Fluttering Peace



1.いとなみ
2.灰色の世界
3.小さい波
4.ただ、花がきれい
5.僕等の目に映るものは
6.mono
7.たったそれだけの幸せを
8.明日
9.小鳥が飛び去った
10.落ち着ける場所



+++ いとなみ +++

いのちは歌をうたう
お花畑の中で手足を投げ出して
流れる雲の数をゆっくり数えている

ひとつ深呼吸をしたら
時間が止まるから
耳を澄まして遠くの音を聴く

土を感じて
空を思い

そうしていのちは営んでいる


タイトルへ


+++ 灰色の世界 +++

乾いた風の中
ふと小さな火花が散って
あたりに大きな音が響き
銀色の煌きがくるくると回りながら
体をそっと突き抜けると
誰かがぽたりと涙を落とす

ざらついた感覚は
シャワーで流しても消えない
空に捧げた祈りがどこへ行くのかを
想像したりしている

争いは絶えない
人は死ぬ
僕らと僕らは憎しみで
世界を飲み込もうとしている

実のところ
さして悲劇は珍しくもない
思えば

優しさや心の温かさも
子供のあどけない笑顔も
死は一瞬にして奪う


タイトルへ


+++ 小さい波 +++

ひとつの悲しみが生まれると
それを消すのはとても難しい
喧嘩するのは簡単だけど
仲直りするのは難しいように

僕らはたくさんの幸せを願うだろう
わがままじゃないよ
悲しみでいっぱいの世界だから
もっとたくさんの幸せを願うんだ

僕等に戦争なんて止められないけど
いま口ずさむならジョン・レノンの歌を

子供の頃にわからなかったこと
少しだけわかりかけてる
目を瞑っては想像するんだ
世界中のみんなのこと

僕等に戦争なんて止められやしない
だけど身近な人との会話が
誰かの痛みを想像する気持ちが
少しずつでも繋がっていけたなら
大切なことじゃないかと思うんだ

それが小さい波でも構わないよ
どこかで泣いている姿を想像するから
僕はウタを紡ぐ


タイトルへ


+++ ただ、花がきれい +++

そのおばあさんは言いました

花を見れば

損も得も考えないでしょう

ただ、花がきれい

花がきれい

そう思えるのよ


タイトルへ


+++ 僕達の目に映るものは +++

友人が路上で写真売りの行商に出会い
首だけになった息子を抱える老人の写真を見た
爆弾で首から下を吹き飛ばされた遺体
日本にもこの現状を伝えてくれと言って
撮られた写真らしい

僕達の目に映る戦争

僕らが平和に暮らしている頃
その老人はどんな気持ちで

誰かが突撃銃で敵を殺している頃
誰かが戦争の勝利を祝う頃
その老人はどんな気持ちで
首だけになってしまった息子の姿を
名もない東洋人に撮らせたのだろう

戦争はいけないことだ
当たり前なのに繰り返してる

生きるために人を殺し
正義を貫くために敵を殺す
生活していくために武器を作り
家族のために戦場へ向かう

そして人は死ぬ

僕達の目に映るものは何だ


タイトルへ


+++ mono +++

僕らをモノみたいに扱わないで

家族をモノみたいに扱わないで

恋人をモノみたいに扱わないで

生徒をモノみたいに扱わないで

子供をモノみたいに扱わないで

人々をモノみたいに扱わないで

散らかった部屋を掃除するように
まるで無表情で淡々と物事を処理するように
僕らの気持ちを無視しないで

僕らを!

僕らをモノ扱いしないで!!


タイトルへ


+++ たったそれだけの幸せを +++

ふかいふかい闇の中に
複雑で苦しい思いが溜まっていて
それは底のほうへいくほど凝縮されている

絞られた蜜柑のように
一番底からぽたりと落ちた雫は
心の湖に落ちて、まるい波紋を描いた

静かになった心は
そんなに多くを望まない
今はただ、ただ平穏を願う

たくさんの困難を経て
悲しい争いを経て
心は傷つき、涙は流れ
諦めきれない思いと胸を締めつける切なさが
心の奥のほうで淋しく響いている

そんなに多くを望まない
今はただ、ただ平穏を願う
たったそれだけの幸せを切に願う


タイトルへ


+++ 明日 +++

急に冷たくなってきた風が
落ち葉を道路の脇のほうへ運んでいる
僕はそれを眺めながら
これからのことなんか少し考えていた

僕らのことはお構いなしに
地球はまた朝を迎えていくから
取り残されたみたいな寂しさを秘めて
日常をやり過ごしているみたいだ

世界中の誰もが幸せを望んでるだろうけど
作り話みたいにはうまくいかないや
ハッピーエンドはこっちを向いてくれてるかな

どれだけの愛で満たされていたって
きっと心のどこかに寂しさを抱えているから
人は誰も孤独なまま
平和な日々の訪れを願って
明日をじっと見つめているまなざし

あの風が運ぶいろいろなものの中には
僕らの幸せもあるのかなぁ
肌に感じる風が優しく感じられたなら
この努力も報われる気がする

どんなに理不尽な出来事も
少しずつ積もってくストレスも
地球が朝を連れてきてくれるなら
朝日は霧を晴らすかもしれない
心の奥はずきずきとしているけれど
優しい光が届くといいな
君のところにも届くといいな


タイトルへ


+++ 小鳥が飛び去った +++

その小鳥は高い木の上から
いろいろなものを見ていた
風に揺れる草木、流れる雲と
遠くのほうに見える山脈の形

人は争い、武器を取る

小鳥は大きな銃の音に飛び去って
空の上から人々を見ていた
その光景を

小鳥は高い空を飛びながら
いろいろなものを見ていた
美しい森と、荒れ果てた大地
互いに寄り添ういきもの達
きらきら輝く湖

悲しむ人々の姿は
とてもつらそうだった
当たり前の幸せほど
簡単には手に入らない
流れた涙は光を反射して
小鳥のところまで届いた
小鳥はそれを遠く空の上から見ていた

小鳥は遠く離れた群れに戻ると
ようやく安心して
目を瞑って一息をついた

いのちは歌をうたう

雲は流れて、風は吹く

光は挿して、鳥は飛ぶ

人は争い、武器を取る

いのちは歌をうたう


タイトルへ


+++ 落ち着ける場所 +++

平凡な幸せでいい
静かな暮らしでいい
心の落ち着ける居場所を
わたしは願う


タイトルへ

POEMS

TOP