Vol.97

古い話で恐縮です「忠臣蔵 1/47」

今週は、ひとつもドラマを観なかった。
いやぁ〜、たまには
こういう一週間もいいもんです。
目もアタマも
すっかり休養しました。
(ドラマのことしか
考えとらんのか、ワタシは)
でもこのコラムは
週末更新なんで、
なんか書かなくちゃいけない。
で、
先週もちらっと触れた
「忠臣蔵 1/47」を
引き合いに出しながら、
ドラマにおける
テーマ主義について。
なんて、
大袈裟な話じゃないから、
安心して
気軽につきあってください。

ていうか
ワタシがここで
好きなドラマについて
書くときに
よく
「テーマがある」
みたいな言い方をするんだけど、
これって
なにも
「テーマがなくちゃいかん」
と言ってるワケじゃなくて
とりあえず
ほかに言い方が見つからないから、
そういう言い方に
なっちゃうだけなんだよね。
テーマ、テーマ、
っていうと
「ドラマにテーマなんかあったら
うるさいだけ!
面白ければ、ええやんけ!」
なんていう人がいるわけで、
それはそれで
賛成です、
ただし条件付きで。

もちろん、
明らかにテーマを設定して
出来上がっている
と思われるドラマもあります。
または、
“こんなことを書きたい!”
から始まってるようなドラマ、
とも言えますけど。
でも、
ふつうにいいドラマって、
キャラクターとか
ストーリーとかが
ちゃんとしてれば、
それは別の言葉で抽象化できるワケ
じゃないですか。
たとえば、
「傷ついた男二人が癒されていく話」とか
(ビーチボーイズですけど)。
それをテーマと言うか、なんというかは、
かまわないけど、
そういうのが見えないドラマ、
「○○さんが○○さんに恋して、
最後はハートを射止める話」
としか言えないんだったら、
それはなんだか
つまらないなぁと。
(別に恋愛モノがキライ
ってワケじゃなくて)

逆にテーマが先に立つ
っていうか
たとえばミョーに
教訓的になったりするドラマって
あるじゃないですか、
それもまた
なんだかなぁ
ですけどね。

で、
「忠臣蔵 1/47」。
これはやっぱり
最初にテーマを持ち込んでますよね。
なんていうか
“武士”という観念に生きる
堀部安兵衛(木村拓哉さん)と
生きることの実存性
みたいなものを
わかっちゃってる大石内蔵助(佐藤浩市さん)。
それがあって
はじめて、あの
沢庵
なわけじゃないですか。
安兵衛と妻ホリ(深津絵里さん)との
葛藤だったり、
通じ合う気持ちだったりが
ズシッと
くるわけじゃないですか。

告白しちゃうと、
「忠臣蔵」って
話の大筋は知ってたけど
ちゃんと観たの
初めてなんですよね。
おそらく
史実には沢庵のエピソードはなかった
と思うので、
エンターテインメントな筋書き
としての忠臣蔵に、
井上由美子さんの脚本が、
沢庵を、いや、テーマを、
持ち込んだんだと思います。
このドラマ、
それぞれの役者さんの熱演、
河毛俊作さんの抑揚のきいた演出もあって、
もちろん、
テーマもキリッと伝わってくるし、
エンターテインメントとしても
グッと引き込まれる
すごく濃い二時間
ていうか
なんか
得した気分でした。
タイプなんですよね、
こういうドラマが。

え〜と、
だからまあ、
これからも
ワタシはここで
テーマがどーとか
って言うかも知れないけど、
それはまあ、
「深いっすね〜」
ぐらいな意味なんで、
大目にみてやってください
っていう話でした。

それにしても
なんであんなにピッタシなの?
松雪泰子さんの遊女役。

(APRIL.5)


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