Vol.67

おとぎ話のリアリズム?「恋がしたい×3」


今頃になってようやくわかってきた
「恋がしたい×3」。
もう、ほんとに気が付くのが遅いって?
すいません。

たとえば昔
「男女7人夏物語」
ってドラマがあったじゃないですか。
実はよく観てなかったんだけど、
つまり早い話、
7人の男女が出てきて
誰かさんと誰かさんが恋をしたり、別れたり、
そういうドラマだったんでしょ、
ちがった?
まあ、そういうのって
たくさんあるじゃないですか。
っていうか、
ひとつの王道ですよね。
もちろんワタシも
そういうドラマは嫌いじゃないし。
その場合、
「この恋の行方、どうなるの?ワクワク」
ていうのが
まあ、
正しい楽しみ方、
だと思うのですよ。

で、この
「恋がしたい×3」だけど、
登場人物も7人だし、
最初はそういうドラマかな、
っと思ったんですよ。
いやぁ、騙されましたね、
このタイトルに。

この頃、ようやく分かってきたんだけど、
これって“おとぎ話”なんですね。
そう考えると
いろいろとつじつまが合うわけ。
まず、
そもそもキャラクターがベタというか
ステレオタイプなのも、
“おとぎ話”なら納得。
たとえば、
“みにくいアヒルの子”とか、
“さみしい王子様”みたいな、
そういうことでしょ。
「昔むかし、あるところに、
美しいお姫様と、意地の悪いお后様がいました。」
なんて始まるお話に、
キャラがベタだなぁ、とか
設定にヒネリが足りないねぇ、
なんて言いませんよね。

それから、
7人がいろんな偶然で
輪のように繋がってる、
これも“おとぎ話”ならでは。
テレビドラマでは、
多少の偶然はアリ、
ってことになってるみたいだけど、
ここまでやるのは、
意図的にリアリズムを逸脱している
証拠でしょう。
それに
「パリコレのモデルになる」
ですよ。
合い鍵で勝手に部屋に入っちゃうんですよ。
フツーじゃないよね。
(そこがいいんだけど)
だいたい、
7人の名前からして、
虹の七色になってたなんて・・。
赤井先生、緑川さん、蜜柑ちゃん、藍さん、
黄田さん、紫村さん、青島くん。

で、本題。
このドラマのユニークなところって、
いったん“おとぎ話”の舞台を創っておいて、
そこにリアルな“人間”を
置いてみている
ことだと思うんですよ。
“みにくいアヒルの子”の複雑な心境!
“さみしい王子様”の虚と実の間!
って言ったらいいのか、
一人ひとりが
人間として、
考え、悩み、決断している。
決して、
恋がすべてではなく、
もっと深い何かを求めているように
見えるじゃないですか。
だから、
一方でとっても寓話的。
で、しかも
一方でとってもリアル。
言ってみれば
“おとぎ話のリアリズム”
とでもいうような。

なんで、
そんなことするのかって?
そりゃ、
作者に聞いてみなくちゃわからないけどね。
思うに、
好いた惚れたについてくる、
なんかドロドロしたものに
足を取られずに、
なにかもっと
ピュアなものを描きたかったんじゃないかなぁ。
脚本の遊川さんは、
このドラマについて
「自分の中では、
ドラマっぽくないドラマという
新しいものに挑戦してる。」
とおっしゃってます。
それから
「これはラブストーリーではありません。」
とも。
今頃気づく
ワタシもばかだけど、
やっぱりこのドラマ、
回を追う毎に
よくなっていくんだよねぇ、
ワタシのなかで。

それから、
カーペンターズ。
何度かドラマの主題歌に
使われたことがあったと思うけど、
今回ほど、
ハマったことはなかったと
思います。
CD欲しいよぉ。

(SEPTEMBER.7)


back





mail to: ueno-no-panda@geocities.co.jp