春の花火



1.太陽の肌触り
2.空の気持ち
3.桜待つ日
4.見えない先のほうまで
5.春空の下



+++ 太陽の肌触り +++

冬の匂いはすでに親しんでいて
あんなに冷たかった朝の風にも
いつのまにか肌は慣れているらしかった

冬の装いをした木々の姿に
それほど違和感を感じなくなった頃
空を眺めている

太陽の肌触りのかけらに
どこかしら春の気配を感じて
やたらと懐かしさがこみ上げてきた
たった一年前の季節
なのにこんなにも心にあたたかい
たくさんの思い出も蘇ってきたよ

本格的な春の訪れは
まだすこし時間を待たなければならない
そうしてやがて薫るであろう春の匂いに
すこし心がドキドキする


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+++ 空の気持ち +++

空の表情が気持ちを表しているとしたら
薄暗く曇っている冬の終わりの空模様は
多少憂いを帯びた横顔だったのだろう

空を見上げていらぬ心配などしている
ねぇ大丈夫かい

何気ない日常の瞬間に
ふと気づく空の表情は
いつのまにか晴れていたりもする

ゆっくりと降り注ぐ春の陽射し
空の気持ちが春ならば
それは優しい気持ち

君も傷を知っているのか
柔らかい光は敏感な心を少し癒す


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+++ 桜待つ日 +++

まだ肌寒い春の風は街の木々を揺らす
遠くの雲が流れた

つぼみを見せた桜は
あとどれくらいしたら咲くだろう
僕が傍でいくら願っても
咲く時期は早くも遅くもならない

あのときの素敵な光景を思い出した
あの場所に咲く桜の木

桜待つ日は心が揺れる
早く咲かないだろうかと
ぱたぱたした心のざわめきは
決して自由にはならない桜の開花を思って
なんとなく苦しい気持ちにもなる

どうせすぐに散ってしまう
散ってしまうのだけど
それでも桜待つ僕がいる


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+++ 見えない先のほうまで +++

ふと
飛行機雲に気づいた

傾きかけた陽に照らされたそれは
明るく輝いていて
とおくのほうまですっと伸びている
見えない先のほうまで

無言のままで
祈るように見上げた

出会いと別れの季節
巡る思いを馳せ



+++ 春空の下 +++

桜咲く春は
穏やかな中にキラキラとした輝きが満ちている
スローテンポなメロディは心の中の
きゅっと締め付けられる部分を奏でている

春空の下で美しさを見るだろう
心に映る花火
儚げな印象は少しの悲しみと共に胸に残る
切ないけれどあたたかい
自分の弱さと重ね合わせたりした

「あの流れ星はきっと良いことのしるし」
君の不幸も一緒に取り去って
春の陽射しを浴びた公園の芝生のような
温もりに溢れた平和な日々がやってきますように

また僕は歩き出すだろう
春の花火は全てへの祝福であると信じよう

見上げた空は青く優しく微笑んでいて
僕らに力を与えてくれる気がした


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