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 TOP(4)製作前キットレビュー J立形マシニングセンタ MAKINO V33i (1/20 ファインモールド)

 (4)製作前キットレビュー
   J立形マシニングセンタ MAKINO V33i (1/20 ファインモールド)

 久しぶりの製作前キットレビューは、何を考えたかマシニングセンタという「工作機械」です。

 ファインモールドという会社は、はっきり言って私は贔屓にしているメーカーですがこのアイテムは意表を突き過ぎで少々面食らっていました。

 調べてみると工作機械のプラモデルというのは、最近ではバンダイが自社の電動式4色射出成形機を限定発売した以外は、非売品でタミヤが数種の射出成形機を作ったという情報くらいしか見当たりませんでしたが、今回のキットは成形機ではなく成形機で使われる「金型」を作る機械です。(正確には金型だけに使われる訳ではありませんが)

 「樹脂製品」を作る成形機と違い、使い様では機械そのものを作れる「工作機械」である本キットは、正にその意味で世界初のアイテムと云えるのではないでしょうか?
 ですが如何に「初物」好きな私としても、財布の紐を弛める決心を付けるには少々時間を要しました。

 それが今回購入に踏み切ったのは、いくら検索してもキットの内容をレビューしているサイトが見当たらなかったからで、「なら一丁やってみるか!」と頼まれもしないのに思い立ったという訳です。(やっぱり初物が好きなのよね)


 まずは組立て説明書ですが同社のキットの例に洩れず、びっしり2ページに及ぶ工作機械産業の歩みからモデルとなった牧野フライス製作所の製品開発の歴史紹介など、牧野フライス製作所のパンフかと見紛う程の濃い内容で相変わらずの力作です。
 
 しかし興味の無い人はあまり面白くないだろうなぁ、って興味無かったらそもそも買わんか。

 この画像サイズでは解り難いでしょうが、組立て説明書は各主要パーツ毎に詳しい解説がなされており(英文併記で!)、技術職に携わる人ならマシニングセンタの素人でも各部の名称・機能が良く理解できるようになっています。

 スケールモデルでもこんな説明書ならいいのにと考えましたが、完成後は見えなくなる内部構造まできっちり再現してある本キットならではの特徴と云えるでしょう。

 さて、キットの内容に移ってみます。

■Proportion: ☆☆☆☆☆

 キット化にあたっては実物の設計データを元にしているとのことなので、形状にケチを付けることは無謀でしょう。(ああ、楽でいいなぁ)



 6枚のランナーが実機のイメージに近く色分けされており、他の製品のマニアックなミリタリー路線とは違うことが解ります。
 また、接着剤不要のスナップフィットモデルというのも、同社の製品としては珍しいと思います。


■Detail: ☆☆☆☆☆

 
 ライトブルーのランナーの主要パーツは「コラム」と呼ばれるこの機械の「骨格」に相当する部分です。実機も箱型構造をしているそうですが、鋳鉄で非常に剛性が高く作られています。
 キットのパーツも鋳肌の面(鋳造で作られたそのままの面)と思しき部分は表面が梨地(画像左)となっており、機械加工された面は平滑面で仕上げられて区別されています。(右画像中央)

         
 工作物を固定する「テーブル」も平滑面仕上げです。さすがに溝の断面形状は「T」字にはなっていませんが、やろうと思えば意外に簡単に改造できるかも。・・・しないけど。

     
 この辺の補機類なんかは、スナップフィットという制約が無かったらどこまで再現したんだろうと思わせるくらいの精密さです。

    
    一見何の変哲もない本体側面パネルですが、

    
    中央付近に開閉レバーと思しき極限のディティールが施されています。


    
    「数値制御装置」パネルもまた尋常ではない作り込み様です。こんな塗り分け
   どーすりゃできるのか?小さいキーは0.5mm角くらいです。

 と、心配な向きには右側の平らなパネルに左のシールを貼れば実機の雰囲気が出せるように配慮されています。

 しかし、左のパーツの立体感は捨て難いですなぁ。


 圧巻はマシニングセンタの心臓部とも言えるATC(Automatic Tool Changer)ユニット内の工具マガジンです。
 
 全部で15本の工具をセット出来るホルダーがこれまた異様な精密さで再現されています。完成後は殆ど見えないのに、です。

 これぞファインモールドの真骨頂です。

        
     極めつけは、切削液回収口の下にある「切り屑パケット」の網目です。
     めちゃめちゃ地味な部分ですが、めちゃめちゃ丁寧にモールドされています。
     もちろん、組立後は外からは見えません。

■Structure: ☆☆☆☆☆

 キットの構造面では、組み立て易さを主眼にスナップフィット化されているため、思い切った構造は取られていません。

 が、主軸ヘッドや内部機構の可動まではしないものの、制御パネルや工具交換扉、オペレータドアの開閉等はできるようになっており、先の切削液回収・供給装置も本体下から引き出せるようになっています。
 また、この装置の前面パネルも下の画像の様に3箇所のヒンジで開閉が可能になっています。
     

     

■Cost Paformance: ☆☆☆☆☆

 このキットのパフォーマンスとは?と考えさせられるものがありますが、作る本人の満足度という意味で満点です。

 そして「オトナの社会科見学シリーズ」と銘打ったとおり、シリーズ続編が決定しているようです。・・・凄すぎる。






 Finemolds 1/20 
 
立形マシニングセンタ MAKINO V33i





↑模型流通限定版には「遠藤みる」ちゃんがマシニングセンタを解り易く解説してくれるカラーイラストが付いてきます。(一般人向けに解説すると「エンドミル」という加工用工具の名前にかけてある訳ですな)


↑カラーイラスト付きの解説書と組立て説明書。黒い表紙が渋過ぎです。


↑私の様に工作機械に直接携わっていない技術屋さんには確かに解り易いイラストです。「遠藤みる」ちゃんが安全靴を履いていたり、工具を持つ手にちゃんと軍手をしているところが芸が細かいです。


↑裏側は塗装の為のカラーガイドになっています。色番号指示は、クレオスのMrカラー、水性カラー、タミヤカラー(エナメル)と3種を網羅し、さらにはここでも英語表記がされています。このキットで世界展開を狙うのかファインモールド!(なら、イラストの台詞も英文にしたいところですな)





































































































↑「ミーリングチャック」という専用の保持具に付けられた工具も2個付属します。が、折角なら15箇所のマガジン全部に色々な種類の工具を付けられるようにして欲しかったなぁ。(ムリ言うなって?)



















































































↑工具交換扉(クリアパーツ)


↑オペレータドア
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