全てが優しい笑顔に満ちて



+++ 下校途中 +++

夕方ごろの時刻に外に出ると
ちょうど小学生たちが下校をしていた
信号を挟んで道路のあちら側とこちら側に
男の子と女の子がふたり

信号はまだ赤のままで
女の子がもどかしそうにそれを見つめている
足をばたばたじだんだ

男の子が両手で手招きをしていて
信号がようやく青に変わったから
女の子は男の子のところへ駆け寄った
何十秒ぶり 運命の再会

ふたりはこれ以上ない笑顔でにっこりと笑うと
しっかり互いの手を繋いで
胸を張ってとことこ歩き出した
遮るものはなにもない、ってくらいに

ふたりの屈託のない笑顔があまりに素敵で
こちらまで思わずにっこりしたよ
ああもうなんて可愛いんだろう!
心の中が驚くほど明るく照らされた
そんな光景でした

タイトルへ

+++ ナナホシテントウ +++

楽しいことがあると君に話したくなる
嬉しい気持ちは君と分け合いたくなる

何気なく見た空が綺麗だったり
そよ風が気持ちよかったり
道端でてんとう虫を見つけたりして
心がワクワクしたときは
いつも頭の中に君の顔が浮かんでくるんだよ
そういうとき
やっぱり君のこと好きなんだなぁって思う

帰り道にあったかい肉まん買って
ふたりで半分こして分け合うみたいに
幸せな瞬間はどんなことでも
君と一緒に感じていたいなぁって思う

あのナナホシテントウ可愛かっただろ?
だから君に見せたかったんだ

タイトルへ

+++ えんぴつの精 +++

シャープペンのほうが便利だけど
柔らかい線が出るからと
君はえんぴつを好んで使う

僕はえんぴつの精 君の想いを綴る
大事な授業の内容も 端っこのらくがきも

先が丸くなっても 削れば元通り
ほら新しい気持ちになれるんだ

お気に入りのかわいいメモ帳
君はとても真剣な顔をして
大好きなあの人に手紙を書いているの
頑張れよ 綺麗に書けよ もし書き間違っても
消しゴムがあれば書き直せるから

あれこれ頭を悩ませ何度も試し書きして
夕日が横顔を照らす頃やっと完成したらしい
ちゃんと勇気を出して渡してくるんだぜ

放課後廊下 どきどきの行方
ふたりはとても幸せそうに手を繋いだ
なんて嬉しそうな君の顔
あぁ本当は少し不安だったけれど
僕まで報われた気がするよ

ふと気づいたら いつの間にか
僕の体はずいぶん短くなって
もうあと少ししか書けないみたいだ

僕はえんぴつの精 君のえんぴつに宿る
ひとつ役目を終えたなら
もうこのえんぴつには住めない

あれ そんなに悲しい顔をするなよ
君の力になれたから 僕は本望だよ
えんぴつは使えば減るものさ
減るから文字が書けるんだ
ねぇ 素敵な手紙を書けただろ
君の想いが報われて 本当に良かったよ

もうあと何文字も書けないけど
新しいえんぴつを削れば 僕はまた宿るよ
短くなってしまったえんぴつは
出来るなら最後まで使っておくれ
残りの人生を君と楽しく過ごしたいから

僕はえんぴつの精 君の想いを綴る
大事な授業の内容も 端っこのらくがきも

僕はえんぴつの精

タイトルへ

+++ 冬の日 +++

急に強く吹いた風でさらさらに降り積もった
たくさんの粉雪がわっと高く舞い
一瞬まるで深い霧の中に入った時のように
目の前が真っ白になって私を包んだ

目の前のさわさわした雪はすぐに落ち着き
相変わらず控えめに降り続く空からの雪が
薄いシルクのカーテンとして
私と遠くの景色との間にかかっている

肌に当った冷たい雪の感触がじんじんと残り
冬の寒さに思いを馳せると
心の中に大切な人の顔が浮かんだ
今は遠くにいてすぐには会えない大切な人
寒さの中でどうしているだろうかと

向こうのほうに雲が途切れて
少しだけ光が射しているのが見えたから
その人に届くようにと願った 冬の日

タイトルへ

+++ あの雲の行方 +++

空に浮かんでいるあのかわいい雲たちは
風が吹けばゆらゆらと流れていきます
晴れた日なら消えていくようにも見えますが
本当はそうじゃありません
ただ、お散歩に行ってるだけなのです

ひとつ雲を見失ったら
さてどこかへ出かけたようですよ
遠くの海を見に行ったのかもしれません
あるいは南国へリゾートに行ったかも

ゆらゆらしているのです
太陽に照らされて美しい雲たちは
にっこりと穏やかに微笑みながら
風を浴びているのです

気づいたらまたあなたの上空から
ほら、見守っていますよ
あたたかく見守っています

それはそれは優しい雲たちなのです

タイトルへ

+++ およそ完璧で美しい弧を描いて +++

風に舞うたんぽぽの綿毛が
やがて一体どこに降り立つのかを
ぼくらは知らない

人はきっと出逢うだろう
時にはそよ風の
時には吹き荒れる強風の中で
たどり着き めぐり逢う

思い通りにならないことだってある
けれど
まるで運命に吸い寄せられるかのように
およそ完璧で美しい弧を描いて
その場所に降り立つこともあるのだ

後になって初めてそれと知る
目を閉じていろんな思いを抱きしめる

きみが好きだよ
素直な気持ちが溢れてくる
大切だから大切にしたい
とても単純で素直な気持ち

光の中きみと手を繋いでいたい
くだらない話できみを笑わせたい
ふたりいつも笑顔で
相手に多くを求めず
難しい悩みなら一緒に立ち向かって
ずっと一緒に歩いていきたい
そんな単純な幸せを君と感じていたい

風に舞うたんぽぽの綿毛が
やがて一体どこに降り立つのかを
ぼくらは知らない

出逢いはいつも必然で
けれどもぼくらは知らなくて
それが持つ意味なんて分からない
出逢いはすべて奇跡のようで
あるいはまるで空気のようで
たぶん後になって初めてそれと知る

きみが好きだよ
目を閉じて大切な思いを抱きしめる

タイトルへ

+++ 誇らしいカメ +++

カメが
のっそのっそと歩いている

何とものんきな無表情で
のっそのっそと歩いている

ぼくらはいつも焦ったりして
足もばたばたさせていますので
そのカメさんを見て
微笑ましくも
あるいは立派に思ったりもします

カメが
のっそのっそと歩いている
相変わらず無表情で歩いている

その無表情をじいっと見つめていたら
いつの間にか
意外と長い距離を進んでいたりして
びっくりしたんです

おぉ お前やるじゃん!

その独り言を
道行く人に聞かれてしまいまして
ちょっと恥ずかしかったんです

でも

そのカメのことを誇らしく思ったので
いいです(笑)

タイトルへ

+++ Peaceful +++

とても慌しい仕事の毎日で
休みもなく働いて
疲れて帰ってきた部屋の中には
君がいてほしい

君との何気ない会話だけで
どんなに幸せだろうなって
今日はそんなことを思ったんだ

 
タイトルへ

+++ 無邪気な笑顔 +++

車を運転してて、信号待ちで停車したらさ、
前にいた軽自動車の後部座席から
5歳か6歳くらいの女の子が
こっちを向いてひょっこり顔を出した

何か嬉しいことがあったのか
すごく上機嫌でニコニコ笑っているからさ、

ふと、こっちもにっこり微笑んでみた
笑顔をくれたことへのお礼をするように
そしたらさ、「わぁ」っていう感じで
その子、すごく嬉しそうに笑ったんだよ
それはそれは無邪気な笑顔で
めちゃめちゃ可愛いの

そしたらその子の隣の席から
もうひとり小さい女の子が顔を出してきて
たぶん妹かな、って思いながら
さっきと同じように微笑みかけると
また、すごく嬉しそうに笑った
横にいるお姉ちゃんと目を見合わせたりして
すごく嬉しそうにしてさ、

今度は2人して手なんか振っていたから
こっちも手を振り返したら
これ以上ないってくらいの笑顔で
はしゃいで喜んでた

ときどき後ろを振り向いて
嬉しそうにママに話しかけたりしてるのが
無性に可愛く思えたりしてさ、
どんなこと話してんのかなって思いながら
一緒に手を振って
ぼくらはニコニコ、ニコニコと笑い合った

しばらくすると信号が青になって
車は発進してしまったから
その後の様子は分からなかったけれど

その日は一日中
心の中がさわやかだったよ
子供って本当に可愛いもんだなぁって
もーホント心の底からそう思って
ずっとニコニコしてた

タイトルへ

+++ 願い +++

みんな幸せになれるといいな

大変なこともたくさんある世界だけど
ぬくもりは忘れない
人知れず流れる涙があるなら
そっと拭いてあげられるように

輝く笑顔は誰を幸せにしますか
自分の笑顔が他の誰かを笑顔できたなら
素敵なことだと思った

ねぇ
つらい気持ちのときもあるよね
ひとりで苦しみ続けるのは大変だから
そっと心に閉まって
誰かの痛みを分かってあげるときのために

幸せになって欲しい人は誰ですか
頭に思い浮かべてみて
自分にとって大切な人達のこと
指折り数えていったら もしかして
数え切れなくなってしまうかもしれないね

恋人も 友達も 家族も
遠い記憶の人も 空から見ていてくれる人も
隣の人 道行く人
地球の裏側で暮らしているたくさんの人まで

みんな幸せになれるといいな
全てが優しい笑顔に満ちて

みんなみんな幸せになれるといいな

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