Vol.68

あんなドラマがまた観たい2「恋のためらい」


今週はもう
それどころじゃないスから。
とんでもないことになってしまって、
しかもテレビで中継まで
されてしまって、
なんか、
ドラマって気分じゃないし。

ということで、
閑話休題
こんな時代だから
昔のよかった頃の話でも。
過去の名作
(とワタシが勝手に思ってる)
ドラマのことなんか
またちょっと
書こうかと。
え〜と、
「恋のためらい」
ってこれ、
覚えてる人、少ないんじゃないかなぁ。
ていうか、
観てました?
ジミだったしなぁ、
視聴率もよくなかったんだろうなぁ。

主演は竹中直人さんで、
勢いで会社を辞めちゃったさえない中年男、
って設定なんだけど、
結局、お見合い相手だった鈴木杏樹さんのところの
アンティークショップで働くことになったり、
写真家志望の専門学校生 中谷美紀さんと出会ったり、
マンションの隣の部屋になぜか
別れた奥さん 大竹しのぶさんが引っ越してきたり、
っていう。
他に、鈴木砂羽さん、高知東急さん(当時)、
益岡徹さん、塚本晋也さんなんかが出てました。
(なつかしい・・)

まあ、
1人の男と3人の女性がからむ話
って言ってしまえばそれまでで、
タイトルバックもそういうふうなんだけど、
でも、
同様の設定の
「恋のバカンス」(明石家さんま主演)
なんかとは全然違って、
竹中さんは
全然モテないし、
どの女性に対しても積極的じゃないし、
それは女性の側も同じで、
まあ、早い話、
ウダウダした話、
だと思ってください。
だけどはっきり言って
中身はすごく濃かった。
何気ないシーン、
何気ない会話の中に、
何気ない“機微”が練り込まれていて、
なんていうか、
老舗の和菓子屋さんの
なんでもないお饅頭なんだけど、
食べてみると
和三盆の何とも言えない上品な甘味が、
じんわりと沁みてきて、
それを慈しむように味わうような。
たとえば、
(昔のことだから、
細かいことは覚えてないけど)
鈴木杏樹さんと元恋人の高知東急さんが
クルマの中で話すちょっとした会話で、
鈴木さんがファザコンっぽくて、
今まで高知さんにどう対してきて、
それを高知さんがどう思っているか、
みたいなことが
とっても自然に描かれてた、
みたいに、
細部がとても充実してました。
全体としては、
“ためらい”がち
とはいえ“恋”
の話なんだけど、
竹中さんの中谷さんへの優しさとか
鈴木さんとのなんとも言えない関係とか、
それぞれの登場人物が
恋愛のことだけを考えてるんじゃなくて、
周りの人のこととか、
いろいろ考えてたら、
結果、恋になってた、みたいな、
大人のラブコメ、だったなぁ。

おっと、
誰も観てないと思って、
説明が長かったですね。
で、
このドラマの脚本を書いたのが
岩松了さんという方で、
自由劇場などを経てきた
演劇畑の人。
今でももちろん
そちらの畑のほうで、
活躍なさっているようで、
テレビには、ときどき
役者として出てます。

残念なことに
岩松氏はこのあとしばらく
テレビでは書いていないんですね、
ワタシの調べた限り。
で、先日久々に
NHK-BSで
「死者からの手紙」という
サスペンスをやってました。
これもとっともよかったんですけど、
「恋ため」が忘れられないワタシとしては、
ぜひまた、
大人のラブコメを
書いて欲しい、
観てみたい、
と思っているわけです。

ところで、
三谷幸喜さんが、
あるインタビューで、
「今のような形で連続ドラマをやることは、
たぶんもうない」
と宣言した上で、
「コメディをやる上で、
今の連続ドラマを作っている環境っていうのは、
決してベストではない」
とおっしゃってました。
まあ、
岩松さんが
テレビに書かなくなった
(ていうか最初からあまり書いてないけど)
理由はわかりませんが、
いずれにせよ、
こうした“テレビドラマらしい”
軽さの中に味わいのある作品が、
テレビドラマから遠ざかって行くのは、
テレビドラマファンとしては
寂しいことです。

ていうか
また
書いてくださいよ、
ミシェ〜〜〜ル!

(SEPTEMBER.14)


back





mail to: ueno-no-panda@geocities.co.jp