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被爆者がガンなどの病気にかかった場合、原爆が原因だと認定されれば国が補償をする制度が、「原爆症認定」の制度。しかし認定されているのは、被爆者手帳を持つ人全体のわずか0.76%です。それは、被害をより小さいものに見せるため。日本は唯一の被爆国なのに、政府は核兵器容認の立場だからです。
被爆者は、被爆者政策、さらには日本の核政策を転換させるため立ち上がりました。目の前で死んでいった人たちに報いるために。苦しみを国に認めさせることで、同じ苦しみを世界中の誰にも再び味わわせないよう、核兵器のない世界をつくる礎になるために。
被爆から約60年が過ぎた今なおつづく原爆の被害を国に認めさせ、被爆者政策・その後ろにある核政策を変え、戦争も核兵器もない未来をつくるたたかいです
。
そして、未来を生きるわたしたちが、平和な世界をつくることにもつながるたたかいです。
被爆者はこの間、2001年の同時多発テロや、それへの報復戦争、そしてアメリカのイラク戦争、そしてまた「核兵器の使用も辞さない」などのアメリカ政府の発言に対し、強い抗議の意志を示してきました。それは、「私たちのほかに、二度と、こんな苦しみを味わう人を出さないように」という思いからです。核実験が繰り返されるたび、被爆者は、声を上げつづけてきました。同時に、差別や、子や孫への差別を恐れ、未だに被爆者であると名乗れない被爆者もいるし、肉親や友人、大火傷をした子ども見殺しにした、自分だけ生き残ってしまった、など強い罪の意識をかかえながら生きている方も多くいます。
「遠距離被爆で急性症状もない私ですが、一家で被爆したのは、長崎に動員されていた私だけです。その私だけが、相次いで三つものガンにかかりました。この原因は、原爆以外に考えられません。原爆が半世紀以上もたって、こんな被害を与えることを、みんなに知ってもらいたい。そのために、どうしても国に、原爆症と認めさせたい」
「たまたまあの日、建物疎開に行かなかったために生き残りました。しかし、同い年の従姉妹が直爆死しました。叔母が会うたびに『あなたは生きていてよかったね』と言いました。あの言葉は善意だったのに、私にはその言葉がつきささって、逃げたくて、逃げたくて、それもあって広島を離れました。ガンの手術を受けてから半年間も傷が塞がらず、そのため、足が不自由になりました。これは原爆のせいだと思います」
病気とたたかう身をさらして、何年もかかる裁判に立ち上がろうとする被爆者の声です。
訴状は以下のように述べています。
「原告らは、自らが原爆症認定されることにより家族が差別されるかも知れないにもかかわらず自らの身体をもって、さらには被爆体験を語ること自体が多大な苦痛を伴うにもかかわらず、自らの体験を語ることによって、原爆が如何に残酷なものかを明らかにしようとしている。
そして、わが国が戦争による原爆被害を受けた唯一の国であることや原爆被害の実状が忘れ去られようとしている今日において、自分の苦しみを国に認めさせることにより、日本政府の被爆者政策、そして更には日本政府の核兵器についての政策を転換させ、世界の核兵器の廃絶につなげたいという思いが、原告ら被爆者のこの原爆症認定訴訟に立ち上がらせた理由なのである。
このことは、原爆の際、自分達の代わりになったかもしれないで死んでいった人々に報いることであり、戦後の自ら受けた苦しみを国に認めさせることにより、自分たちと同じ苦しみを世界中の誰にも再び味わわせることのないように願って、核兵器のない世界をつくる礎となろうとする強い意志に基づくものなのである。」
集団訴訟の運動をしらせるリーフレットの第1弾に掲載されているマンガを紹介します。なぜ被爆者が立ち上がったのかを分りやすく説明しています。絵をクリックすると読むことができます。
マンガその1 なぜ集団訴訟を起こしたか 約70kb
国は、原爆がピカッと爆発した瞬間に被爆者がいた場所が爆心地から何キロメートルだったかで、被爆者が受けた放射線の量を機械的に推定し、被爆者の病気にたいして「原爆放射線の影響はない」と断定して、原爆症認定申請を却下しています。けれども、原爆がもたらした放射線は機械的に割り切れるような単純なものではありません。実際、遠距離で被爆した人や、救援・肉親探しなどで原爆の爆発後に市内に入った人たちが、脱毛、下痢、下血、紫斑、歯が抜けるなどの典型的な急性放射線症状を発症して、亡くなり、あるいは今日まで苦しんできたことは否定できない事実なのです。原爆被害は放射線だけではありませんが、とくに国が無視している放射線の被害について説明します。
| 放射線の形態 |
概要 |
被ばく形態 |
|
|---|---|---|---|
1 |
初期放射線 |
原爆の爆発後1分以内に発生した高線量のもの |
外部 |
2 |
放射性降下物 |
「黒い雨』や「黒いすす」など放射能を持った微粒子 |
外部+内部 |
3 |
残留放射線 |
初期放射線を受けた物質が放射能を持つようになったもの |
外部+内部 |
|
・放射性物質を含んだ井戸や水道の水を飲んでしまう。 実験用に作られた環境ではなく、すべて焼け野原になった真夏の炎天下の環境で、生身の人間が受けた放射線被害という点が、原爆被害の特徴です。 |
A表のように、原爆がもたらした放射線の形態は3種類あります。国は、このうちの「初期放射線」という高線量被ばくしか見ておらず「放射性降下物」や「残留(誘導)放射線」など低線量被ばくの影響を無視しています。
けれども、原爆炸裂後、人びとはじっとしていたのではなく、避難したり、救援にかけまわったりして、「放射性降下物」や「残留放射線」を含んだ「すす」や「ほこり」を吸いこんだり、食べ物や水に混じったものを飲食することで、こうした放射性物質を身体の中に摂り込み、身体の外側から(外部被ばくだでなく、内側からも被ばくしているのです(内部被ばく)。「内部被ばく」の影響は、その後も持続し、広い範囲におよびます。
こうした原爆被害の実態をありのままに見て、原爆症で苦しむ被爆者に援助の手を差し伸へることが、国の責任ではないか──被爆者はそう訴えています。
国の態度 ●「初期放射線」しかみない。
●核実験のデータで放射線量を推定。
●審査の時間は1人平均3分前後。
●なによりも被爆者の実情をみない。
裁判の状況、原告の紹介などは、東京おりづるネット(原爆裁判の勝利をめざす東京の会)をごらんください。(Peace Birdサイトの管理人が編集しています)
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