天野博物館訪問のご感想

日本ペルー協会 天野博物館友の会

Asociacion Nippo-Peruana Amigos de Museo Amano

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更新日 2014-02-18 | 作成日 2010-12-12

天野博物館訪問のご感想

ペルーにある天野博物館をご訪問された皆様の思い出、ご感想を奮ってご投稿お願い致します。お名 前 、住所 電話番号、ファックス、メールアドレス、ご感想をお書きの上、次のアドレスまでお送り下さい。

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天野博物館の収蔵品再現と新たな発見

渡辺 敬子


wamusu-2.jpg私は15年程前に、民族学博物館主催「大アンデス展」にて、天野博物館収蔵品の「動物文様頭帯 パラカス期 結び節編み」に出会い、2000年以上前に作られた頭帯を再現しました。
 ペルー南海岸のパラカス半島から発掘されたその帯は織物ではなく、編み物の一種で、あまり知られることも無く博物館に収蔵されている数少ない帯を探し出し、再現と記録を残すのが私のライフワークになりつつあります。
 初めてのペルー旅行の初日に天野博物館で事務局長の阪根博様の名解説で土器や織物を見せてもらった最後に、特別に「豪華な帯」の写真を撮らせて貰いました。あれ程幅広でしかも長くて立派な帯は数少ないと思います。よほど身分の高い人の為に特別に作られたものと思います。ペルーの考古学者テーヨ先生がパラカス半島で見つけられた墳墓から、ミイラ包みが沢山出てきており、この包みを解き、纏っている物を剥がすと、今まで見たことも無いようなすばらしい織物類が発見されたわけです。色々な技法で作られた頭帯が何本も巻き付けられており、それは織物、組紐、刺繍、針編み、輪結び編みなどで作られております。

wamusu-1.jpg リマに着いた日に早速天野博物館に伺うと、天野美代子館長と鳥居美恵子さんがにこやかに迎えて下さり、何だか初めて伺ったような気がしなかったのは今でも不思議に思います。 早速資料室で、かって私の手で四苦八苦した帯に再会し、持参の再現サンプルとともに記念撮影。そして鳥居さんが探し出して下さっていた6,7点の収蔵品(実は日本を出る前に鳥居さんにお願い致していました)のうち、輪結び編み組織は3点すべてがパラカス期のものでした。これらを後で再現するために夢中で写真を撮りました。旅行グループの皆様が日本に帰られた翌日も天野博物館に伺い、輪結び編みの3点を拡大鏡を使って見せてもらいました。そのうちの1点は保存状態が良く、私にも再現可能のようです。
 この時は、アンデスの織物に魅せられてペルーから離れられなくなってしまった鳥居美恵子さんと、古代アンデスの織物談義に花が咲きました。 話しの果てには、鳥居さんが「人間は何回も生まれ変わるそうですよ。もしかしたら2人とも昔アンデス人だったかも知れませんね。私は処女の館のおばばで、若い女の子たちに織物を教えていたような気がします。渡辺さんも、輪結び編みをやっていたのではないかしら?」これに応えて、私は「そうかもしれないわねー、きっと前世でやっていたことを思い出しながら、もう一度同じものを作らされているのかも知れませんね」などと話が飛躍しお互い大笑いしてしまいました。

天野博物館体験記

河村 宣子

 私は長年ペルーへの思いを暖めておりましたが、2005年2月16日から2週間、天野博物館の事務局長 阪根博氏同行のツアーに参加しました。博物館には2日目の18日夕方に訪問。そして、2階の展示室へ。入口左にある古代インカ、プレインカの地図模型を見ながら、謎だらけの歴史と文化について、阪根氏からレクチャーを受けました。
 展示室は膨大な所蔵品の中から、土器類と織物コーナーに分けてコンパクトに、そして歴史の流れに沿って展示されていました。
 土器類の展示コーナーでは「触れて、持って見なければ本質が分からない」と言うことで、私も恐る恐る貴重な土器を持たせて頂きました。初めての経験とともに、余りの軽さにビックリ致しました。見るだけであったならばこの軽さは実感出来なかったでしょう。そして、土器のリアルさや愛らしさに、自然と笑みがこぼれてしまう程でした。中でも私のお気に入りは、天野芳太郎氏が情熱を注がれた白黒模様のチャンカイ文化の土器と埋葬品、それとジャガイモの土器です。皆様にも是非、天野博物館での貴重な体験と、お気に入り探しをお薦めします。楽しいですよ。
 織物コーナーには、中央に細い引き出しが何段もある展示用チェスト(?)が、背中合わせに2列あり、一段一段引き出しを開けて見ていく様は、まるで織物見本帳の様でした。このチェスト(?)は、開館当時の手作りだそうです。敷物や衣装、バックなどの小物などを含め、その織物の所蔵品は、ペルーでは他に類を見ない所蔵数と質だそうです。知識のない私でも、先人の技術のすばらしさに驚かされました。織物にご興味のある方なら、感激して足が止まってしまうことでしょう。
 最後に申し上げたい事が有ります。それは、天野芳太郎氏が日本のシュリーマンだと紹介されているのをよく目にします。でも、シュリーマンとの大きな違いがあります。それは、シュリーマンは発掘したその国の宝を持ち帰ったことです。一方、天野芳太郎氏はペルーの宝はペルーにあるべきだと考え、リマに私財をなげうって博物館を開設されたことです。また入館料も無料(予約制ですが)とされたのです。天野芳太郎氏のペルー文化への情熱と思想は、日本人として誇れるものと私は確信しています。また、美代子館長を初め博物館の皆様方に、笑顔と家庭的な雰囲気で迎えて頂き、異国の地でホットする博物館の体験でした。本当に有難うございました。
 この貴重な思い出を大切に致したく、今回天野博物館友の会の会員に申し込みました。

天野博物館

越智 幸輝(世界見聞録)

 リマ市内に、リマ名誉市民にも選ばれた故天野芳太郎(1898~1982)氏が長年に渡って収集した土器や織物を展示公開する天野博物館(Museo Amano:ムセオ・アマノ)がある。天野博物館は1964年に設立され、1973年に財団法人になった考古学博物館である。入場料は無料だが、博物館内で絵葉書や書籍を販売しており、この収入が博物館の維持運営に充てられている為、感謝と記念を込めて購入される事を是非ともお薦めしたい。(右上に続く)

私はナスカとクスコとマチュ・ピチュのガイド・ブックを購入した。内容を見て、実際に行く前にこれを読むべきだったと思うくらい、内容の濃いものだった。天野博物館は写真撮影禁止と聞いていて、駄目でもともとで写真撮影について訪ねると、展示室は駄目だが、入口付近は撮影許可をいただいた。ここでは展示品の紹介は出来ないので、どうしてもという方は実際にペルーに行って見ていただきたい。
 入口正面はミュージアム・ショップで、展示室へは階段を登って行く。見学は完全予約のグループ制で、事前に電話で予約を行い、その時の人数により博物館の方でグループ分けがされる。私のグループは約20人(全員日本人)だった。
 博物館の展示についてだが、最初に土器を中心とした展示室に案内された。ここには文化区分毎に整理陳列されていて、ペルー各地の文化による土器の違いが良く分る。次に隣の織物を中心とした展示室に案内された。ここはチャンカイ文化の織物が多数あり、当時どのようにして織られたのかよく解明されていないような高度なレース編みや織物を観ることが出来る。ここには小さなビーズがあり、この穴を開けるのに非常に高度な技術が必要という事だ。現代の技術でも難しいそうである。展示品の解説を館員の方が日本語で丁寧にしてくれるのがまた嬉しい。展示品をお見せできないのが残念である。

天野博物館に触発されたアンデス技法のクラス

上野 八重子

 私は20数年前天野博物館の三階収蔵室に一日中入れて頂き、古代染織品の素晴らしさに魅了され、それ以来資料を元にして、アンデスの染織技法を自分なりに解き明かし、現在は一人でも多くの方にその魅力を伝えたいとの思いから東京テキスタイル研究所内にアンデス技法クラスを作ってもらい、生徒さんたちと楽しんでいます。
 まだまだ多くの技法がわからないでおりますが、そんな時、講演会で耳にする古代アンデス文明のお話は、自分の知らなかった古代文明と古代技法の接点が見つかったりする事があります。
spurang.jpg 最近も天野博物館で働かれていた鳥居恵美子様と連絡を取る事が出来、お忙しい中でお電話を頂いたり、お互いの近況を手紙で知らせ合ったりしておりますが、なかなか同感覚で話が出来る人が少ないので、これからも大事にお付き合いさせて頂きたいと思っております。
 現代の人々は、進化した優れた人間の様に思いがちですが、実は退化しているのではないでしょうか。
kagorasha.jpg 古代染織品の複雑な技法を見るにつけ、手先だけを道具としてすばらしい技法を編み出した古代人はなんとすごい人間なのか!と思わずにはいられない私です。今でも天野博物館の収蔵室の床に座り込んで一日中古代織物を見せて頂いた日の事が、はっきりと思い出されます。
 この2,3月に行いました「アンデス技法研究グループ展」「アンデスクラス卒展」に発表した中から1,2点紹介させて頂きます。 (文中掲載の2写真)。