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情熱の国・スペインをたずねて( 1/11 )


はじめに

 1月の29日から2月の5日までの8日間、情熱の国・スペイン紀行に出かけた。
 首都・マドリッドからバスで南下してアンダルシア地方のセビーリャに行き、そこから地中海の海岸沿いにスペイン第2の都市・バルセロナまで北上するコースをとる。
 参加したのは総勢30名。内訳は夫婦が3組、OL、フリーター、学生、友人同士がそれぞれ1組、仲良し4人組、3人連れ、ひとりで参加と年齢も20歳から70歳までと幅のある福岡県内居住者を中心とする人たちである。
「旅は道づれ」というからいろいろな人がいたほうがおもしろい。
 添乗員の西村由香ちゃん、研修生の竹下美枝ちゃんに導かれ、イベリア半島をゆく。



1月29日(月曜)

関西空港

 福岡発の飛行機で大阪の関西空港に降り立った。
 ここで空港使用料券を自販機で買い、ひとりずつパスポートと搭乗券を出して飛行機の座席をとる手続きをする。
 そうこうしているうちに搭乗時間となり、12:30発パリ行きのエールフランス機AF−291便に乗った。


ブロンド美人

 宇美町から参加した藤木さんの隣に自分の座席を見つけたブロンドの若い外人女性が、いきなり服を脱ぎはじめた。
 色白で、大柄な女性である。
 まず、黒いコートを脱いだ。
 下にもまた同じような黒いコートを着ていた。
 さらにそれを脱いだら、下にはセーターを着ていた。
 それも脱いだ。
 下はタンクトップだった。
 飛行機の中とはいえ、この大寒の時期にノースリーブ姿になってしまった。
 彼女の隣の席の藤木さんは、目のやり場に困ったような様子で、少々うろたえ気味である。

 私は彼女に片言の英語で、もちろん単に単語をならべただけだがたずねてみた。
 彼女は7ヶ月間の京都でのホームスティを終え、今からイギリスへ帰るところだという。
 日本で買ったり、おみやげにもらったりした衣装が重さにして40キロ以上にもなった、と色白の顔を上気させながらうれしそうに話す。
 日本語も上手で、イギリスでは小学校の先生をしていると話した。


パリ空港

 17:20、12時間の空の旅でいささか退屈しきったとき、フランスのパリ空港についた。
 スペイン行きの飛行機へ乗り換えるため、シャトルバスで別の建物の搭乗待合室に向かう。
 この空港はさすがにフランスを代表する国際空港だけあって待合室は大勢の人たちでにぎわっていた。
 いろいろな肌の人種がいて、何か別世界に投げ出されたような雰囲気に、心細くなってしまった。
 壁に時計が何個もかかっており、世界の主な都市の時刻をリアルタイムで表している。
 ここは日本とは8時間の時差がある。
 つまり、ここは日本より8時間遅れていることになる。

 空港待合室には、ヨーロッパのブランド品を売っている店がならんでいた。
 時計の収集をしているので、そのうちのひとつの時計店に入った。
 そこには、あこがれのジャガー・ルクルトの名品・「レベルソ」があった。
 レベルソは角形をした時計で、時計の本体自体が反転するすぐれもの。
 日本で買えば75万円はする品物だが、ここでは43万円で売られていた。

 19:20、これからさらにスペイン行きのエールフランス機AF−2100に乗り代える。
 タラップを登ったら、飛行機の入り口で乗務員が搭乗券のチェックをしている。
 ポケットから搭乗券をとりだした拍子に搭乗券が突風に飛ばされた。
 しまった! 
 タラップを降りて搭乗券を拾いに行ったら、下にいた空港の関係者が拾ってくれた。

 このエアーバスは、ほぼ満員。
 お客は圧倒的にヨーロッパ人である。
 私のとなりに座ったヨーロッパ人は話し好きな人で、通路をへだてて座った同僚らしき人と話し込み、降りるまでずーと話し込んでいた。
 このあたりの人は陽気で、話し好きなのだろう。
 「機内食は業者がストのため出ません」、と添乗員の由香ちゃんが気の毒そうにみんなに伝えてまわった。


マドリッド Madrid

 21:20、いよいよスペインの首都・マドリッドのバラハス空港についた。
 日本とは8時間の時差があるので、きょうは一日が24時間+8時間で32時間になり、8時間得した気分になった。
 ヨーロッパ旅行は、日本からはその日のうちに着けるのがいい。

 改札口へ行ったら色黒の人相のわるい男たちの顔がならんでおり、ドロボーたちかな? と一瞬緊張した。
 スペインは治安のわるいところだから気をつけて、と出発前に何度も添乗員からいわれていたからである。
 外に出たら、まだ暗くて寒い。
 明日から乗る大型バスが迎えにきた。
 このバスは、観光用の大型バスで、二階建てではないが床が高く、床下にトランクを入れるスペースがあるデラックスタイプのもの。

 バスの中で、現地の日本人のご婦人がスペインの通貨であるペセタと日本円を交換してくれた。
 とりあえず各人1万円分を交換してもらう。
 為替レートは1円が0、7ペセタとのこと。
 この婦人は、30数万円を紙のショッピングバックに入れたまま空港の建物の中に入って行った。
 あれで大丈夫なのかなと思った。
 バスに乗って夜の町を、今晩のホテルである「CONVENCION HOTEL」に向かう。

 22:00 「CONVENCION HOTEL」についた。
 ここは空港からいちばん近いホテルだそうで、規模も大きい。
 このホテルには道路からトランクを運ぶベルトコンベアーが設置されていた。
 BGMとして007シリーズの「ロシアから愛を込めて」の曲が流れていて、親しみを感じた。
 フロアーは、磨きあげられた大理石が張られた豪華な仕様である。
 ヨーロッパは大理石の一大産地でもあり、古代ローマの時代から彫刻、柱、城壁が大理石でできている。
 ロビーには泊まりの外国人でにぎわっており、ここで由香ちゃんから明日のスケジュールなどを聞く。(つづく)



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