Vol.50

黄身がうまいか、白身がうまいか「R-17」


だいたい卵というものは、
白身と黄身が両方あって、
はじめて卵なのであって、
黄身だけのオムレツとか
白身だけの目玉焼きなんてありませんよね。

そういうこと承知で言うんですけど、
どうしても
分けてみたくなるんですよね、
「R-17」って。
これって、なんていうか、
セクハラとか、援交とか、
今の17歳に起こっている
さまざまな問題を扱っている
意欲作ではあるんだけど、
そういうシリアスな部分が
“白身”とすると、
それに取り組むスクールカウンセラー中谷美紀さん&
その“ルームメイト”桃井かおりさんの
ヘンな関係を中心にした部分が
“黄身”でしょうか。

で、この“黄身”なんだけど、
中谷さんは、
駆け出しのカウンセラーで、
何事にも一生懸命、
一方、桃井さんは、
“無気力”で“病んでる”ヘンな理科教師。
例によって
最初はお互い(今でもときどき)
「なに、この女!」なんだけど、
中谷さんは、
経験不足なもんだから
追いつめられたり、
迷ったり、悩んだりする。
そんな時は桃井さんの方が、
なぜか本質的なとこ、
ズバッとつかまえてて、
何気なく
サジェスチョンしちゃったりする。
つまり、関係が逆転ちゃうわけ。
このあたりの
間合いが
とってもいい感じで
ワタシは好きだなぁ。
スクールカウンセラーを
ただの“熱血な人”にしなかったところがいいし、
相方を、
ただの“病んだ人”にしなかったところがいい、
とワタシは思います。

一方、シリアスな“白身”の方は、
スイマセン、
ワタシが17歳じゃないせいか、
(悪かったな!)
なんかピンと来ないんだよね。
こういう現実的な問題を扱うドラマとしては、
なんていうか
ワキが甘い感じがして、
(たとえば偶然が多すぎる、とか)
リアリティがちょっと・・・。

これ、5.10の放送で第5回だったんだけど、
第4回までの脚本を担当したのが、
寺田俊雄さん。
ワタシ、この方の作品、
過去に2つしか観てないんだけど、
ひとつは連ドラの
「なにさまっ!」
(岸谷五朗さんと 松雪泰子さんが出てました)、
もうひとつは単発で
「24時間だけの嘘」
(西村雅彦さんが会社のお金を持ち逃げして
温泉旅館に立てこもる話)。
両方とも
特別なものはなにもないんだけど
不思議と心に残るというか、
妙に忘れがたいんですよ。
“学生街の定食屋のコロッケランチ”みたいに。

たぶん、
みんないい人、
が基本なんでしょうね、
寺田さんて。
だから昨今の現実を憂える気持ちは強くあっても、
ドラマにして描くのは
やりにくいなぁとか思ってるのかも。
その分、
“黄身”で本領発揮してるのかも
あ、これって全部ワタシの勝手な推測ですよ、
スイマセン。
今度は白身抜きの卵焼き、
食べたい気分になってきました。

もちろん、
シリアスな社会派ドラマは
嫌いじゃないんで、
(むしろ好き!かな、ムフフ)
それはそれで
別な味付けで観てみたいと思います、ぜひ。

ところで、
第5回の脚本は
他の方が担当だったんですけど、
ほとんど意味不明の1時間でした。
中谷さんの周辺で起こるドタバタは
主題とはぜんぜん関係ないし、
そもそも
セクハラとか、援交とか、イジメとか、
17歳の現実を取り上げることで
問題提起しようという
意欲的は企画だと思うのですが、
“同性愛目的の拉致監禁”って
17歳の現実なんでしょうか。

それとも
ワタシがわからないだけか?
17歳じゃないから。

(MAY.11)


back





mail to: ueno-no-panda@geocities.co.jp