Vol.227

上手に揚がった“かき揚げ”「東京フレンズ」

今回は変則で「東京フレンズ」です。
これって
オンエアされたドラマじゃないし、
映画でもない。
DVDオリジナルドラマとして、
大塚愛さん主演でエイベックスが制作した
まあ、企画モノって
ことでしょうか。
だから、
DVDを購入するか、借りるかしないと
見られないワケ。
で、なんでまたこれを、
わざわざ借りてみたかっていうと、
これ、「スローダンス」の制作チームの“前作”
だからなんですね。
で、どうだったかって?
もちろん、すっごくいい感じ。
結論から言うと、
はっきり言って
こっちのほうがかなり
月9っぽい
です。

月9の話はあとでするとして、
このドラマ、
ワタシ的にどこが好きかって、
なんていうか、
いい感じの群像劇
なんですね。
なんていうか、
ひとりひとりが
とてもていねいに描かれてて、
ワタシ的には、
岡田惠和さんの「若者のすべて」
かなんか思い出しちゃうんだけど、
岡田作品はどーも重くて暗いかな?
って人にもおすすめです。
このドラマ、マスコミ的には「大塚愛主演」
てのが必ずアタマについてますけど、
第1話こそたしかにそんな感じでしたが、
第2話以降はむしろ、
大塚愛さん、小林麻央さん、松本莉緒さん、真木よう子さん
4人が軸って感じ。
ていうか、この4人がフロントって感じでもなくて、
出てくる人それぞれに
ちゃんとそれなりの存在感がある。
そーゆー意味で
ホントに群像劇なんです。
もちろん、
ここに深津絵里さんや広末涼子さんがいたら
ちょっと事情はちがうわけで、
4人とも主役クラスじゃない(失礼!)
&その他の人もそこそこの人
っていうキャスティングが大きいんだろうけど、
やっぱり
衛藤凛さんの脚本が
すみずみまでちゃんと描いていて
キャラをが見えてくる、
ってのもあると思うし・・。
他のキャストは
大塚さんの彼氏に瑛太さん、
バンドのメンバーに平岡裕太さん、中村俊太さん、伊藤高史さん、
大塚さんの幼なじみに星野真里さん、弟に田中圭さん、
松本さんの彼氏に佐藤隆太さん、
小林さんの絵をみとめる画商に佐々木蔵之介さん、
キュレーターに矢島健一さん、
真木さんの浮気相手に浅野和之さん、
結婚(?)相手に北村一輝さん、
元カリスマギタリストに古田新さん、
レコードプロデューサーに小木茂光さん
ライブハウスオーナーに松重豊さん、
みんながバイトする居酒屋の店長に勝村政信さん
その奥さんにみさきゆうさん
・・・なんて、こう書いてみると
なんとなく“世界”がわかるでしょ?
天ぷらでいうなら、
上手に揚がった“かき揚げ”、
素材のひとつひとつが存在感を保ちながら、
全体としてひとつにまとまった一体感
っていうか、なんていうか・・。

で、最初にこれ、
「スローダンス」よりずっと月9っぽい
っていいましたけど、
まあ、エイベックス制作ってこともあって
音楽業界っていう
メジャーで華やかな世界を描いてるってことと、
他のメンバーもそれぞれに
浮き沈みが極端で、
まあ、ストーリー自体は
よくもわるくも大味
っていうか、わかりやすい。
象徴的なのはラスト、
“お約束”通り、ニューヨークで再会。
ていうか、予算の関係かロケなしだけど、
にもかかわらず、
ニューヨークまで話だけでももってっちゃう
ところが、う〜ん、なんとも月9っぽい。
(だって「スローダンス」なんて大阪でしょ?)

あ、いっときますけど、
月9っぽいってのは、
べつに揶揄してるワケじゃないんです。
それはそれで
ドラマの魅力のひとつの結晶
あるいは完成形
だと思ってるんですけど。
たとえば、
ビ・バップの祖チャーリー・パーカーの演奏を今聴いても
「あ、これがジャズだぜ!」
って思えるように、
月9的なドラマツルギーに対して
「あ、これがドラマだぜ!」
って思える、みたいな。
しかしだからといって
ジャズはバップ・イディオムだけでいいか
っていうと
そんなことはなくて、
つねに新鮮な刺激
ってやつが
欲しいじゃないですか?
同じように
ドラマもゲック・イディオムだけでいいか
っていうと、
それもちょっとぉ・・
な、ワケですよ。

たとえば、
恋愛のことなんか、
ゲック・イディオムだと
ラブラブモードか、けんかモードか、
2つしかない感じで、
主な登場人物の
それぞれのモードの組み合わせで
うまくいったり、いかなかったり、
最後はラブラブvsラブラブでハッピー!
みたいな。
ま、極端に言うと、
ですけどね。
その点、この「東京フレンズ」は
ちょっとビミョー、
大塚愛さんと瑛太さんの関係にしても
途中、ちょっとどっちつかずで
つきあってるんだかなんだか・・
みたいなとこもあって。
でも、
逆にそーゆーところが
とっても新鮮。
だって、現実の世界では、
いつもラブラブって
わけじゃないだろうし、
誰が主役ってわけでも
ないだろうし。

なんていうか、
この「東京フレンズ」
「ロングバケーション」「東京ラブストーリー」「ひとつ屋根の下」
の永山耕三監督をはじめ
月9のスタッフを結集!
ってのがウリになってるけど、
それだけじゃないです。
ワタシ的には○!
もし、観てみよう、って人がいたら、
ぜひ、第2話まで観て
判断してほしいです、
ワタシ的には。

しかしそれにしても
ほぼ同じスタッフでつくった
「スローダンス」、
かなり意図的に
月9っぽさを抑えた
ってことになりますね。

september.21


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