う話だよ
ってやつが。
これはそうじゃない。
言ってみれば
伝統的な懐石料理を今風にアレンジしたら
カルパッチョになりました、
でも旬を味わう“和の心”は踏襲・・みたいな。
たとえば、
第2話の「饅頭恐い」
兄弟子のどん太(阿部サダヲさん)が
バイトでテレビのバラエティと出てるんだけど
エグいキャラで
女性誌の「抱かれたくない男」第1位とかに
選ばれちゃう。
それで落ち込んじゃうワケです。
ところが最後に
結婚式に乱入してみると
「キャー、ヤダー!」とか言って
実は
もう大受け。
つまり
「キモい」とか「ウザい」とかって
実はひとつの
今風のコミュニケーション
なんじゃないの?
ってところに
落ちてくる。
こーゆーところが
宮藤官九郎さんらしい
って言えば、らしいし、
ドラマとして
構成の妙
だけじゃ終わってないところが
やっぱり
観応えあると
ワタシ的には
思います。

それになんてゆうか
このドラマ、基本は
下町大家族人情物
になってて
それこそ“古典的”な
設定なんだけど、
ここに借金取り立てに来たヤクザが
弟子入りするって
もう充分アバンギャルド。
こういうバランスが
ワタシ的にはなんか
ちょうどいい感じで、
ホントは
「ぼくの魔法使い」とか
「マンハッタンラブストーリー」とか
のほうが
クドカンらしい
のかもしれないけど、
「ロケット・ボーイ」好きなワタシとしては、
このくらいのさじ加減が
好みです。
まあただ、
2時間スペシャルから3ヶ月
あいちゃったってことで
連ドラの第1話で
虎児の生い立ちとかを
説明しなきゃなんなかったのは
ちょっと余計な気がして
残念。
でもそれ以外は
なんていうか
ちゃんと味わって観たい
エンターテインメント
って感じで、
いい感じです。

前回もちょっと
役者さんのこと触れましたけど
この「タイガー&ドラゴン」も
なんか盛りだくさん
ですよね。
特に毎回最後の純喫茶よしこで
虎児とどん兵衛が金をやりとりするシーン、
長瀬さんvs西田さんの掛け合いは
もう笑えます。
それに
西田さんの落語、
うまいですね〜。
指導してるのは
どん吉役の春風亭昇太さん
だそうですが。
いやぁ〜ホントに
芸達者揃い
ですよね。

may.13


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