新生児慢性肺疾患は、生まれた直後の急性呼吸障害(呼吸窮迫症候群等の呼吸が苦しい状態)がよくなってからも、何週間も酸素や人工換気が必要な状態です。高濃度の酸素療法により肺が痛んでしまう為におこるそうです。
他にも、ミルクが食道ではなく気道に入ってしまい肺が悪くなることもあるそうです。
傷んだ肺がよくなるためには、肺の成長がもっとも大切です。ほとんどの場合は、体重が増えて肺が大きくなると徐々に呼吸も楽になり、呼吸器の酸素濃度も下がり、普通の空気で呼吸できるようになるそうです。
<健仁の場合>
肺胞が正常に開く肺胞と、開きにくい肺胞に分かれてしまい正常に開く肺胞に余分に空気が入ってしまい、必要以上に膨らみ最悪の場合肺胞が破裂してしまいます。レントゲンで見ると、黒い部分と白い部分に分かれているのが分かりました。
ミルクも鼻から胃にチューブを入れるのでなく、直接十二指腸までチューブを入れ、ゆっくり時間をかけてミルクを注入し、胃からミルクが逆流し肺に入るのを防ぐ処置がされました。
ただ、健仁の場合も成長と同時に快方へ向かい、酸素濃度・サーチレーション両方とも時間の経過と共に落ち着いていきました。
健仁のかかった病気と症状
健仁にはあまり効果が無かったようですが、このNO治療実はかなりの効果があるらしく、ここで簡単にご紹介させて頂きます。
肺高血圧症の従来までの治療では、当然収縮した血管を拡張させるため血管を開かせる薬を入れるのですが、未熟児ちゃんの場合体が小さいのでその薬がいっきに全身に回ってしまい体中の血管が開いてしまうそうです。
ここでNOの登場ですが、従来NOはダイオキシンの原料にもなる有害なものと考えられてきました。 しかしルイス・イグナロ博士は、NOに強力な血管拡張作用があることを発見し、これによりNO療法が確立されたそうです。ちなみにこの博士1998年にノーベル賞を受賞しています。
NO療法の利点は、吸引することで肺にのみ作用させることができ、他の器官に影響を与えずに治療できることだそうです。 このNO治療により劇的によくなった未熟児ちゃんもたくさんいるそうです。
しかし、このNO療法欧米では認可された治療ですが、まだ日本では厚生労働省に認可されていない為、養育医療も保険もきかない実費での治療になりパパ・ママにとって金銭的に負担になります。(もちろんそれで我が子の命が助かるなら安いもんですが)
この治療の認可が迅速に行われる事を切に願います。
赤ちゃんはママのお腹の中にいるとき、肺に血液を送る必要があまり無いので、動脈管という血管を通して近道して流れる血流があります。 この血管は生まれてくると、肺に血液を送らなければならないのでこの動脈管は不要になり、数日で自然に閉じていきます。
未熟児ちゃんの場合、この動脈管が閉じにくいそうです。動脈管が閉じない場合心臓に負担が掛かってしまう為、治療が必要になります。治療には、インドメタシンという薬を点滴します。
殆どの場合この薬で治るそうですが、効果が無い場合はこの動脈管をくくってしまう手術をするそうです。
<健仁の場合>
インドメタシンを点滴したらあっさり閉じたそうです。
よって番外編としました。 ♪~♪ d(⌒o⌒)b♪~♪よかったよかった
<番外編>
未熟児ちゃんになじみの無い方は知らない言葉が多く出てきますので最初にご説明致します。 ただ、あくまでも素人の解説ということでお読み下さい。
FiO2 (酸素濃度)
よく出てくる用語
未熟児ちゃんは早く生まれてきた為肺が未熟です。その為肺がまだ硬いのでなかなか上手に膨らます事ができない状態。
分かりやすく例えると、大人なら風船を簡単に膨らますことが出来るが、小さな子供には難しいのと同じです。症状が悪化すると慢性肺疾患等になります。
近年は、牛の肺から作られたサーファクタントという薬により飛躍的に治療効果があがったそうです。
<健仁の場合>
在胎週数が短く体重も少ない為、出産してすぐに新生児呼吸窮迫症候群になってしまいました。現在は人工呼吸器は外れ、DPAPという鼻から肺に圧力をかけて肺を膨らます機械により治療中です。
このDPAP鼻の穴に押し当てる為少し豚っぱなになってしまいます。( p_q)
新生児呼吸窮迫症候群(しんせいじこきゅうきゅうはくしょうこうぐん)
産まれてすぐの赤ちゃんはビリルビンという物質の処理ができず、ちゃんと生まれてきた赤ちゃんにも黄疸はあらわれます。
ビリルビンは多すぎると体に毒で、脳の細胞にダメージを与えることもあり、このような状態になると核黄疸といわれ、脳性麻痺の3大原因の一つにあげられます。
治療には光線療法を行い、特殊な光を皮膚にあてるわけですが、この治療の光景どうみても日焼けサロンにしか見えません( ̄〜 ̄;)??
<健仁の場合>
健仁も例に漏れずに黄疸になりましたが、幸い核黄疸になることも無くいつのまにか光線療法は終了していました。 そしてわが子も日焼けサロンに通ったかいあって見事な日焼けをしておりました。ただこれは一時的なものですぐ治りました。
副腎皮質ホルモンの生成・分泌が異常になる状態。 副腎は大人でも500円玉くらいの大きさの臓器ですが、ここでホルモン(ステロイド)を生成・分泌する重要な器官です。
ちなみに、ドーピングで使うステロイドはこの副腎皮質を刺激し男性ホルモンを多く出させるとか?あくまでも多分・・・・・ (ー.ー") ンーー
<健仁の場合>
一時的にホルモンバランスが崩れた為、カリウムの値が高くなり、ナトリウムの値が低くなりました。この為ミルクが一時ストップし、げっそりと痩せてしまいました。
またオシッコの出も悪くなり(高カリウムの影響)血圧も上がってしまいました。
治療には微量ではありますが、ステロイドを3日間使い4・5日でよくなりました。
が、しかしこの治療で使ったステロイドの影響で肺は一時的によくなりましたが、その後どっかーんとリバウンドに見舞われ肺の調子が悪くなってしまいました。
未熟児ちゃんは、早く生まれてきた為呼吸をつかさどる脳の部分(呼吸中枢)が十分に発達していません。そのために、未熟児ちゃんが無意識に呼吸をするのを忘れてしまい、短い呼吸停止を繰り返します。
通常、成長と共に呼吸中枢が発達していくので、35週前後には無呼吸の発作はなくなります。
<健仁の場合>
通常無くなり始めると言われている35週目前後から症状が表れ、サーチレーションがママの目の前で20台まで下がることも・・・・・
(この時ママはショックでノックアウト状態だったそうです。) (o_ _)o 〜〜 †
治療にはアプニションという呼吸を促す薬を1日3回2倍に希釈したものを3ml、修正週数38週まで飲んでいました。
未熟児網膜症のページへ
「後遺症無き生存」への最大の壁となっているのがこの未熟児網膜症で、健仁のように産まれた週数が早く体重も小さい子は殆ど必須だそうです。
未熟児網膜症に関しては、違うページでご説明しますので、下のボタンを押してください。
未熟児ちゃんは、胎盤を通してママから免疫の物質を十分にもらわないで産まれてきてしまった為、感染が起こりやすい状態です。 感染の発見には定期的な血液検査を行い、発見された場合には抗生物質や免疫グロブリン(血液製剤)を使用し、それでも感染が収まらない場合は、全身の血液を入れ替える交換輸血を行います。
未熟児ちゃんのいるNICUは、非常に清潔に保たれており保育器に手を入れるごとに手洗い・消毒を行っていますが、それでも100%感染を防ぐのは困難だそうです。
未熟児ちゃんの命を繋ぐ為に行っている呼吸器や、点滴の針を介して細菌が感染してしまうそうです。
<健仁の場合>
血液検査で白血球と血小板が減少している事が分かり、感染症が疑われた為抗生物質を点滴しましたが、すぐに白血球が上昇しどうやら感染症ではなく、未熟性が原因で白血球と血小板が一時的に減少したそうです。
鼠径ヘルニアとは?
小児科で扱う手術のうちもっとも多い疾患で、鼠径部(足の付け根)の腹膜の袋(腹膜鞘状突起、ふくまくしょうじょうとっき)に腸管や卵巣が脱出し、鼠径部がふくらむ症状です。 発症率は普通の小児で3〜5%ですが、未熟児ちゃんの場合30%くらいまで上がるそうです。
また、男女別に見ると、男の子の方が2.5倍高いようです。
症状は?
鼠径ヘルニアは、かんとん(嵌頓)という危険な状態を合併することがあります。このかんとんヘルニアの多くは専門的な医師による整復処置でとりあえず元に戻りますが、しかし、そのような処置をしても元に戻らず、最悪の場合ヘルニア内容物の腸や卵巣、精巣などが血行障害に陥り、出血性梗塞や臓器の壊死になることもあります。
発生の原因は、妊娠5か月ころ睾丸はお腹の中で腎臓近くで形作られ、やがて袋状の突起物と一緒にお腹のすき間を通ってお腹の外に降りてきます。そして袋状のものは出生前に閉じてきます。ヘルニアはこの過程で袋状のものが出生後も閉鎖されないままに残り、泣いたり気張ったりした時に腸が下りてきて発生します。
治療は?
鼠径ヘルニアの治療は外科手術が必要で、一般的には乳児のヘルニアは生後3か月頃より手術が可能となります。未熟児で生まれた乳児では手術可能な時期は生後3か月よりももっと遅くなるそうです。
手術自体は、2cm弱の皮膚切開・手術時間は30分くらいで、腹膜鞘状突起の根もとを二重にしばり、腸管や卵巣が出ないようにします。 通常は簡単な手術ですが、体重が少ない状態で行う場合は、当然手術する部分も小さい為多少難しいそうです。
<健仁の場合>
生後しばらくして泣いた時に左側の睾丸が膨らむようになりました。修正1〜2ヶ月あたりからは両側の睾丸が頻繁に膨らみ始め、特に左側はかなり膨らむようになった為、退院前に手術を行うことになりました。体重はまだ3500gしかありませんが、修正3ヶ月5000gを超えるのを待ってる間に嵌頓を起こすリスクを考え、早々に行うことになりました。
ただ、やはり体重がまだ少ないのと、肺がまだ強くない為リスクは多少高いようです。 (リスクとしては、全身麻酔の為再度挿管しなければならないことや、術後の酸素濃度も一時的にあげるということです)