しあわせなおとがする



+++ 星に包まれる夜に +++

きっと星達は「いないいないばあ」をしているのだと思う
すこし曇りの日が続いていたけれど
今日は満面の笑みできらきらしていた

疲れてしまった私を笑わせようとする夜空の星達は
まるで親心のようなものなのだろう
毎晩なにかと気にかけてくれているような気がする
その輝きは確かに美しく
悔しいけれど文句のつけようがなかった

ここのところずっと元気がなかったのだけど
ちょっと癒された
大切な人に見せたいと思った

しんとした音も心地よい

優しい気持ちを忘れがちになることは
日常の中で仕方がないことなのかもしれない
それでもはっとして気づかせてくれた星達の笑みは
とても綺麗だった

星に包まれる夜に私は空を見上げていた
すこし考え事をしながら
たくさんの優しい星達を見つめた
束の間だけゆっくりした時間を過ごすと

「ん、ありがとう」

ぽつりとそう言って家の中に入ったのだった

タイトルへ

+++ たまごのなかには +++

耳をすますと
しあわせなおとがする

たまごをひとつ割ったら
妖精がでてきて
ソーダ味のあめだまをくれた

たまごのなかには
夢がつまっているにちがいない

ペンギンが新聞をよんでいるので
負けずにコーヒーをのんでみたら
にがかった

子供のころの世界

小鳥のせなかにのって
じょうろで
すきなところに虹をかけていた

目をとじると
しあわせなものが見える
むかしがよみがえる

耳をすますと
どこからか
しあわせなおとがする

のらいぬと話すのが得意だったけど
いまはもう話せなくなったから
勝手にあいさつしたりしている

たまごのなかには
きっと
夢がつまっているにちがいない

いまでもそう思ってる

タイトルへ

+++ 幸せは過去との対比 +++

幸せは過去との対比
今はもう薄れてしまった記憶の中の
ときどき訪れる懐かしい感情と
今も感じ続けている切ない気持ち

いまの幸福を抱きしめられていますか
頭では大切にしたいと分かっていても
何故か心がぼんやりしてしまう

甘やかされて育った子供とか
何の苦労もなく過ごしてきた人は
きっと幸せが降り注いでも
あんまり幸せを感じられないのだろう
心の底を締めつけられるような
時に痛く感じてしまう程の強い感情までは
それは不幸なようで恵まれているようで
良い・悪いは分からないけれど

あのとき幸せだったことを思い出して
感じるいまの不幸は
それほど幸せだとは思ってはいなかった
むかしの自分を歯がゆく思うほど
幸せの記憶を苦しいくらい甦らせてしまう
今はもう決して戻らない時間

いつかの苦しかったことを思い出して
感じられるいまの幸せは
たくさん傷ついたあなただから分かる
絶望を知っている心だから分かる
辛かったし 苦しかったよな
あなただから本当の幸せが分かる

いまの幸福を抱きしめられていますか
大切にしたいことを大切に思うことは
不思議と難しい

幸せは過去との対比
たくさん傷ついた過去の記憶は
いまを幸せに感じられるために
たくさん傷ついてしまういまの記憶は
きっと未来を幸せに感じられるために

幸せは過去との対比
あのときの記憶は
たぶんこの先もずっと

タイトルへ

+++ 鈴の音 +++

わたしは長い間
目を閉じていたのでした

ずっと長い間
気が遠くなるほどの時間
目を閉じていたのでした

それは何故?

何を見たくなかったわけでもなく
何を見たかったわけでもなく
なぜだか分からないけれど
目を閉じていたのでした

あまり心地よい時間ではなかったけれど
心は静かになっていたのです

そしてわたしは

"音"に気づくのでありました

シャンシャン
鈴の音
すてきな音色

きっとそれは
目を閉じていたから聞こえたのでしょう

シャンシャン
鈴の音
すてきな音色

体の中に
心の中に
すうっと染み込んだ

そして何かを思い出したように
ようやくをもって
この目は開かれるのです

タイトルへ

+++ 未来を願うためのしるし +++

きみはまだ見ぬ日々をどう想像するだろう

壊れやすくて優しい心と
不安でいっぱいの気持ちの中で

あまい愛の永遠を願えば
その幸せが嬉しくて苦しくて
なぜか 苦しくて

いやな想像がよぎるときは

切なくなるけど

まだ見ぬ日々のふたりは
手を繋いで
きっと温もりの中にいるよと
強い眼差しで見つめている

手のひらに伝わる温度が
ふたりでいられる"しるし"だと
ずっと信じていられるように

抱きしめ合って伝わる鼓動
ふたりを繋ぐ音が
とくん、とくんと
静けさの中で響いているなら
そこにある幸せはふたりだけのもので
誰にも邪魔されない

きみはまだ見ぬ日々をどう想像するだろう
いやな想像がよぎるときは

切なくなるけど

互いの存在を確かめるように
ぎゅっと抱きしめる
強く

ふたりを繋ぐ音が
静けさの中

ゆっくりと響く

タイトルへ

+++ いつか +++

すごく遠くに見える
だけど確かに続いてる
手を伸ばしても 今はまだ
届かないかもしれないけれど
いつか いつか

空の上から
流れる雲がぼくらを見ている
おおきな理不尽が街を覆って
空は涙を流した

大切にしていたもの
失ってしまっても
つらい涙を流した後で
ねぇ きっと見つけられるよ
失わなかったもの
大切にしたいもの

みんながついているよ
ぼくらがついているから
混乱の中
すぐには届かないかもしれないけど
きみを笑顔にする光
たくさんの思いを乗せて
きみに手渡せますように

いつか
どんな嬉しいことがあるだろう
どんな楽しいことをしよう
未来へ向けたイメージは
きっときみを待っているから

すごく遠くに見える
だけど確かに続いてる
手を伸ばしても 今はまだ
届かないかもしれないけど
希望の光
いつか いつか
きみのもとへ

いつか いつか
きっときみを待っているから

タイトルへ

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