経済・金融の情報-2・クーバス政権成立以降




 98年 8月15日に就任したクバース大統領、それ以降の記事を掲載します。
OECF借款に関して

(98年12月10日)国外からの投資が倍以上に伸びる・ANTELCOの民営化への動き

11月までの統計で前年比グアラニ建てで国外からの投資額が倍以上に伸びている。(1兆4838億グアラニ、前年6876億グアラニ)この内、全体の60.22%は製造業への投資で、国別では米国が50.94%、ルクセンブルク15.54%、アルゼンチン15.54%、日本−ブラジル9.41%、ブラジル2.80%、台湾2.30%となっている、この他、パナマ、ノルウェー、チリ、スペイン、レバノン、オランダ、英国、等。また投資の中で46.24%は新規事業への投資、53.76%は事業拡張への投資となっている。

*大統領が就任し、ひとまず政治的な混乱が収まったことが一番大きな要因と考えられる。米国の投資割合が突出しているのに対してブラジルなどの近隣諸国ならびに日本・台湾等のアジア諸国からの投資は少ない。

電電公社・ANTELCOに対して民営化を視野に入れた法案が国会で審議されていますが、これに反対する職員の抗議活動が活発になっています。電話が経済活動発展の最大の障害となっているだけに今後の成り行きが注目されます。


(98年10月26日) CONTINENTAL銀行、CITI銀行の協力を得て、REGIONAL銀行を買収。

パラグアイの地場銀行である「CONTINENTAL銀行」は、「CITI銀行」の協力を得て、エンカルナシオン市を中心とするイタプア県を地盤とする「REGIONAL銀行」を買収。CONTINENTAL-REGIONAL」銀行として再出発することになった。

経営が健全とされる・評価「A」の銀行が買収されるのは始めてて、銀行の整理統合、再編成の契機になるものという評価もある。

*その後、この話は立ち消えになったということも耳にしています。


(98年10月19日) 中央銀行、2銀行の解散を決定

中央銀行は「ITA BANK」ならびに「BONCO ORIENTAL」の解散を決定した。


(98年 9月25日) 3銀行 中央銀行の介入を受け、営業を停止

昨日、中銀は3銀行(BNT、DESARROLLO、SSB)に介入を実施、これらの銀行は事実上の破綻とも考えられる「営業停止」に追い込まれた。どの銀行も長い間、経営不振が続き、延滞率ワースト3にランクされていたが、政治的な恣意が働き、前政権の時代には社会保険等の資金を投入して支えていたのであるが、経営再建が不可能と判断されて今回の営業停止に繋がったもの。市民の多くは予想していた事態と受け止めており、大きな混乱は無い模様。

BNTは政府色が強い銀行で、労働者の銀行として機能していた、前政権時代の放漫経営で経営が一気に悪化、DESAROLLOは民間銀行であったが、金融不安の波及を恐れ、また経営者が前政権に近い人物であったこともあり、救済に乗り出し、前政権は、「社会保険・年金積立金」(IPS)を投入して事実上、社会保障基金所有の銀行として、再出発したが、政権が変わりいわば見捨てられた形になった。

3銀行共に資金の流出が続き、それを政府は社会保険基金で補填する政策を取り続けて来たので,今後不良債権化した基金をどのような形で処理するのか注目される。

今回の破綻で長い間「噂」になっていた銀行はほぼ破綻し、ある程度整理される銀行は整理されたものと思われる。

破綻した3銀行の内容は下記の通り、延滞率が50%を超え、預金の流出を公的資金で補填するということが続き、株主も預金も政府関係という事態になっています。今後は前政権時代の経営責任が追求されて行くものと思われます。

実際にこの中のある破綻した銀行の本店の前に行っても人影は無く、予想された破綻という印象を受けました。前回のITA、ORIENTAL等の破綻は予想外の破綻でかなりの混乱がありましたが、対照的です。

3銀行の経営内容概要


(98年 9月01日)

項目 DESARROLLO BNT SSB
延滞率 57% 79% 50%
預金内、社会保険基金割合 87% 84% 35%
預金内、全公的資金割合 90% 88% 60%
株主 社会保険;71% 政府;48% 銀行基金;88%
インフレの懸念広がる

8月の月間インフレ率が1.4%を記録し、今年に入っての累計インフレ率は12.6%になった。昨年一年間で6.2%特に5月〜11月までは物価が下落し、「デフレ」の懸念さえした程であったが、今年に入り物価が上昇に向かい、このまま推移すると20%程度になると予想される。

表・月間物価上昇

- - 月間 - 累計
1,997年 1,998年 1,997年 1,998年
1月 0.9 1.4 0.9 1.4
2月 1.9 2.1 2.8 3.5
3月 2.5 2.1 5.3 5.7
4月 0.2 1.9 5.5 7.8
5月 −0.3 2.7 5.2 10.7
6月 -0.5 0.0 6.0 10.7
7月 -0.5 0.4 5.5 11.1
8月 -0.2 1.4 5.3 12.6
9月 -0.1 - 5.2 --
10月 -0.1 - 5.2 -
11月 0.1 - 5.3 -
12月 0.9 - 6.2 -

*その後年末にかけては為替も安定し、インフレ傾向は収拾に向かった。


(98年 8月27日)

1・銀行からの預金引き出し・7月
銀行破綻から発した金融不安により、銀行特に地元銀行からの資金引き出しが止まらず、7月一ヶ月で営業を行っている25銀行全体で3%以上の預金が引き出された。特に地元資本の銀行にはこの傾向が強く、老舗の一つであるアスンシオン銀行を始め、幾つかの銀行では30%を越える預金が引出された。金融会社と比べて銀行は、当座預金など流動性が高いため、資金が急激に流失し、資金繰りに苦慮している銀行もあるようです。

これに対して預金を大幅に増やしたのが、欧米系の銀行で、シティー、ロイズ、ABN-アムロなどは反対に平均で5%程度増えている。(総預金高でこの3行が上位3位までを占め、総預金の約40%を占めるに至った。)パラグアイの銀行は信用出来ないので、外資系に資金を移しているようである。
 
2・韓国のインスタントラーメン
韓国からメルコスール域内でのインスタントラーメン製造工場建設のための調査団がパラグアイを訪問したことが大きく取り上げられた。ブラジル、アルゼンチンと周り、比較検討し最終候補地を絞るとしているが、パラグアイはかなり有望とのこと。労働法、税法、外国送金、会社法(外資の制限は特に無い)等を考慮に入れるとパラグアイの投資環境は周辺諸国と比較して悪くはないと思うのですが、日本を含むアジアからの投資、特に製造業に関するものはほとんど案件が無いので、期待されているようです。

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