Vol.43
プロの仕事「HERO」vs 職人の作品「ロケットボーイ」
宇多田ヒカルに比べると倉木麻衣は
“大企業っぽい”
と確かそんなことを
近田春夫がどこかで
言っていたような気がします。
その宇多田が主題歌を歌い
ウェイトレス役でちょこっと出てた
「HERO」は3/19で最終回、
なんと初回から連続視聴率30%超は
新記録だそうで。
う〜ん、
これってなんていうか
とっても
“大企業っぽい”?
このドラマ、
確かにひとつひとつのお話は面白かったし、
楽しめました。
それもそのはずで、
演出を鈴木雅之、平野眞、澤田鎌作、
脚本を大竹研、福田靖、田辺満、
と、な〜んか総力戦。
もう目玉マークの意地をかけて、
いや月9のメンツにかけて、
力ずくでもってった、
て感じ。
各回ごと、どころか分単位で視聴率の出る世界で
みごと11連勝を達成した
プロのプロジェクトチームの仕事
って感じはありますよね。
ただなんていうか、
11回通してみると、
世界観っていうのかな、
なにかがバラバラな感じがして・・。
なんていうか
よくわからないけど、
キャラクターっていうのは、
変わらないものだから、
ワンシーンでも表現できるじゃないですか。
でも登場人物の関係っていうのは、
変わっていく、
そう
たとえば“進展”したり、
発見したり、見直したり、
敵になったり、味方になったり・・・。
このドラマ、
キャラクターはうまく引き継いだけど、
それぞれの関係がブツ切りだったから
キャラクターが
生きて動いていなかった。
(あ、生意気言ってすいません。)
たとえば、松さんと木村さんの関係にしても、
よく考えると、
いったいどこに惚れたわけ?
いつ心動いたわけ?
なんてつっこみたくなりません?
結局このドラマを通して
いちばん“いい関係”をはぐくんでいったのは、
木村さんと「あるよ」のマスターだったりして。
あのマスター、
好きになりそう!?
それでもって「ロケットボーイ」、
これはなんといったらいいのか
登場人物がほんと
イキイキしてましたよね。
その“イキイキ”って
それぞれの関係から生まれてたんじゃないかな。
だって、
もともと面識のなかった3人が
偶然出会って始まった話だし、
それから
その3人が出会わなければ
お互い会うこともなかっただろう女性陣が加わり、
さらに両親まで登場し・・
新しい関係が生まれたり、
進展したり、理解したりする過程が
なんかとっても
好きだったなぁ。
なんていうか
登場人物ひとりひとりを
好きになれるドラマだった気がします。
しかし宮藤官九郎さん、
なんという才能でしょう。
たとえば橘さん(中嶋朋子さん)にかかってきた
ケータイをみんなで回しあう
他愛のないシーンで、
ワタシはジンときてしまいました。
ビアレストランで飲んでる4人。
橘さんのケータイが鳴る。
橘「もしもし」
田中「!・・婚約者じゃねえの!?」
小林「え?」
鈴木「うそ!?しゃべりて〜〜!」
で、みんなでケータイを取り合って
鈴木くん(ユースケ)は
「『あ〜〜〜〜』とか言ってるよ」なんて笑ってるし、
田中くん(染五郎)はいきなり
「加藤!」とか呼び捨てにしてるし、
小林くん(織田裕二)は、元彼女の婚約者なのに
「僕はツーよりワンが好き」とか言ってるし、
橘さんはそれ見て落ち着かないし。
小林Na「その夜は、なんか、楽しくて。
誰も帰ろうとしなくて。
結局、朝まで飲んだ。」
理屈じゃ説明できないんだけど、
おかしくて、優しくて、ちょっとせつなくて・・
このドラマを象徴するような
とっても好きなシーンでした。
ほんと残念なことに
この「ロケットボーイ」
全7回とちょっと短かったけど
脚本はすべて宮藤さん、
演出は田島大輔さんと河毛俊作さん。
もちろんプロの仕事、
だけどそれ以前に、
ていねいに注意深く作った“作品”って感じが
強くしました。
いつまでも印象に残るドラマになるんだろうなぁ・・。
というわけで、
今クールのマイベストワンは
大差で
「ロケットボーイ」に決定!
(MARCH.23)
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