TOP(5)製作キットレビュー G VF-25F メサイアバルキリー"シェリル・ノーム"デカール仕様 (1/72 バンダイ)

 (5)製作キットレビュー


  G VF-25F メサイアバルキリー"シェリル・ノーム"デカール仕様 (1/72 バンダイ) 
    2009.6.7


 ようやくキットレビューの内容が現代に追い付いてきた感がありますが、相変わらずのマクロスネタが続くのはご容赦願います、って誰に謝っているんでしょうね、私。

 このマクロス「Flontier」の「メサイアバルキリー」というキット、版権をバンダイが取得した結果今までのハセガワ・マクロス関連キットと一線を画す内容になっております。ご存じバルキリー3形態への変形可能がそれです。
 そのため、当初からの話題性もあり結構高価なキットの割に販売の出足は好調のようで、放映終了後でも「スーパーパック付き」や「アーマードパック」仕様の機体が追加投入される予定という人気のシリーズです。

 また、一応飛行機モデルでデカール替えが自然な流れということと、最近の「痛車」ブームの影響もあってか、「デカルチャー・デカール」と呼ばれるスペシャルデカール付きのキットをホビーショウにて限定販売したところこれがまた話題となり、その後一般市場へも「キャンペーン」としてデカールをキットの購入特典として配付するという戦略をとり成功を納めているように見えます。現時点でも「アーマード」仕様キット販売時にキャンペーン第3弾が予定されているようです。
 第1弾が「シェリル」で次が「ランカ」で、ヒロインは出きってしまいましたので、3回目のデザインはどうするのか?といらぬ心配をしてしまいます。

 もともとのキットには、水転写のスライドデカールの他に同内容のテトロンシールも付属しておりどちらでも選択できるようになっています。
 今回は折角ですので「第1弾」のキャンペーンデカール”シェリル・ノーム”を使って仕上げてみることにしました。ここ3回の製作レビューで、図らずも「ハセガワ製」「カルトグラフ製」「バンダイ製」のデカールを比較することになりましたがさて結果は?

 題して「このデカール、使えんのか?レビュー」です。 (だからそれはもう3回目だって・・・)


■Proportion: ☆☆☆☆☆
 
 VF−1シリーズと違い、可変トイ・プラモデルの発売が前提でデザインされたと思われる機体は、航空機形態を重視しているものの、バトロイド状態もすっきりした格好良いプロポーションとなっており、破たんがありません。変形機構実現のための技術(使用材料・構造設計)はバンダイならではといっていいでしょう。

   
                                ↑とりあえずの仮組み状態ですが良く動きます。

■Detail:☆☆☆☆☆

 キットの狙いどころの違いのようなものがあるため、一概に比較は難しいですが、航空機モデルとしてのディティールは、実際の航空機に通じたハセガワに一日の長があります。しかしメサイアバルキリーのキットのディティールに不満があるというわけではありません。
 むしろ内部構造の骨格部分や見えなくなるパーツにもそれらしいディティールが施されているため、初めて組み立てる身にはどのパーツが外から見えるか(塗装する必要があるか)が判断できないほど、凝りに凝ったディティールでいっぱいです。

■Structure:☆☆☆☆☆

 可変バルキリーを再現したキットの構造には文句のつけどころは正直ありません。30年近く前のバルキリーの可変キットに比べれば、接着可能なABS樹脂等の技術革新も手伝って金属製の部品はシャフト4本だけにおさまっています。
 可動部品のほとんどは摩耗に強く強度の高いABS樹脂製で良いのですが、塗料の溶剤に弱いため塗装は避けるように注意書きがあります。(余談ですが、そういう注意書きがあると塗装しなくていい大義名分が立つので私としては大歓迎です。)

 また、それらのパーツの配置が複雑なので、今回は一旦仮組みで完成させた後、分解しながら塗装するという手順を取りました。(仮組みとはいえ、接着剤不要を謳っているキットですのでこれで完成状態と変わらないのですが・・・)
 
 しかしこのパーツの多さは何とかならんでしょうか。1機作るだけでごちそうさま状態で、私の様に数を作りたい(と思ってるだけですが)量産型フェチにとっては、あまり手間のかかるキットは困りものです。


↑ABSのパーツを除くと、内部フレームの塗装箇所はあまりありません。


 尾翼の白とピンクのデカール部分は透けの懸念から前もって下地塗装(白)をしました。結果からいうとピンクのデカールを黒地にそのまま貼ってもほとんど透けはありませんでした。





 

 

 左の画像は脚部の外装パーツを外した状態ですが、もはやバンダイではお約束になっているのではと思うくらいに足先までフレームが入っています。

 露出する部分のうち黄色で囲んだパーツは通常のPS樹脂ですので塗装可能ですがその他は全てABSです。
 最近のABS樹脂は昔のように硬いばかりの樹脂ではなくなっており、ゲート処理などの切削も容易ですので特に違和感無く作業できます、と言っても最近の人には解らないんでしょうなぁ。






 
しかしながら尾翼に貼るピンクのデカールは一見して安直な形状です。(ここから一抹の不安が・・)

 ハセガワのデカール並にマークソフターが効いてくれれば何とかなるかと軽く考えて、水に投入するとほんの数秒でマークは動きます。
 剥離が速いので作業性は良いのですがマークソフターの効きは前回のカルトグラフ製ほどではありませんがあまり良くなく、馴染むまで結構時間がかかる上、その割に「ヤワい」のであまり押さえつけると千切れてしまいます。



 何とか尾翼に貼ってみましたが、デカールのラインの幅が尾翼の厚みを考慮していないため左右を貼り合わせても厚さの分だけ隙間ができてしまいました。
 この時点で尾翼と脚部ベントラルフィンは塗装が決定しました。トホホ。


 足首のパーツは前側は素直に貼れたのですが、後ろ側が長さと曲率が微妙に合わず、貼りつけを断念。(根気が無い?)

 他にも安直な形状のデカールには悩まされますが、マークソフター、マークセッターとさらに限りない根気があれば指示通り貼り付けられるでしょう。
 

 次に本命のデカールに移ります。
 このデカールは貼りつけるとファイター形態からの変形ができなくなるとの注意書きがある通り、パーツの可動分割部分にまたがって貼りつけるようになっています。

    
 


 まずは貼り付けパーツを寄せ集めて分割部の隙間を極力詰めるようにセロテープで裏打ち補強します。


    考えていてもしょうがないのでとりあえず、えいっと載せてみました。 
      

 マークソフターを塗ると動かせなくなるので、しばらくシワと綿棒で格闘しましたが、5分くらいであきらめモードになります。
 何せ真ん中のシェリルの顔の部分が胴体中央の一番高いところにありすぐ脇が落ち込んでいるので、先ずそこで亀裂が発生。
 さらに尾翼付け根の盛り上がりにかかるのですが、ここがどうしても沿わず(そりゃ普通無理ですよねぇ)シワだらけ。
 

 結局、主翼折りたたみ部はあきらめて、胴体中央のみなんとか見られる程度まで貼りこみました。

 後で思ったのですが、大面積のデカールですので古典的な蒸しタオルで加熱・加湿しながらという手が使えたかも知れません。今となっては確かめる術はありませんが。(しかし何ちゅう役に立たんレビューか。我ながらあきれますが・・・)


 主要なデカールを貼り終えるとこんなイメージになりました。
 自分としては、全面に絵柄があるよりすっきりしてこれもいいかなと思うのですが、負け惜しみ?




■Cost Paformance: ☆☆☆☆☆

 このメサイアバルキリーのキットはハセガワのバルキリーの倍以上の価格ですが、3形態にほぼ完全に可変するという圧倒的なアドバンテージを持っています。
 それ故に非常に複雑かつ膨大な(私にとっては)作業を要求されるキットですがその反面、無接着・無塗装でテトロンシールを貼りつけてお手軽にある程度の仕上がりを実現できるという配慮もあります。
 
 そのあたりが実にバンダイ的で文句のつけどころもないのですが、このボリュームではスカル小隊を全機完成させるのは当分先の話になりそうです。

 また、可変機構故に可動範囲が制限(股関節等)されることもあり自立させた状態でのポージングには限度があります。ここはやはりバンダイから発売されている「アクションベース」を使って浮遊状態で飾る方が見栄えがするでしょう。
 変形の度にデカールや塗装が剥がれていくので、気に入った形態で固定してしまうのも「手」かと。
 私は飛行機型が好きなのでファイター形態なら外装を接着していって簡単に作れないかなぁと考えたりしています。

 そんな意味で変形を捨てた(できなかった?)ハセガワのファイターシリーズも存在意義があると思うのです。
 何かハセガワを弁護して終ってしまいましたが、バンダイのこのキットはいろんな意味ですごいということです。

 で、肝心のデカールの使い勝手としてはまとめると
なじみ易さ・伸び
(マークソフターとの相性)
発色・透過性
(透けない)等
形状
ハセガワ
バンダイ
カルトグラフ ○- -

 というようなイメージになりました。(カルトグラフデカールの「形状」はハセガワの発注なので評価なし)
 
 おそらくバンダイのデカールもシルクスクリーン印刷で作られているのだと思いますが、馴染み易さとデカールの形状に若干の問題が見られました。










 ちなみに他の形態の画像もやはり載せないといけないでしょうね。(いや、別にいいよって?)

   
    ↑おなじみのガウォーク形態ですが、意外に脚の自由度がなくハの字にすら満足に開けません。


 スタンドを使わない自立展示ではあまり大胆なポーズは無理です。
 頭部の紫はデカール使用を早々にあきらめました。塗装なのでちょっと色味が違います。
 左のデカールですが、これは貼れんよバンダイさん。


 ↑この形態では何か「刺青」みたいで変ですねぇ。(笑)













 バンダイ 1/72 VF-25F メサイアバルキリー
 (\4,500) + "シェリル・ノーム デカルチャーデカール" 

 第1弾のキャンペーンではマクロスF関連ならどのキットでももらえたこのデカールですが、第2弾の時のランカデカールは、アルト機(ノーマル or スーパーパック付)に限られてしまいました。







































■さすがのバンダイさん

その@ ランナー枠表示の工夫

↑このくらいのキットになるとランナーもA〜Mと13枚にもなり、組み立て時に目的のランナーを探すのが一苦労。こういう抜き文字での表示は探しやすくて助かりました。

そのA 多色・異材成型技術の採用

↑バンダイのキットではお馴染みですが・・・

そのB スライド金型の多用
↑ABS製のパーツですがスライド金型で一体成型することで強度確保に貢献しています。珍しい技術ではないですがお金のかかる技術です。


そのC シール類の充実
 水転写のスライドマーク以外に初心者向け?に通常のシール式マークが付属しています。また頭部のカメラ部等には高輝度のシールが用意されていたりと至れり尽くせりです。上級者でも使い分けができて便利かも知れません。












































































































































































↑全長ではVF-1の1.5倍程度あります。






↑画像では判りにくいですが、他社の現用機キットでもなかなかやってない「自重変形タイヤ」を採用しています。(実は取り付け角度の規制がしてあるのを見て気が付いたのですが)バンダイさんの中にも凝る人がいるんですねぇ。





































































































































↓ガトリングガンの保持もあまいので箱絵のような片手持ちはそのままでは無理です。






↓頭部に貼るデカールの一部。
 ペーパーモデルじゃないんだから・・・








 しかしガンダム系のプラモデルと違って、設定段階からデカールかシール使用前提でないと成立しえないデザインを取っているのも一つの特徴かと。
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