Vol.60
閑話休題、ノベライズ本はクックドゥか?
テレビドラマっていうのは、
映画とちがって、
放送が終わると消えてしまうもので、
ああ、そういえば
あの頃、そんなドラマが流行ってたなぁ
なんて
あとで思い出したりするもので、
それはそれで
なんていうか
テレビドラマっていうのは、
そもそも
そういうものですよね。
でも
ヒットしたドラマは、
ビデオになって
いつでもレンタルできるようになるし、
ノベライズ本も出たりする。
で、
このノベライズ本なんだけど
わたし
ダメなんですよね。
ていうか、
なんでシナリオ本で出さないの?
って思うんですけど、
理由はカンタン。
ノベライズのほうが
売れるから、
だそうです。
もちろん、
倉本聰さん、山田太一さんなどの
大御所は別格としても、
最近では、
野沢尚さん、三谷幸喜さんなども
シナリオを出版してますが、
ほとんどのドラマは
わざわざ
ノベライズしてから
本屋に並びますよね。
でも
シナリオと
ノベライズって
やっぱり違うと思いません?
たとえば
ちょっと古くなりますが
「ロケットボーイ」。
えーと
第2話に、こんなシーンがありました。
小林晋平(織田裕二)が、
後輩なのに自分より先に主任になった
中島君と営業に行って、
公園のベンチでひと息。
“営業が得意”だと思ってた中島君が
実は自分と同じ?というシーン。
まずシナリオ。
中島「実際やってらんないスよ、
だからこうやってズル休みしたりパチンコしたりね」
小林「ハハハ、中島君もそうなんだ」
中島「同じ同じ、会社の為にガッついても、
いずれ独立しようと思ってるわけだし」
小林「え?」
中島「独立した時のための人脈づくりですよ。
代理店なんか電話と机あれば出来ちゃうし、
結構そういう人多いですよ」
小林のNA「全然違った」
中島「先輩は、会社残るんですか?」
小林「あ〜・・」
次はノベライズ
「実際、やってらんないすよ、
だからこうやってズル休みしたりパチンコしたりね」
「ハハハ、中島君もそうなんだ」
僕はちょっと親近感を覚えて嬉しくなる。
「同じですよ、会社のためにがっついても、
いずれ、独立しようと思ってるわけだし」
「え?」
「こうして我慢してるのも、
独立した時のための人脈作りですよ。
代理店なんか電話と机があれば出来ちゃうし、
けっこうそういう人多いですよ」
抱いた親近感はどこかへ飛んでいく。
「先輩は、会社残るんですか?」
「あ〜・・」とりあえず返事をしたけど、
実際は何も考えたことはなかった。
ちょっと長い引用ですいません。
で、
どっちが実際のドラマに近いかというと、
やっぱりシナリオ、
ですよね。
絶妙の間、
そこにかすかなペーソス、
ですよね。
それに比べると、
ノベライズは
説明しすぎ、
ってどうしても感じてしまうんですよね、
特にオンエアをすでに
見てしまった後では。
なんか
実際の画面には映ってなかったことまで
書き込まれてて、
このドラマはこう観なさい
って言われてるみたい。
シナリオが
そのまま出版されない
理由のひとつに
“シナリオは設計図であって、
完成した作品ではない”
という考え方があるのかも。
(でもそうしたら
シェイクスピアや近松は、
どうなるわけ?)
ま、
そういう考え方にも
一理あるとは思うけど・・。
まあ、近頃は
スーパーで
挽肉やジャガイモを買わないで、
パックになった
ハンバーグやコロッケを買っていく時代だから、
しかたないかも、
なんて思ったり。
でも、
なんか、
ノベライズすることで
何かが失われていくような
気がするのは、
ワタシだけ?
(JULY.20)
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