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魔法のルージュ りっぷ☆すてぃっく (1985年 / OVA) | |
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〜エロと魔女っ子アニメの出会い〜 1980年代にOVAが登場したことによってアニメ界は大きな変革を遂げました。ビデオ産業という新たなアニメ市場の確立したこと、 趣味丸出しのマニア向け作品が登場したこと、などなど様々な影響がありましたが、中でも特に大きかったのは”美少女アニメ”…要するに エロアニメが登場したことではないかと個人的には思います。 人間の基本的な欲望の中に色欲が含まれているわけでして、地上波放送に比べて規制の緩い自由なメディアであるOVAという受け皿が登場すれば、 そこにエロの波が押し寄せてくるのも当然といえば当然の話です。どうのこうのと言われても、結局のところアニメ市場というものは男性メインな わけですから。 データを調べてみると、最初のエロOVAとされているワンダーキッズ・ブランドの「ロリータアニメ1・雪の紅化粧/少女薔薇刑」が 登場したのが1984年2月のことでした。なんと史上初のOVA「ダロス」(1983年12月)の発売からわずかに三ヶ月後のことで、OVA史の初期も初期、 黎明期といってよい段階からエロアニメというものが存在していたことになります。これだけでも、いかにエロアニメの需要があったか ということが分かるのではないでしょうか。 そして同年の8月に「くりぃむレモン」シリーズ第1弾「媚・妹・Baby」が登場することに よってエロアニメは第一の黄金期を迎えるわけですが、この話はまた別の機会にでも。 ところで、アニメを見ている男性の欲望の対象となるのは、一般に十代の美少女だと思います(コアな趣味の人もいるでしょうが、全体のパーセントから いうと微々たるものと思われますので無視します)。となると、以前から十代の女の子を主役としていた魔女っ子アニメとエロが結びつくのは非常に 自然な流れと言えるでしょう。 | ![]() ![]() ![]()
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いや、そもそも従来の、本来は少女向けとして作られていたはずの魔女っ子アニメでも 「魔女っ子メグちゃん」
の時代からエロティックな要素がふんだんに盛り込まれていたわけで、むしろ両者が結びつかない方がおかしいとすら言えるかもしれません。 そんな魔女っ子+エロというジャンルで、最初期の作品として登場したのが「魔法のルージュ りっぷ☆すてぃっく」(以下「りっぷすてぃっく」)でした。 白夜書房がら発売された「りっぷすてぃっく」は、「AWAKE」の中心メンバーが参加する形で制作された作品だったようです。「AWAKE」とは、あさりよしとお氏、 森野うさぎ氏などの漫画家によって結成されたスタジオ・アオークの手による自主制作アニメの名称。1984年の特撮大会のオープニングアニメとして上映され、 ビデオ販売もされていました。 このあたりの状況は、今や伝説として語られる「DAICON」のオープニングフィルムに近いものだったのだと思われますが、それほど筆者も詳しくないので 専門に取り扱っているサイトなどを参照してくださいませ。 それはそれとして。 上記したような経緯によって制作されたためでしょうか、「りっぷすてぃっく」は当時のいわゆるオタクたちが妄想を炸裂させたエロアニメです。 ですから、悪い言い方をすれば最近のコミケで売られているエロ同人誌のような内容のもので、物語に中身などあろうはずもございません。 それでも内容が知りたいという方のために、文字反転して簡単にあらすじを紹介しておきましょう(言うまでもなく18禁な内容なので、そういうのに 嫌悪感を抱かれる方はご注意くださいませ)。 〜あらすじ〜 姫野由魔は南中学校に通う女の子。 隣に住んでいる憧れの”お兄ちゃん”に会うため、その日もそっと部屋を覗いてみたところ…なんと、他の女性とくんずほぐれつしているではありませんか! 子供のわたしなんか、お兄ちゃんは気にも留めてくれない。 早く大人になって、お兄ちゃんに振り向いて欲しい! そんなことを願いながら黄昏ていると、由魔の目の前に一匹のブタが姿を現しました。ブタは宇宙を股にかけるセールスマンなのですが、 売上が悪くて行き倒れになっていたのです。ブタを介抱してあげた由魔は、そのお礼として嫌がるブタから無理矢理、一本のルージュを 強奪してしまいます。 家に帰ってルージュを出してみると、不思議や不思議、そこから謎の生命体が登場したではありませんか。そして、謎の生命体=ルージュの精の話 によると、唇にルージュを引くと大人に変身できるらしいのです。言われたようにルージュを塗ってみると…はたして、由魔は本当に大人の女性に 変身してしまったのでした。 これで、お兄ちゃんとセ〇クスができる! 由魔は喜び勇んで、お兄ちゃんのいるディスコへと向かいます。そして数々の死闘を演じた末、やっと由魔はお兄ちゃんを勝ち取ったのです。 こうしてドキドキな緊張の中、ついに由魔はお兄ちゃんと結ばれました。お兄ちゃんのテクに悶絶させられて、とうとう由魔は絶頂を迎え…たと 思いきや。なんとなんと、突然に由魔の魔法が解けて元に戻ってしまいました。 なんで、どーしてー! 困惑する由魔の前に、再びルージュの精が現れて言いました。由魔にかけられた変身魔法は、彼女の感情が上り詰めると解けてしまうのだ、と。 つまり、由魔は大人に変身してもイケない体なのでした。 オシマイオシマイ。 …とまあ、こんなところです。 現在の目で見ると、モロに当時を感じさせる絵柄が逆に面白いものです。また、途中で無意味にバイクや戦車、果てはパワードスーツまで登場してしまう あたりは、いかにも80年代オタクパワー全開(まあ、無意味にメカが出てくるのは今も変わりないような気もしますが)アニメといったところでしょうか。 単体としてみると、作画レベルに極端なバラつきがあること、エロを入れねばならないせいでストーリー性が皆無であるなどの問題点はありますが、 それでも「りっぷすてぃっく」は魔女っ子アニメの歴史における一つのマイルストーンとして記憶しておくべき存在なのではないでしょうか。 それにテーマソング「魔法!口紅ルージュマジック」は名曲(これは本当に良い歌!)ですしね。 追記1: 設定の上では、魔法のルージュは大人に変身するだけでなく、それを使って絵を描くと実体化するという力があったようです。しかし、作中の 由魔は絵が苦手ということで、その力が披露されることはありませんでした。 ところで…この設定って某魔女っ子アニメに似ていると思いませんか? 追記2: 最後にエンディングに記載されている主なスタッフを記しておきます。 原案:大塚某 キャラクターデザイン:森野うさぎ、悶悶 メカニックデザイン:久留間慎一、白亜紀子 チーフプロデューサー:童子郎 プロデューサー:くあTERO 作画監督:森野某 作監補佐:居郷留 オープニングアニメ作画:有紀佳、ゼータひろくん 絵コンテ:I.N.U. 原画:氷枕寝太郎、有紀佳、本谷利明、スタジオ王破綻、スタジオライス 絵コンテ:森日高 演出:童子郎 動画:スラジオごま味 原案の大塚某は大塚英志氏。 オープニング絵コンテのI.N.U.は漫画家の豊島ゆーさく氏。 原画の有紀佳は結城信輝氏。本谷利明はSS版「グランディア」の監督や「AKIRA」に参加された本谷氏でしょう。 また、原画では田村英樹氏(「マシンロボ クロノスの大逆襲」、ゲーム「コットン」など)も参加されていたそうです。 他にも動画で、あの青野厚司氏(「名探偵コナン」、「マクロスプラス」など)が参加されていたとか…。 | |