走る! パークトレイン

トーイングトラクターの世界

トヨタ 2TG、錦町とことこトレイン東南植物楽園トラムの正面図と側面図

パークトレインの世界ではトーイングトラクターをそのままの姿で見ることはなかなかありません。ほとんどが蒸気機関車の姿に架装されていたりします。
 では本来のトーイングトラクターはどのようなものか?パークトレインとの違いはどのようなものか。を考察するコーナーです。

日本で活躍するトーイングトラクターは左のトヨタ製の2TGと呼ばれる車種、そして日産のV02と呼ばれる車種がほとんどです。
 主な使われ方は、空港や港でコンテナの牽引車。飛行機を牽引するトーイングトラクターに対して、トーイングタグ、豆タグと呼ばれることもあります。
 また自衛隊で牽引車として使用されることもあります。

 牽引方式はドローバーと呼ばれる可変連結器では、だいたい2〜3トン(形式によって異なります)。オプションの固定連結器では、だいたい25〜30トンの牽引が可能です。

 販売はフォークリフトと同じ系列となっております。オプションなしで400万円近くと見てよいでしょう。
 
トヨタ2TGと日産V02は現行車種では現行車ではよく似たデザインでどちらかのOEMかと思われがちですが日産車の方がひとまわり大きくメーター類もデジタル化されています。
 トヨタの場合、2TGよりサイズが大きく牽引能力の高い3TGという機種もあるのですが、そちらは随分といかついデザインです。

 右はモデルチェンジ前のトヨタ2TG。JALUX様より画像提供をいただいた日本トランスオーシャン航空で使用されていたモデルです。現行モデルよりフロントタイヤサイズが小さく、より小回り重視であったことが予想されます。
 このモデルは80年代後半のタイプですが今でも場所によっては見ることのできるモデルです。
通常、空港ではトーイングトラクターに複数台のコンテナドーリーを連結させて運転します。
コンテナドーリーのタイヤサイズを見てもおわかりのとおり、パークトレインの被牽引車よりサイズが小さく、またコンテナと足回りの間にサスペンションはありません。
コンテナドーリーの写真(写真提供:JALUX様)。
 積み重ねられたコンテナドーリーの一番上の車輌写真で牽引アームが前輪を操舵する構造になっているのが分かると思います。
 ただし前輪を操舵するアームは後ろタイヤをクロスで操舵する構造にはなっておらず、小回りを行うと内輪差で徐々に外に膨れていくことになります。

 上から2番目のドーリーにはフットブレーキが装備されていますが、そのブレーキは直接タイヤを押し当てて止めるもので、牽引車と連動した高度なセーフティシステムにまではなっていません。

 
パークトレインの場合。

泉陽興業の被牽引車の足回り。
 牽引車より空気ブレーキのコネクタが接続され、連動ブレーキシステムとなっています。
 ブレーキステムは2系統で制御しています。ひとつは空気(油圧)を送りこむとブレーキがかかるシステム。
 もうひとつは空気を送り込んでおく間に限り、ブレーキが開くシステムです。つまり何らかのアクシデントにより、牽引車からハーネスが外れると被牽引車は自動的にブレーキがかかるようになっています。
 写真右側の丸いものはその確認のための空気圧メーターです。

 中央支点の独立懸架サスペンションとダンパーの様子がわかるでしょうか?また牽引アームが前輪を操舵し、タイヤが右に曲がっているのがよく分かると思います。
イタリアDOTTO社の被牽引車。

 ほとんどの被牽引車は、前輪を操舵するアームと後輪を操舵するアームの間を、逆向きに振るようにクロスした補助アームが取りつけられています。このためタイヤは逆位相に向くシステム(ナックルシステム)となっています。
 右の写真で、タイヤがそれぞれそれぞれ外側に曲がっているのがおわかりでしょうか?
 このシステムのおかげでパークトレインはどんなに被牽引車が長くても安心してコーナを同じ軌跡でトレースできます。

同じく、こちらは西尾レントオールの最新被牽引車。
 ダブルウィッシュボーン形式のサスペンションによる4輪独立懸架になっています。赤いスプリングが誇らしげ。
 最近では乗り心地向上のため、ダンパーだけではなくスプリングバネを使って接地精度を高めようとしているようです。
 オープン車体の場合、被牽引車にクッションのある座席を使用できない場合があるので、起伏のある場所やバンプの多い場所で有効に機能していると思われます。