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ひび割れと同時に私にとって深刻な問題が「だま」でした。手粉をつけてこするとだまができる。力の入れ具合が悪いのか、いくつかのだまはいつもしっかりと定着してしまっていました。
そんな中ふと隣を見ると、妻Tのおだんごにはほとんどだまがないのです。
何が違うのかつぶさに観察したところ、さすが「ゴッドハンド(C)(byみえしぶっちょさん)」Tだけあって、彼女の作り方はソフトタッチなのです。テンポはゆっくり、しゃにむにがさがさとこするのではなく、スルンスルンとなでるという感じ。
そのとき、数年前小さなおだんごを作っていた頃に自分自身が考えていたことがよみがえってきました。おだんごの表面は大きな粒がだんだんと小さな粒で埋められていく。自然に小さな粒しか付着できなくなる。そうやって表面は滑らかでつやのあるものに仕上がる。
とすると、強くこすって表面を滑らかにしていく必要はないではないか。逆に、全く力を入れなければ、「だま」ができることもない。もしできても払い落とせる。
なので私は、今こんなやり方でおだんごづくりをしているのです。
1.仮皮膜づくりまではANDS製法。ただし、にぎりしめること意外は力を入れ過ぎない。
2.皮膜づくりでも勇気を出して粉を全体にかける。
かけたら素早く両手の中ですりすりころころと動かす。このとき、決して表面のさら粉がつぶれないように、だまにならないように、全く圧力をかけない。
手のひらにさら粉が付着しそうになるのをときどき丁寧に払い落とす。
3.すりすりころころをしていくと、だんだん粉が落ちてなくなっていく。そして最後に、表面に埋め込まれなかった細かい粘土が小さなだまとなってくるので、それを優しく払い落とす。
4.スルンスルン と表面を整える。
5.2〜4を、表面につやが出て、しかも乾いて色が変わってくるまでくり返す。(1時間ほどかかります)
6.少し布で磨いておしまい!つまり完成!
なぜつやが出るまで一気に仕上げてしまうのか。二つ考えがあります。
一つ目は、 やはりだまやまだらをつくらないためです。一度途中で寝かせた玉は、袋から取り出した時水でかなり濡れています。この状態では、たとえ染み込んだとしても表面近くにたっぷりと水があるのです。次の粉かけすりすりころころのとき、その水分が一気に出てきてだまやまだらを作ってしまった、という経験があるのです。
二つ目は、乾燥による表面の異常な凝縮をさせないためです。こう書くと「どんどん粉かけをする方がよっぽど凝縮を進めるではないか」と思われるかも知れませんが、私の経験では、皮膜ができた後長いお休みをさせた玉の方がひび割れたことが多いのです。
障子を張るときには、一度霧を吹いて濡らします。そうすることによって障子紙は濡れる前よりもっとピンと張ります。同じことがおだんごの表面にも起きているのではないか、と考えています。一度整えられ、かなり乾いてきた皮膜は、お休みの間にまた十分な水分を含む。その後取り出されこすられたり磨かれたりした皮膜は、前よりもっと凝縮する。ひび割れしやすくなる。
もしそうなら、つやが出るまで、粘土が埋め込まれるにまかせた方が、かえって異常な凝縮をしない皮膜になるのではないか、と思ったのです。
やってみた結果のご報告はA-Reportにて。