パラグアイの政治-ニカノル・ドゥアルテ大統領訪日 (2005年10月)
パラグアイの大統領としては実に11年ぶりの訪日が実現しました。駐日大使は日系の田岡功大使が務めており、日本とパラグアイとの間の友好親善を深めるには絶好の機会であったと思います。
大統領訪日ミッション・主なスケジュール
10月26日 国際協力銀行にて南米インフラ統合のセミナー
10月28日 在パラグアイ商工会議所主催「パラグアイ・ビジネスセミナー」の実施(ジェトロ)
ドゥアルテ大統領到着(関西空港)
10月29日 小泉首相との首脳会談(京都迎賓館)
11月 1日 大統領主催歓迎レセプション(全日空ホテル・赤坂)
11月 2日 天皇陛下を訪問 記者会見、帰国
01・インフラ統合セミナー(2005年10月26日・国際協力銀行)
インフラ統合に関しては南米12ヶ国が参加し、道路・通信などの分野でのインフラ統合が計画されており、南米全体の活性化に寄与するものと注目されている。今回のセミナーでは主にパラグアイに関するセクターが取り上げられた。
最初に駐日パラグアイ大使、田岡功大使が基調講演を行い、その後農牧大臣、担当技官により具体的な進捗状況が説明された。日本での講演であり、太平洋への出口の確保に関しては詳細に説明がなされた。

(写真:基調講演を行なう田岡功大使)
南米12カ国、鉄道・通信網などインフラ共同整備(日本経済)
ブラジル、アルゼンチンなど南米12カ国は共同で太平洋と大西洋を結ぶ道路や鉄道、大陸全体をカバーする情報通信網や電力網などのインフラ整備に乗り出す。南米経済圏の実質的な統合を促す計画で総事業費は約374億ドル(約4兆3000億円)。資源や食料の供給源として注目を集める南米が市場としての魅力を高める契機になるとして、各国は技術や資金面での日本の協力を期待している。12カ国は計画調整組織として南米インフラ統合計画(IIRSA、イルサ)を結成し、335件のインフラ整備事業を選定した。今月末には議長国パラグアイの首都アスンシオンで閣僚級会議を開き、道路拡張など即効性が見込める31件(総事業費約58億ドル)を先行事業に指定、2010年までの完成を目指す。
02・在パラグアイ日本商工会議所主催「ビジネスセミナー」
在パラグアイ日本商工会議所は日本貿易振興機構(ジェトロ)、日本・東京商工会議所、米州開発銀行駐日事務所と共催で赤坂・アーク森ビル内にあるジェトロにてビジネスセミナーを開催した。150人近いビジネスマンが参加し熱気に溢れるものとなった。パラグアイ側はベラ商工大臣が挨拶を行い、商工会メンバーが交代で具体的にパラグアイへのビジネス、投資の優位性を説明した。詳細に関しては以下のページを参照下さい。
在パラグアイ日本商工会議所・パラグアイ・ビジネスセミナーのページ
政治経済の安定で、投資・輸出の拡大に期待 (パラグアイ)(11月 1日・ジェトロニュース)
在パラグアイ日本商工会議所メンバーは10月28日、東京で「パラグアイ・ビジネス・セミナー」を開催した。経済は安定成長路線を歩み始め、ビジネス環境の整備も進んでいる。マテ茶、マンジォカ、ステビアなどの対日輸出有望農産品もあり、パラグアイへの注目が高まっている。

(写真:挨拶を行なうベラ商工大臣)
03・小泉首相との首脳会議
10月29日に京都迎賓館にてデゥアルテ大統領と小泉首相との首脳会談が開催されました。京都迎賓館が完成後初めて首脳会談に使用されることでも関心を集めました。
京都迎賓館で初の首脳会談 首相、パラグアイ大統領と(10月29日・朝日)
小泉首相は29日、京都市上京区の京都御苑内にある京都迎賓館で、パラグアイのドゥアルテ大統領と会談した。国内2カ所目の迎賓施設として4月に完成した京都迎賓館が首脳会談で使われるのは初めて。「夕映えの間」と名付けられた和風の会議室を利用した。京都迎賓館は11月中旬の日米首脳会談でも使う予定だ。両首脳は2国間の貿易・投資の拡大に取り組むことで合意。06年の日本人パラグアイ移住70周年をきっかけに、友好関係をさらに強めることで一致した。小泉首相は、パラグアイのイグアス水力発電所建設計画に円借款を行う考えを示した。日本外務省によれば、当初は31日に東京で開く予定だったが、首相官邸が週末開催を指示した。31日予定の内閣改造の影響とみられる。
安保理拡大へ協力で一致 日パラグアイ首脳会談(10月29日・河北新報)
小泉純一郎首相は29日夜、パラグアイのドゥアルテ大統領と京都市の京都迎賓館で会談し、国連安全保障理事会の拡大に向け協力していくことで一致した。 大統領は日本の経済支援などに対する「感謝の気持ちの表れだ」として、常任理事国入りを支持する考えを表明。首相は大統領が進める民主化の努力を評価し、経済協力などの支援を続ける方針を伝えた。 会談では、パラグアイに移住した日系一世が駐日大使になるなど日系人の活躍も話題となり、両首脳は両国関係を発展させていくことを確認した。今年4月に完成した京都迎賓館での首脳会談は初めて。首相は会談で「日本風の迎賓館での首脳会談を楽しみにしていた」と述べた。
京都迎賓館で初の首脳外交首相、パラグアイ大統領と(10月29日・京都新聞)
小泉純一郎首相は29日、京都市上京区の京都迎賓館でパラグアイのドゥアルテ大統領と会談し、国連安全保障理事会改革に向けた協力を確認した。京都迎賓館での首脳会談は、今年4月の開館以来初めてで、本格的な首脳外交の舞台として第一歩を踏み出した。会談の冒頭、小泉首相は「この迎賓館を首脳会談に使うのは初めて。楽しみにしていた」と述べた。大統領は日本の安保理常任理事国入りを支持する考えをあらためて表明した。小泉首相は感謝の意を示すとともに、経済協力などの支援を続ける方針を伝えた。大統領は京都迎賓館について、「大変美しい建物で、雰囲気が印象的だった」と語った。京都迎賓館ではこれまで、アジア欧州会議(ASEM)の外相会議などが開かれている。11月16日の小泉首相とブッシュ大統領の日米首脳会談も同迎賓館で行う方向で最終調整している。また、2008年の主要国首脳会議(サミット)誘致を進めている京都府、京都市、京都商工会議所は、サミットで京都迎賓館を歓迎レセプションや夕食会、記念撮影などに活用することを政府に提案している。
首相、パラグアイに214億円の円借款供与を表明 (10月29日・読売新聞)
小泉首相は29日、ドゥアルテ・パラグアイ大統領と京都市の京都迎賓館で会談し、パラグアイの「イグアス水力発電所建設計画」に対する円借款として約214億円を供与することを表明した。大統領は謝意を述べた上で、「首相の政治や改革のリーダーシップに敬服する。私も変革の大統領になりたい」と語った。両首脳は、来年が日本人のパラグアイ移住70周年にあたることから、両国の友好協力を一層強化していくことを確認した。その一環として、パラグアイの若手政治指導者を日本に招くなど、議会・議員交流を活発化させることで一致した。今年4月に開館した京都迎賓館での首脳会談は、今回が初めて。11月16日にはブッシュ米大統領との日米首脳会談も行われる。
京都迎賓館で日パラグアイ首脳会談(10月29日・TBS)
小泉総理は、京都迎賓館でパラグアイの大統領との首脳会談を行いました。京都迎賓館で首脳会談が行なわれるのは初めてです。南米のパラグアイは、日系人がおよそ7000人いることや、1970年代から日本が援助に力を入れてきたことから、日本に対し良いイメージを持っている国とされています。会談の中でも、小泉総理が、ドゥアルテ・パラグアイ大統領を「世界でもっとも親日的な国の大統領」と呼び、「二国間に問題となる懸案はない」と述べるなど、両国の友好関係を確認した場となりました。今回の首脳会談は当初、31日に東京で行われる予定でしたが、当日に内閣改造が行われることから、総理の意向で、日程を前倒ししたうえ、場所も京都に変更しての開催となりました。
日本・パラグアイ首脳会談(首相官邸)
平成17年10月29日、小泉総理は京都迎賓館で、パラグアイ共和国のドゥアルテ大統領と首脳会談を行いました。 京都迎賓館にて初めて行われた首脳会談で、小泉総理は「京都迎賓館に来るのは4月の開館式以来2度目で、ここで初めて首脳会談を行なうことを非常に楽しみにしていました。」と述べました。会談では、国連安保理改革や経済・技術協力、移住者・日系人など幅広い分野について話し合いが行なわれました。小泉総理は、「日本とパラグアイの二国の関係では問題となるような懸案は全くありません。友好的に進んでいて協力の話ばかりでこんなにうれしいことはありません。国連で日本を支持して頂き感謝しています。」と述べ、ドゥアルテ大統領からは、「国連で日本を支持出来ることを非常に光栄に思います。これはパラグアイから日本への感謝の気持ちの表れです。」と述べました。更に小泉総理からイグアス発電所建設計画に対する円借款供与を表明し、それに対してドゥアルテ大統領から謝意が表明されました。更にドゥアルテ大統領から小泉総理の政治的、改革のリーダーに敬服している、選挙に対する大勝利に対する祝意を表し、小泉総理よりドゥアルテ大統領が推進している独裁政権からの脱却を目指した国内改革努力に対して敬意を表しています、と述べました。
04・大統領主催歓迎レセプション(11月 1日・全日空ホテル)
大統領歓迎レセプションが東京赤坂にある全日空ホテルで盛大に開催されました。演奏を行なったのはルシア塩満さんとそのお弟子さん達でパラグアイ音楽を演奏し雰囲気を盛り上げていました。

(写真:演奏はルシア塩満さんとお弟子さんたち)
メルコスール観光局のパラグアイ除幕式が行なわれました。大統領とメルコスール4ヶ国の駐日大使が一緒に除幕しました。

(写真:メルコスール観光局除幕式)
日本側からは三味線と尺八の演奏が披露されました。

(写真:三味線と尺八の演奏)
05・その他
大統領は訪日中は精力的に活動していました。またパラグアイから同行した企業家などにも配慮を示していました。

(写真:訪日同行企業家メンバーとの懇談会)
米州自由貿易地域には不参加・パラグアイ大統領(11月 3日・日経)
来日中のパラグアイのドゥアルテ大統領は2日、東京・内幸町の日本記者クラブで会見し、米国が主導する米州自由貿易地域(FTAA)について「米国が保護主義を撤廃しない限り構想には参加しない」と否定的な姿勢を明確にした。同国は南米で唯一、台湾と外交関係を持つが貿易額では中国が上回った。これについて同大統領は「台湾とは深い交友がある」としながらも、「国際経済のグローバル化が進んでいる」として中国との経済関係を強めていく考えを示した。
パラグアイ大統領「米州自由貿易地域」は実現困難(11月 2日・毎日)
来日していた南米パラグアイのドゥアルテ大統領は2日、東京都千代田区の日本記者クラブで記者会見し、交渉が頓挫している米州自由貿易地域(FTAA)について、「米国が保護主義姿勢を続ける限り、パラグアイもアルゼンチンもブラジルも前向きではない」と述べ、現状では実現は困難との見方を示した。
ドゥアルテ・パラグアイ共和国大統領訪日に際する日本・パラグアイ共同新聞発表(2005年10月29日・京都にて)
ニカノル・ドゥアルテ・フルートス・パラグアイ共和国大統領は、夫人、ハイレベルの代表団とともに、2005年10月28日より日本国を公式訪問した。
< 二国間関係 >
(総論)
小泉純一郎日本国総理大臣とニカノル・ドゥアルテ・フルートス・パラグアイ共和国大統領との首脳会談において、両首脳は、両国間の伝統的な友好協力関係が、政治、経済、経済協力、文化の各分野において、順調に進展していることに満足の意を示した。日本国総理大臣は、昨年9月に中南米を訪問した際に発表した、日・中南米間の「協力」及び「交流」を柱とする「日・中南米 新パートナーシップ構想」に則り、日・パラグアイ関係を一層強化する意向を表明し、パラグアイ共和国大統領はこれを歓迎した。
日本国総理大臣は、パラグアイ共和国大統領の指導力の下、同国政府が、民主主義の強化、汚職撲滅及び財政・司法制度の改善等の諸改革を力強く推進し、併せ同国経済を安定に導く等の成果を挙げていることを高く評価した。また、パラグアイ共和国政府による一層の改革努力に対し期待を表明するとともに、改革努力を引続き支援していく旨述べた。これに対しパラグアイ共和国大統領は、諸改革の現状と見通しにつき説明するとともに、日本政府の支援に対し謝意を表明した。
(政治対話)
両首脳は、両国間における近年の要人往来の活性化に言及しつつ、継続的な政治対話が両国関係の包括的な発展のために果たす役割の重要性を確認した。この観点から、日本国総理大臣は、両国の国民を代表する議会・議員間の交流を促進したい意向を表明し、本年パラグアイ共和国上下両院において日本国との友好議員連盟が発足したことを歓迎するとともに、政治対話の強化、及びパラグアイ共和国大統領の推進する民主化・改革支援の観点より、パラグアイ若手政治指導者グループの招聘を表明し、パラグアイ共和国大統領はこれを歓迎した。
(経済)
両首脳は、二国間の経済関係の緊密化のために経済分野における協力が果たす役割の重要性について認識を共有し、二国間貿易・投資の拡大に向け、今後とも官民双方で取り組んでいくことで一致した。日本国総理大臣は、貿易拡大・投資誘致に向けたパラグアイ官民による努力を評価するとともに、日本企業による対パラグアイ投資拡大のためには、適切な投資環境の整備が肝要である旨強調した。
また、日本国総理大臣は、パラグアイ共和国大統領の訪日に先立ち、10月28日にパラグアイ日本商工会議所他の主催により東京において「パラグアイ・ビジネスセミナー」が実施されたことを高く評価した。さらに、日本国がJETROを通じ行ってきた、パラグアイ輸出産業育成のための本邦における各種見本市への出展支援等の側面支援事業を今後も継続する意向を表明し、パラグアイ共和国大統領はこれを歓迎した。
(経済・技術協力)
日本国総理大臣は、日本国が、パラグアイ共和国の貧困削減及び持続的発展に向けた努力を支援すべく積極的に同国に対する経済協力を行ってきたことに言及し、パラグアイ共和国大統領はこれに対し感謝の意を表明した。また、日本国総理大臣は、両国間の政府開発援助(ODA)政策協議において確認された「農業」、「保健・医療」、「人的資源開発」、「環境」の4重点分野に即し、引続きパラグアイ共和国政府の努力を支援していく意向を表明した。
日本国総理大臣は、最近承認された一般プロジェクト無償資金協力「パラグアイ職業訓練教育施設拡充計画」に言及し、同計画の実施が、パラグアイ共和国における人的資源開発及び生産性の向上、また両国間友好関係の一層の強化に資することを期待した。パラグアイ共和国大統領は、11月の「アスンシオン大学病院移転・整備計画」の基本設計調査団派遣を歓迎し、1977年より実施されている日本国の無償資金協力がパラグアイ共和国の発展に多大な貢献をしていることを表明した。また、パラグアイ共和国の経済・社会状況の向上のため、地域住民の多様なニーズに対応する援助である草の根無償資金協力の更なる拡大が効果的であるとの認識で一致した。
また、日本国総理大臣は、パラグアイ共和国政府が重視する経済基盤整備への支援として、安定的な電力供給に資する「イグアス水力発電所建設計画」に対する円借款を実施する用意がある旨述べるとともに、現在パラグアイ共和国内において実施されている円借款既往案件、「アスンシオン送配電網整備計画」、「全国道路整備計画(II)」及び「農業部門強化計画(II)」の順調な進捗に向けた努力を同国大統領に対し要請した。
パラグアイ共和国大統領は、持続的な経済成長と生活環境改善に資する同発電所建設計画への日本国政府による協力に謝意を表明した。また、パラグアイ共和国政府として、同計画及び円借款既往案件を迅速且つ円滑に実施し、経済基盤整備を通じた持続的な経済成長に向けて一層努力することを約束する旨回答した。
パラグアイ共和国大統領は、一般文化無償資金協力案件「国家観光庁音響・照明・視聴覚機材整備計画」を実施するとの日本の決定を歓迎し、両首脳は、右が両国間文化交流の更なる深化、及びパラグアイ共和国における観光分野の充実に寄与することへの期待を表明した。また、同国大統領よりは日本国政府が実施している文化無償協力に謝意を表明するとともに、右協力が同国の文化振興に非常に有益であることを強調しつつ、かかる協力の継続を希望する旨述べた。
両首脳は、両国間の技術協力を引続き積極的に行っていく必要性につき一致した。また、日本国総理大臣は、広域の開発課題に資するとの観点から、輸出品の包装技術や検査技術の向上、観光振興に係る技術協力をメルコスールを対象に推進していることを紹介し、パラグアイ共和国大統領はこれを歓迎した。
(移住者・日系人)
両首脳は、パラグアイに渡った日本人移住者及び日系人が、パラグアイ共和国の発展と進歩に大きく貢献していることを高く評価した。
日本国総理大臣は、これら移住者・日系人がこれまでにパラグアイ共和国の官民により温かく迎えられ同国社会に受け入れられてきたことに謝意を表明するとともに、パラグアイ共和国大統領に対し引続きこれらの者に対する温かな支援を要請した。
パラグアイ共和国大統領は、これら移住者・日系人はパラグアイ国民の評価・敬意の対象となっているとして、パラグアイ社会への貢献に満足と感謝の意を示しつつ、引続き同国政府として支援を行っていきたい旨述べた。
両首脳は、明2006年に日本人のパラグアイ移住が70周年の佳節を迎えることを歓迎し、今後とも日本人移住者・日系人が日・パラグアイ間の重要な架け橋として両国友好関係に寄与することを期待した。
(文化・人的交流)
両首脳は、両国民の信頼と相互理解の促進のため、文化・人的交流の重要性につき認識を共有した。
両首脳は、「日本文化月間」等の文化交流事業や、留学生交流、国際協力機構(JICA)、国際交流基金等の各種スキームを通じた両国間の広範な人的交流が未来の両国関係の土台を築くものであるものとして歓迎するとともに、かかる交流を維持、発展させていくべきとの認識で一致した。
< 国際的な諸問題 >
(国際場裡における協力)
両首脳は、21世紀の国際社会の平和と安全、繁栄を脅かす諸問題の効果的な解決のため、国際社会が協調することの重要性を強調するとともに、両国が国際場裡における対話と協力を強化する意図を確認した。
両首脳は、国連の実効性及び信頼性を強化するため、安保理改革を含む国連システムの包括的な改革を推進する意思を共有し、その必要性を強調した。安保理に関し、両首脳は、常任・非常任議席双方の拡大の必要性を確認した。パラグアイ共和国大統領は、日本国の安保理常任理事国入りに対し改めて支持を表明し、日本国総理大臣は、右支持を感謝するとともに、パラグアイ共和国がG4枠組み決議案の共同提案国に名を連ねたことに謝意を表明した。また、両首脳は、今次国連総会会期中の出来る限り早期の安保理改革の実現のために、今後引続き両国間で協力していくことで一致した。
両首脳は、本年2月の京都議定書発効を歓迎しつつ、環境問題に協力して取り組むとの決意を再確認した。右に関連し、両首脳は、京都議定書中に規定されたクリーン開発メカニズム(CDM)に関し、国際協力銀行とパラグアイ環境庁が締結を検討している業務協力協定に言及し、CDMに係る両国の協力が一層進むことを期待した。
また、両首脳は、「人間の安全保障」の理念を推進すること、及び、国際社会が一致して核不拡散条約(NPT)を礎とする国際的な軍縮・不拡散体制の強化に取り組むことが必要であるとの認識で一致した。特に、本年9月21日−23日に開催された「包括的核実験禁止条約」発効会議における両国の右発効に向けた努力を強調した。
さらに、両首脳は、多角的貿易体制の強化のために、WTOドーハ開発アジェンダ(DDA)が重要であることを認識し、本年12月の香港閣僚会議に向け、両国政府が一層努力していくことを確認した。
(地域統合)
両首脳は、現在米州で展開されている地域統合の活発な動きに関して意見交換を行った。その際、パラグアイ共和国大統領は、本年6月にパラグアイで開催された第28回南米南部共同市場(メルコスール)首脳会議において、統合強化に向けた明確な政治意志が確認された点につき特に言及した。日本国総理大臣は、右会合における構造的格差是正の推進、競争力強化、社会的連携の促進、特に小規模経済を利しメルコスールの機構強化につながるメルコスール構造的格差是正基金(FOCEM)の設立に注目している旨表明した。
(FEALAC)
両首脳は、地域間協力を一層緊密化するために、東アジア・ラテンアメリカ協力フォーラム(FEALAC)の果たす役割について認識が一致した。日本国総理大臣は、日本がFEALACにおいて主導的な役割を果たしていくため、アジア側副調整国に就任したと述べ、パラグアイ共和国大統領はこれを歓迎するとともに、同フォーラムを通じて東アジアと一層の協力を進めたいとの意向を表明した。
< 結び >
両首脳は、2006年の日本人パラグアイ移住70周年を一つの契機として、両国間の友好協力関係を一層強化していく意思を改めて確認した。会談の終わりに、パラグアイ共和国大統領は、今般の公式訪問に際しての日本国政府・国民による厚遇について感謝の意を表した。