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魔法のプリンセス ミンキーモモ (第1期目) (1982年3月18日〜1983年5月26日・全63話 / TV放送) 〜「魔法のプリンセス ミンキーモモ」 の必見エピソード〜 前項で大まかな「魔女っ子メグちゃん」(以下「メグ」)のあらすじを紹介しましたが、ここでは 物語の始まりと終わり、つまり初回と最終回のストーリーをもう少し深く突っ込んでご紹介してみたいと思います。 第8話 「婦人警官ってつらいのネ」 〜あらすじ〜 ある日、モモの元へ差出人不明の手紙が届きました。その手紙を読み進めていくうち、モモは驚きの表情をあらわにします。 なんと、それはモモへのラブレターだったのです。手紙の文面には、午後3時に公園で待っていると書かれていました。 | |
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足取りも軽く待ち合わせ場所へと向かうモモ。ところがその途中、車の往来が激しい道路を早く渡るために交通整理をしよう
と婦人警官に変身してしまったのが運のつき。新米婦警のマリーに見つかって強引にパトカーに乗せられてしまい、その後は
車泥棒の現場に鉢合わせてしまうは、しがない空き巣泥棒(実は怪盗ルピン)の現行犯を見てしまうは、さらには銀行強盗が
発生するはと、なぜか婦警モモの行く先々に事件が発生するのでした。 | ![]() 空き巣を見てしまう |
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一方、お供の3匹たちがモモのデートを邪魔しようとして先回りしたところ、なぜか公園では2組のギャング団が縄張り争いの 決着をつけようとして大運動会を開催しているのでした。そこに若者のグループがやってきます。彼らはモモにラブレターを 出した張本人で、手紙に乗せられてノコノコ出てきた女の子を笑いの種にしようとしていたのでした。怒ったシンドブックは 若者に体当たりすると、それがギャングの運動会の邪魔となってしまい、公園は大乱闘の劇場と化してしまいました。 | |
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ようやく公園へ到着したモモはお供の3匹が乱闘に巻き込まれているのを見てまたもや婦人警官に変身し、騒ぎを止めようと
するのですが、なぜか新米婦警マリーが、車泥棒の犯人が、怪盗ルピンまでもが参加して大混乱に拍車がかかる結果となるのでした。 そんな中、若者の隠し持っていたラブレターをモモは見つけてしまいます。全てを知って怒り心頭となったモモは若者を 引っ叩いて説教をするのですが、その気持ちは晴れることなく、心に傷を負ってしまうのでした。 | ![]() 怒りのモモ! |
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〜ちょっと一言二言〜 湯山総監督自身も 「あれで一気にいった」 と語っているように、この第8話こそが「モモ」の方向性を決定付けた回でしょう。 一般にマニアが「モモ」に注目するようになったのは、これが放送されてからだと言われています。 冒頭のラブレターを読むシーンからして、驚くモモの手前に花を置くというカット、「ついに来るべきものが来たんだわ!」と 力を入れて語るモモに派手な透過光による陽光をかぶせる…など、明らかに過剰な演出をギャグとして利用しており(ここの シーンは、本当に必見です)、従来の魔女っ子アニメとは一線を画す内容となっています。 第31話 「よみがえった伝説」 〜あらすじ〜 太平洋に浮かぶ孤島ホレホレ島には、古くから伝わる物語がありました。それは、島の住民が危機に陥ったとき、3匹の動物を 引き連れた女の子が現れて人々を救ってくれる、というものでした。それを記念して、島の高台には彼らの石像が建てられたの ですが、なぜかそれはモモと3匹のお供にソックリの姿をしていたのです。 さて、そんなホレホレ島に魔の手を伸ばす者がいました。その名は、悪人・スルメッチ。彼らはホレホレ島を買収して 自分たちの基地を建設しようとしていましたが、住民が買収に応じないと知るや、潜水艦を使って砲撃を始めたのでした。 ちょうどその頃、石像の謎を調べようとモモたちがホレホレ島を訪れていました。その姿を見た島の住民はモモたちが伝説の 石像と瓜二つであることに気付き、島を救って欲しいと頼みます。モモはその願いを聞き入れ、魔法を使って砲撃を防いで しまうのでした。 | |
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その様子を見たスルメッチは潜水艦を巨大メカ・ゴッドスルメッチに変形、それに搭乗して攻撃してくるのでした。
さすがのモモの魔法もゴッドスルメッチにはかないません。危うし、モモ! と、そのとき伝説の石像に異変が起き、中から4機のメカが出現したではありませんか。モモたちはメカにフェード・インして 巨大メカ・ミンキナーサへと合身。必殺武器ミンキーソードによってゴッドスルメッチの破壊に成功したのでした。 | ![]() これぞミンキナーサ! |
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ところで、どうして石像がモモたちに似ていたのかというと…実は、この石像のモデルはモモの母親、つまりフェナリナーサ
王妃だったのです。かつて、彼女も人々に夢を与えるために活躍していたのでした。 〜ちょっと一言二言(全然一言になってませんが…)〜 第1期目「モモ」の中で一番キレている話はどれかというアンケートをとった場合、おそらくこの31話がトップに輝くの ではないでしょうか。第30話での次回予告のときから飛ばしまくっていまして、ぜひこれも知っておくべきだと思いますので 以下に引用してみます。 | |
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第30話次回予告 ついに出た、南海の孤島に眠る伝説の巨大メカ・ミンキナーサ。 そして、今明かされるフェナリナーサの王妃の過去。 モチャ、ピピル、シンドブック! 発進だ! 合身ゴーッ! 次回、「戦国魔神!」 …じゃなかった。 「魔法のプリンセス ミンキーモモ」 ”よみがえった伝説”。 そこらのロボットものには負けないぞ。 なにやらワクワクドキドキで、See you again!…なんちゃって。 い〜んですか、こんなこと言っちゃってぇ…? |
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ご存じない方のために解説しますと、要するにこの話は「モモ」の主要スタッフが携わっていたロボットアニメ「戦国魔神
ゴーショーグン」のセルフパロディとなっていまして、これがまた恐ろしいことにミンキナーサの合身シーンで
「ゴーショーグン」のBGMをまんま流してしまう という暴挙にまで及んでいます。 これはモモ役の小山茉美氏が「ゴーショーグン」のヒロインであるレミー島田を演じられていたことにも引っ掛けていて、 上掲の次回予告にある「See you again!」という部分は、小山氏が「ゴーショーグン」の次回予告を担当したときに最後に つけていた決まり文句だったりするわけです。だからこそ、小山氏も「い〜んですか、こんなこと言っちゃってぇ…?」と 思わず洩らしてしまったわけなのでしょう。(ちなみに「合身ゴーッ!」というのも、「ゴーショーグン」の決め台詞) いかに自家製とはいえ当時ここまで大々的なパロディアニメというものは少なく、しかもそれが少女向けアニメの中で 展開されているということで当時の反響は凄まじかったようです。さすがに製作スタッフも暴走しすぎだと思ったのでしょうか、 作中での合身シーンでシンドブックに「ホンマかいな…」と語らせるあたり、なんだかキャラクターの口を借りて言い訳している ようにも見えて愉快です。 一つだけ注意しておきますと、この回は原画、動画の人数が合計4人しかおらず、絵が粗くなってしまっているところが玉に瑕 だったりします。とはいえ、第31話を見ずに「モモ」を語るなかれ!です。 第46話 「夢のフェナリナーサ」 〜あらすじ〜 人々の間から夢がなくなったためにグルメポッポは姿を消し、そして銃弾によってモモのペンダントまでもが砕け散って しまいました。 そして迎えた翌朝。いつもと変わらない、よく晴れた朝。しかし、もうモモの手からは魔法の力が失われていたのです。 窓から入ってくる朝日を浴びながら、モモは人間の女の子として生きていく決心をするのでした。 | |
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その日の学校からの帰り道、公園でくつろいでいるモモのそばを隣の野球場から飛んできた野球ボールが転がっていきました。
少年たちに頼まれ、ボールを追いかけて道路へ飛び出したモモに車が近づきます。と、それは子供の運転するオモチャの車でした。 その直後、猛スピードで角を曲がってくるトラックの姿が。先ほどの子供の車を避けようと運転手がハンドルを切った先には、 モモがいました。 道路に叩きつけられ粉々に砕けたモモのポシェットにサイレンを鳴らしながら近づいてくる救急車は、しかしながらトラックの 荷台から落ちてきたオモチャの救急車でした…。 場所は変わって荒野に建てられた墓石の前。シンドブックが、モチャが、ピピルが、そしてパパとママが悲しみの表情で眺める その先には、花を添えられたモモの写真がありました。 | ![]() トラックの行く先に… ![]() モモの遺影 |
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やがて時はめぐり、ペットショップの夫婦の間に一人の女の子が生まれました。夫婦は、その赤ん坊にモモという名前を付けました。 いつの日か、魔法の王国フェナリナーサがこの世界に降り立ち、再び人々は夢の国の住人たちとの暮らしを始めるようになる。 明るい日の光を受けてあどけなく笑うの赤ん坊の目には、そんな未来の姿が映っているのでした。 〜ちょっと一言二言〜 「モモ」を知る人にその内容を語らせると、100人のうち100人が第46話について言及すると思われます。それは単に第1期目の終結 だからということだけではなく、あまりに突拍子も無い展開、それから受けたインパクトが今でも忘れられないからでしょう。 ですから、「モモ」ってどんな作品? と聞くと、間違いなく”主人公が車にはねられて死ぬ アニメ”という答えが返ってくるはずです。まさに前代未聞。 この賛否両論のラストに関して、ここであれこれ述べるつもりはありません。ただ、どのみちフェナリナーサが降りてきて大団円 という展開はありえなかったらしい、ということだけは記しておきましょう。 総監督の湯山邦彦氏の語られたところによると、魔法によってモモが専門職の大人になるということは必然的に物語の舞台に社会性 というものが存在しなければならなくなり、そのような社会性のある世界と童話的なフェナリナーサは相容れない存在となってしまう ということなのだそうです。となると、突然魔法の国が降って来てめでたしめでたし…という展開では、あまりに無理がありすぎる ということになるわけです。 ゆえに、フェナリナーサは降りられないまま物語に幕を下ろさざるを得なかったそうなのです。どのみちモモが死ななくても、 どん詰まりなラストになっていたのかもしれません。 第1期目「モモ」のエピソード紹介は以上で終わりです。 次項 からは第2期目「モモ」のご紹介に移ります。 | |