スロウニンのスロウな生活

このコーナーは地域の「横浜タウン新聞」
にも掲載しています。(非同期)


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さるすべり


朝のバロック


右まひの・・・


向かいのおじさん


お寺の鐘の音 砂利ヶ峠

朝まだき みんなの学校

ぼくのドラエモン ふるさとシリーズ1 山火事

謹告:このページは2008年12月24日をもってブログ「スロウニンのスロウな生活」に移行します。

これからもよろしくお願いします。

22Dec.2008

ふるさとシリーズ5

砂利ヶ峠(じゃりがたお)

大坊(だいぼう=集落の名)の橋のたもとから

まっすぐ山奥に向かって坂が延々の道がある

大蛇や猪や猿がいると言うても行ったことが無い

油谷から俵山に抜ける砂利ヶ峠(じゃりがたお)

ぼくら小学5年と3年の兄弟とカアチャンと

鉄の輪の借り車力(しゃりき=大八車)を引いて坂を上がる昼過ぎ

石ころばかりの山道はクネクネ廻った坂の道

谷底が見える崖の上 真っ赤な紅葉が恨めしい

峠近くの山口さんちの庭先の渋柿を貰いに行くという

山口さんのオバサンも引揚者 お米や麦はないけれど

干し柿にすれば少しはたらおう(お腹の足し)かいね

先を割った竹竿でカマス(藁で作った袋)一杯柿をとる

5年のぼくが舵を持ち カアチャンとヤッチャンが後ろ押し

夕暮れ坂道をまっしぐら 車力は柿の実カマスで重いから

谷底へ落ちそうに転がって 人力ブレーキをかけるのがやっと

やがて神さまは月夜の明かりを下さって 林や道はこうこうと見える

カアチャンとヤッチャンのあの笑顔が懐かしい

20081112記

2008Dec.1

ふるさとシリーズ4

みんなの学校

先生のカアチャンは学校を休めない

子守役のバアチャンは吉野病院に入院

仕方なく弟を負ぶって学校に行った

担任の上利(あがり)先生も女の赤ちゃんを連れてくる

赤ちゃんを教壇のそばに置いて 教科を教える

弟が乳を欲しがって泣くと 先生が乳を飲ませてくれる

先生の赤ちゃんにも乳を飲ませるころ

僕の背中がジワーッと温かくなる

次の休みの時間にオシメを替えよう

近くで見る先生の乳房は透き通るように白く

青い血管が走っているのが見え

甘酸っぱいお乳の匂いがする

20081109


2008Nov.17

ふるさとシリーズ1 

山火事

大坊(だいぼう=集落の名)の後の山の上から出た山火事は

けわしい斜面にはばまれて、消える気配もありゃしない

1週間も燃えくすぶって、雨が降って麓で止まった

やがて麓から離れた集落にも、この大山火事の原因が

山の頂上にある、小さなお堂のお坊様の

落ち葉焚き火の不始末だったと噂が立った

しばらくして、だあれも知らない背が高い編み笠姿の坊様が

日がな一日次々と家の門に立ち、托鉢する姿が見られるようになった

袈裟姿に鉢を持ったお坊様は、お経を唱え小さな鈴を鳴らした

やがて僕は小学校を卒業し、一家が中学校がある町へ引っ越すことになっても

人丸様(人丸神社)の先の長久(ながひさ=集落の名)の、ばあちゃんの実家に行ったときも

そのお坊様の編み笠わらじの托鉢は、まだ続いていた

お坊様の袈裟着物はよれよれに擦り切れ、お坊様もくたぶれているようだった

20091109