Vol.218

人として、コロッケとして「anego 〜アネゴ」

ディクシー・チックスの曲に
「アム・アイ・ジ・オンリー・ワン」
てのがあるんだけど
早い話、失恋の歌で
「あ〜ツライわツライわどーしてあたしが
ひとりンなんなきゃいけないの
さみしくて窒息しそうだわ
あたしって石でできてたらいいのに」
なんてことを
グダグダ言ってるだけなんだけど、
キモは最後の一行
God, help me.Am I the only one who's ever felt this way?
(神様助けて!こんなにツラいのってあたしだけよね?)
ってところが
なんとも可愛いっていうか、泣けるっていうか。
恋をすると誰もが
「これってあたしだけ!」
って思うんでしょうか・・・
で、
「anego」の話です。
(先週は予定してたドラマを
見逃してしまったもんで
一週あいてしまいました。
スイマセン)

このドラマ、
最初は
イケメンだけど10も年下の新人クンと
ちょっといい男なんだけど友達のダンナを
両脇に配した
女30代、結婚アセってる面倒見のいいOL
(要するにアネゴ)
が主役の職場コメディー
って感じで始まったんだけど、
ここへきて、
すンごいことになってます。
とうとう不倫、
奥さん会社にファックス送ってくるし
もうぐちゃぐちゃ。
以前にも書いたけど
中園ミホさんって
どんどん回を重ねるごとに
なんていうか
深くハマっちゃう
っていうか
ピュアな部分に降りてっちゃうタイプ
ですよね。
こういう(ドロドロした)展開がどうの
ってことじゃなくて、
なんていうか、
主人公は(篠原涼子さん)はどんどん
内省的になる
ていうか
自分を見つめていく。
そうそう、
「自分を見つめていく」
って感じです。
「やまとなでしこ」も「スタアの恋」も「ハコイリムスメ」も
みんなそうでしたよね。
そういう意味で、
最初はコメディで始まりながら、
最後はもうそれどころじゃなくなっちゃう。
ここ2回くらい
沢木さん(加藤雅也さん)がコクっちゃってからのトーンって
もうコメディをイツダツしかけてる。
で、ワタシが中園さんを好きなのは、
そこ、
どんどん深みにハマる
ってことじゃなくて、
深みにハマりながら、
なおかつそれでも、
コメディにとどまってる
ってところなんです。
なんていうか
洋食屋にきたフランス料理のシェフが
小洒落たオードヴルなんかに行きがちなところを
ぐっと抑えて作った
品のいいコロッケ
みたいな。
なんか
ワタシたちの日常って
そうじゃないですか。
誰も真剣に「恋愛とは」「人生とは」
なんて考えちゃいない。
や、考えてるかも知れないけど、
ふだんやってることって
あんなふうに立ち飲みで飲んでグチったり
会社で仕事したり、冗談いったり。
誰も眉間にシワ寄せて
じっと手を見る
なんて人、いないですよね。
これも
以前に書いたけど、
中園さんの話って
恋とか結婚とか以前に
「人としてどーよ」
みたいな。
この「anego」の奈央子さんも
なんかみてると
そんな感じ。
これ、
林真理子さんの原作を中園さんが読んだときに
「ドラマにするんだったら
私がやりたいっ!」って思ったとか
どこかに書いてあったけど、
パラパラ立ち読みした限りでは、
ビミョーにっていうか、かなり違いますよね。
奈央子のキャラもストーリー展開も。
だいたい沢木さんとのことだって、
(原作は)もう真ん中へんでベッドインしちゃうし、
その後、京都行くのは
コテコテ不倫旅行だし。
中園さんの登場人物って
まあ最後はうまくいくにせよ
いつも
不倫一歩手前、恋愛一歩手前
にいて、
そこが
「人としてどーよ」
っていう立ち位置なんだと
ワタシ的には思う
ていうか、
そういうところが
ワタシ的には好き
なんだけど。
たとえば、第9話で
奈央子が黒沢クン(赤西仁さん)の前で
「もう、欲しいモノを我慢しない!」
って略奪愛宣言した後で、
黒沢クンがポロリと泣いちゃう
ところなんか、
ワタシ的には
人としてわかる!
っていうか、
奈央子さんにフられたことが悲しいんじゃなくて
それもあるけど
奈央子さんが変わってしまったことが悲しい
って観てるワタシが
グッときちゃう、
そういう涙なんですね。
で、
一度は略奪愛宣言した奈央子さんだけど、
「いっしょに幸せになろう」
なんて言われたのも、
「運命の人」
なんて思っちゃったのも、
え!?私だけじゃないんだ!
って気がついちゃうところが
可愛いっていうか、泣けるっていうか、
グサリとくるじゃないですか。
う〜ん、
なにはともあれ、
もうすぐ最終回。
中園さんのドラマはいつも
とっても後味がいいんで
今回も楽しみ
&終わっちゃうのは残念。
まあ、それにしても
沢木さんには最後まで紳士でいてほしかった
なんて思ったりもするけど、
原作よりはずっとガマンしたんだから
許してあげようじゃないですか。

june.17


back




Counter
mail to: pandawatchingdrama@yahoo.co.jp