Vol.33

新年早々昔話?「危険な関係」はすごかった


1月から始まった
NHK大河ドラマ『北条時宗』は
井上由美子さんが脚本を担当。
実力のある方が、
こういうカタチで評価されて
これはたいへんめでたい!
と思っております。
が、
しかし、
ワタシはとても残念。
だって、
ワタシには
大河ドラマを観る習慣がないから。
ということは、
民放のいわゆる連ドラでは
おそらくは今後1年
井上由美子脚本作品を観ることができない、
ということでしょ。
あの「危険な関係」のような
すごいドラマを。

それにしても
井上由美子さんという人は、
ふしぎな人だ。
「危険な関係」のような
芥川賞系も書くかと思えば、
「きらきらひかる」「タブロイド」のような
直木賞系も書くんだから。
これって、きっと
「危険な〜」の主演が
“芥川賞系”の豊川悦司だってこともあるだろうし、
中江功の演出ってこともあるだろうけど、
それだけではない気がする。
そしてもちろん、
ワタシが「危険な関係」を過大評価している
っていうわけではないと思う。
井上さんにはもともと
純文学っぽい資質があるってことは、
たとえば
『熱の島で ヒートアイランド東京 』
みたいな作品を観ればわかるはず。
(今さらどうやって観るんじゃ}

ともかく、
ワタシにとって「危険な関係」は
20世紀マイベストテンの
輝く第1位!
に推してもいいくらいなもん
なのでした。

以前にも書いたけど、
あのドラマのすごいところは、
「まんまと大企業の御曹司になりすました男」
というサスペンスの形をとりながら、
「人間はひとつの人生しか生きられない、という不条理」
をきっちりと描いていたこと。
それって“深読み”だって?
いや。
だって言ってたじゃないですか、
豊川悦司が
篠原涼子を殺すときに。
「ごめんなさい。
僕はただ、
確かめてみたいだけなんです」
って。
そういうふうに読んでいくと、
逃げる豊川と追う藤原紀香が
互いを求め合う意味がよく分かるし、
常に物語の視点を
稲垣吾郎(=こちら側に留まる人)
に置いていた意味がよくわかる。
いつも最初と終わりに
吾郎ちゃんが語っていた
モノローグの意味も
よくわかるでしょ。
そして
ラストのラストで、
豊川が
“こちらの世界”の車椅子の少女
のところへ
帰ってきた意味も。

というわけで、
ワタシは
好きだったなぁ、
あのドラマが。
“名作”ですね。

ところで
4月から始まる
朝の連続テレビ小説『ちゅらさん』は、
岡田惠和さんが脚本を担当。
ということは、
民放ではしばらく、
岡田脚本作品も観られないのか。
むむむ、
なんという不条理。


(JANUARY.9)


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