Vol.35

君塚良一は萩本欽一で織田裕二な宮藤官九郎の「ロケットボーイ」


君塚良一さんの描くドラマには
よく「いい人」が出てきますよね。
それも、なんていうか
「ベタでいい人」
っていうようなキャラクターが
よく登場しますよね。
「チーム」の草なぎくん、
「グッドニュース」の中居くん、
「ずっとあなたが好きだった」の布施博さんも
たしかそんな感じだったのでは。
ワタシはこれ、
実は欽ちゃんの影響ではないかと
ひそかに思ってるんですが、
いや、マジで。
(たしか昔、萩本欽一さんのところにいたんですよね、君塚さん)
それはともかくとして、
こういうキャラって、
見る人によっては
ちょっと「うそくさく」見えちゃったりして、
そのさじ加減がむずかしいな、
と思うし、
実際、前に揚げた
草なぎくんにせよ、
中居くんにせよ、
そういう感じがないでもなかった。
では
「踊る大捜査線」の織田裕二
はどうだっただろうか?
と考えてしまったわけです。

確かに「いい人」だった。
困っている人がいたら
黙って見ていられない正義感、
もうほんとに
「ベタでいい人」
と言ってもいいくらい。
でも、やっぱり、
あの“青島くん”には、
「うそくささ」はかけらも感じられなかったし、
そこが、前述の主人公たちとは、
ちょっと違っていたと思いますね。
ワタシ、それまで
織田裕二さんて
“いい役者さんだな”
と思ったことなかったんだけど、
(スイマセン)
このことに気づいて、
ちょっと認識改めたほうがいいかも、
って思いました。
もちろん
演出とか他の要素もあってのことだとは思うけど。

で、本題。
「ロケットボーイ」。
これはもう
織田裕二さんの
なんていうか
存在感、
ほんとにいい味出してますね。
冴えないダメなサラリーマン
という役柄が
こんなに魅力的に見えるとは。
やっぱり
織田裕二、
ポイントアップです。
もちろん、他の二人、
ユースケ・サンタマリア、市川染五郎、
他の出演者、渡辺いっけい、中嶋朋子、
どの役も、
本来その人が持っているキャラクターを活かして
のびのび演じているようで。
なんだか、
素材本来の味を活かした
ヌーベルキュイジーヌのような。
軽さの中にも、
複雑で深い味わいを感じさせる・・・
宮藤官九郎、恐るべし。
って、結局そこにいくんだけど。

宮藤官九郎さん、
劇団大人計画の俳優、脚本家、演出家だそうで、
ワタシの好きだった「ロクタロー」の構成を
ジョビジョバのマギーと一緒にやってたんだそうで。
本格的な連続ドラマは、
「IWGP」に続いて2作目だと思います。

「IWGP」もそうだったけど、
いかにも舞台(虚構)っぽいシチュエーションで
笑いをとるのは、なるほど演劇畑。
でも、
いっけん大味に見えるその中に
ほんとに繊細な心情をチクリと突いてくる
その切れ味が、
ワタシはとても好きです。

しかしそれにしても
第2回にしてエンジン全開だったのに、
やむを得ない事情とはいえ、
4回短縮は残念。
あああ、早く観たいなぁ、
愛すべきダメな“ロケットボーイ”織田裕二が、
ククッと笑ってキュンと刺さる宮藤ワールドが。


(JANUARY.23)


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