アイドル伝説えり子
(1989年4月3日〜1990年3月26日・全51話 / TV放送)


〜「アイドル伝説えり子」 登場キャラクター紹介〜
 前項に続き、ここからは「えり子」の主な登場人物の紹介に移ります。

田村えり子
 本編の主人公。芸能プロの社長・田村雄介と元人気歌手・美奈子の間に生まれた一粒種で、血の為せる業なのか 類稀な人をひきつける力と天性の歌唱力を持っている。
 性格はおおらかで、どちらかというと楽天家。裕福な家庭で何不自由なく育ったせいか、お嬢様気質が抜けない場面が見受けられるが、 数々の苦難を乗り越え、そして何よりも自分と正反対の境遇を過ごしてきたライバル・朝霧麗との出会いを経て、人間的にたくましく 成長を遂げていく。
朝霧麗
 えり子の最大のライバルとなる、人気・実力を兼ね備えた女性ロックシンガー。えり子の父である田村雄介に素質を見出され、 不断の努力の末に現在の地位へと上り詰めた。他者に厳しく、それ以上に自らに厳しいが、本当は心優しい女性。
 両親を知らずに成長したため、雄介の中に父親を見ていた。それだけに実子の田村えり子に対しては、素質を認めながらも強い ライバル意識を持っている。彼女の出生に関しては隠された秘密があるらしいのだが…。
田村項介
 田村えり子の伯父で、雄介の兄にあたる(とは思えないほど顔は似ていないが…)。第2クール目までにおける、影の主人公とでも 呼ぶべき人物。
 当初は弟の経営する田村プロの専務として働かせてもらっており、人徳家だった雄介と比較して愚兄賢弟と蔑まれていた。 その反動からか、雄介の死後は強引な方法を使って田村プロの実権を掌握し、姪・えり子を破滅させようと事あるごとに魔手を伸ばしてくる。 朝霧麗の母親・良子とは浅からぬ因縁があるようだが…。
内田真也
 内田プロダクション社長。田村雄介とは古くからの親友で、えり子も内田の伯父様と呼んで親しんでいた。一樹という一人息子がいる。 性格は温厚で、少し甘さが見られなくもない。
 えり子の持つ歌手としての天性の才能にほれ込み、田村項介の罠に陥りかけている彼女を救うため、自分のプロダクションに引き抜いて 歌の道へと導いた。えり子の最大の支援者といっていい人物である。
阿木星吾
 ロックバンド「STEEL」のリードヴォーカル。甘いマスクの持ち主ということで当然のように女性ファンが多く、プレイボーイな性格を している。だが、歌手としての才能は本物で、派手な言動とは裏腹に歌に取り組む姿は非常に真摯である。
 朝霧麗とはシンガーとして互いに認め合っており、男女の仲にまで発展しているようなところを匂わせているが真実ははっきりとしていない。 えり子の初恋の相手でもあるようだ。
大沢洋
 朝霧麗の母・朝霧良子によって見出された謎のシンガー。サックスを片手に歌いまくるという謎のパフォーマンスもさることながら、 野生の雄たけびをベースにした歌唱はえり子や麗のそれを遥かに凌駕するもので、オーラを漂わせながら聴く者を 圧倒する迫力のステージで魅せる。
 放浪癖のある人物らしく、良子に従っているのも面白そうだからというだけの理由による。また、動物とコミュニケーションをとる才能が あるようだ。
アーサー・ハワード
 世界に名を轟かせる大物プロデューサーで、第3クール目の最重要人物とでもいうべき存在。
 革新的なミュージカル「ロックンルーツ」の開催を計画し、その主演女優候補を探そうと世界中を廻る。日本を訪れた際にそこで出会った、 えり子と麗の中に才能のきらめきを見出した。
 初登場シーンのインパクトが強烈で、変な人という印象が強い。
中田靖子
 えり子の助力者の一人。えり子とは聖愛女学院の先輩後輩という間柄。元水泳部のキャプテン。大金持ちのお嬢様でありながら、普段の 言動はかなり粗暴。竹を割ったような性格で、困った人間を目の前にすると手を差し伸べずにはおれない、まさに姉御肌の人物である。
 無類のバイク好きで、ライダースーツ姿でいることが多い。また格闘技にも優れており、テコンドーの腕前は本場仕込みらしい。




〜「アイドル伝説えり子」 必見エピソード紹介〜
 それでは、以下から「アイドル伝説えり子」の必見エピソードを紹介していきたいと思います。


第1話 「悲しみの前奏曲」
第2話 「運命の序曲」
第3話 「パパに捧げる鎮魂歌」

〜あらすじ〜
 聖愛女学院の中学部に通う田村えり子は、芸能プロダクションの社長である父・雄介と母・美奈子の愛情を一身に受けて、何不自由なく 育った少女でした。
 そんな彼女が中学三年生となる年、雄介は田村プロをあげての一大イベントとして海上フロート型の巨大複合施設・マリンライブステージを 完成させました。新たなる田村プロの飛躍を喜ぶえり子。ところが、そのオープニングコンサート開催の前夜、突如として悲劇が田村家を襲います。

マリンライブステージ
 なんと祝賀パーティ会場へ向かう途中、雄介夫妻の乗った車は交叉点でトラックと正面衝突し、雄介は即死、美奈子は意識不明の重態となって しまったのです。たった一人残される形となり、悲嘆に暮れるえり子。しかし、これは悲劇の序曲にすぎませんでした。

 翌週、雄介の喪が明けると伯父・項介は様々なあくどい手段を駆使して田村プロの乗っ取りを図ります。と同時に、項介は主を失った雄介宅へと 乗り込み、えり子をひたすら苛め抜こうと画策するのでした。
 数日後、亡き雄介の追悼という意味も込めてマリンライブステージでのオープニングコンサートが開催されることになりました。 ところが運命の女神はどこまで非情なのか、 会場内は大パニックに陥ってしまいました。
 このままではオープニングコンサートが滅茶苦茶になってしまう。えり子は父の夢だったオープニングコンサートだけは成功させようと、無人の ステージに向かい、かつて母親の美奈子が歌っていた大ヒット曲「涙の半分」を熱唱するのでした。
 彼女の堂々としたステージパフォーマンス、そしてなにより抜群の歌唱センスは人々の心を引き付け、奇跡的にもパニックは沈静化したのでした。

「涙の半分」を熱唱
 ところが、なんという運命の皮肉でしょう、この出来事が項介の野望に火を点けてしまったのです。項介はえり子の才能を利用するべく、 独断で彼女を田村プロの歌手としてデビューさせようと企むのでした。はたして、えり子の運命はいかに…。


〜ちょっと一言二言〜
 まさに波乱の幕開けと形容するに相応しいオープニングの3話です。幸せの絶頂からどん底への転落、そして次々と襲い掛かる悲劇の嵐。 これほど怒涛の展開をわずか3話の間に詰め込んでいるため物語の密度は半端なものではなく、とにかくスタッフの意気込みに圧倒されて しまいます。
 また、先にも書いたように「えり子」の特徴にド派手(というかクドい)演出がありまして、その片鱗が第1話の、それも序盤から炸裂しています。 それが、えり子と麗が初めて顔を合わせるシーン。
 えり子がプロ歌手である麗の、背筋も凍らんばかりの視線に射すくめられた直後に、

「運命の稲妻が走り、波乱の幕開けを告げる!」

 と気合の入ったナレーションがかぶさって…


 と、本当に稲妻を走らせてしまう、このセンス!
 これです。これこそが「えり子」の醍醐味の一つなのです。

 冷静に見ると項介の行動がいくらなんでも非現実的すぎて、そのあたりで引いてしまう人もいるかもしれません。ですが、それを強引に 押し切ってしまうスタッフの気迫のみなぎる内容で、一見の価値があると思います。



 次項でも、「えり子」の必見エピソードを紹介していこうと思います。



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