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現在聴いてる、もしくはハマリ中のアルバムを地味に紹介していくコーナーです。
プログレが主ですが、プログレではないものも多少混じっています。
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タルカス/展覧会の絵 タルカス/展覧会の絵 ★★★☆
(03年 Italy)
ピアノ:黒田亜樹

1-10.EL&P(ピサ−ティ編)/ゾーン=タルカス
11-26.ムソルグスキー/展覧会の絵

ぼくはクラシックのピアノ音楽に一番関心があるんだが、寡聞にして黒田亜樹というピアニストのことは知らなかった。この人は、クラシックでも現代音楽系の奏者であるらしく、またクラシック以外の分野でも仕事をしているらしい。そういう人だから、プログレにも手を伸ばしたんだろうか。
で、EL&Pの初期の傑作「タルカス」だけど、ピサーティとかいうイタリア人による編曲で、「ゾーン=タルカス」とタイトルが改められていることからもわかるとおり、これはもう、別の曲といっていいくらいアヴァンギャルドな編曲がなされており、八割方原型をとどめていない。編成は、ピアノ、弦楽カルテット、ギター、パーカッションというもので、早い話がタルカスのチェンバー版といったところだが、これがもうまったく完全に現代音楽と化してしまっているので、どうしても原曲の勢いの良さや、音楽としてのわかりやすさを求めてしまっている自分にはピンとこなかった。聴き込みが足りないだけかもしれないけど、まあ正直、繰り返し聴きたいとはあまり思わないのも事実(^^; ピアノもそんなに魅力的でないし。まあ、編曲というものは概して原曲を超えることはないので、別にがっかりはしてないけど。でもキース・エマーソンは一応絶賛してます。
一方「展覧会の絵」は、EL&Pのような抜粋ではなく、ムソルグスキーの原曲の演奏である。この曲はぼくもいろんな奏者でまあまあ聴いてきた曲だが、現代音楽畑の黒田ならさぞ面白い解釈を聴かせてくれるだろうと勝手に思い込んでいたけど、実際は至極まっとうな演奏だった。音を響かせてゆっくり丁寧に弾いており、普通は30分から長くて35分くらいで演奏される曲なんだが、黒田は37分もかけている。過度なヴィルトゥオジティの誇示もなく、そのためか、なんだか素朴に感じてしまった。ということで、音楽的に聴かせる演奏でなかなか悪くない。というか、むしろかなり良い。でも、当然ながら、もっといい演奏もほかにいっぱいあるんだよね。。。
古今東西の「展覧会の絵」についてはここ参照。もちろん、EL&P版もあるよ。




Hermeto Pascoal/Slaves Masse Hermeto Pascoal/Slaves Mass ★★★☆
(78年 3rd Brazil) *UK盤

1. Mixing Pot (Tacho) / 2. Slaves Mass (Missa Dos Escravos) / 3. Little Cry for Him (Chorinho Pra Ele) / 4. Cannon (Dedicated to Cannonball Adderley) / 5. Just Listen (Escuta Meu Piano) / 6. That Waltz (Aquela Valsa) / 7. Cherry Jam (Geleia de Cereja) / 8. Open Field (Campo Aberto) / 9. Pica Pau (Take 1) / 10.Star Trap (Part 2)
*8-10. Bonus Track

変態変拍子プログレ大魔神」という惹句につられて購入(^^; なぜか初期マグマのようなへヴィーでダークな世界を勝手に想像してたんだが、ぜんぜん違った。一聴、いろんな民族でごった返したゴミゴミした街の喧騒という印象を受ける。意外とあっけらかんとしており、しかもけっこうポップである。うーむ。。。
#1なんか、カンタベリー入ってるしなあ。#2は豚の鳴き声を入れたり、呪術的なコーラスを入れたりと実験的なことをやっている。また、ジャジーなキーボードソロの曲があったり、ボサノバ調の曲があったり、節操なくいろいろな要素が取り入れられているのだが、アルバム全体としてみた場合、それほど散漫な感じがしない。ラテンのノリが通低しているからだろうか。
もうちょっとロック色の強いガツンとくる曲が欲しいところだったが、本盤のメイン#7は、ジャズ/フュージョン系のインプロだった。これもちょっとカンタベリーを髣髴とさせる曲で12分くらい続く。倦怠的なサックスの響きが、どことなくSoft Machineの3rdを思わせる。
なお、UK盤(本盤)のみボーナストラックが3曲ついている。3曲で35分くらいあり、うち2曲がジャズ/フュージョン系のインプロで30分くらいを占める。音はけっこうポップですよ。キーボードがピコピコゆってます。




Dreams Wide Awake National Health/Dreams Wide Awake ★★★★
(77・78年 1st+2nd UK) 2枚組み

CD1:1.Dreams Wide Awake / 2.Borogroves-Part1 / 3.The Bryden 2 Step-Part1 / 4.Brujo / 5.Binoculars / 6.The Collapso
CD2:1.The Bryden 2 Step(for Amphibians)-Part2 / 2.Tenemos Roads / 3.Borogroves-Part2 / 4.Elephants / 5.Squarer for Maud / 6.Phlakhaton

実はまだカンタベリーの大御所であるナショナル・ヘルスは聴いたことがなかったので購入。ATOMという聞いたことのないレーベルからの再販で、1stと2ndの2枚組み廉価盤なんだが、見事に曲順がばらばらで(青字が1st、黒字が2nd)、ジャケットも実にどうでもいいような、やっつけ仕事を隠そうともしないやる気のなさである。まあ、聴ければいいと思って買ったので、別に文句はない。安いし。
一聴して、ロック色が思ってたより強かったけど、やはりカンタベリーということで、アットホームな雰囲気が親しみやすくて、まさに期待通りの内容。この内容で廉価なのだから、ぼくのように、ナショナル・ヘルスが未聴で特に思い入れもないという人にとってはお買い得と言えるでしょうね。
ちなみに、このATOMというレーベルは、Soft MachineやGongなどでも順番テキトーの廉価ディスクを出しているようである。まあ、契約や権利なんかの関係で、曲順そのままで出すのは無理なんでしょうね。




This Heat/1st THis Heat/1st ★★
(79年 1st UK)

1.Testcard / 2.Horizontal Hold / 3.Not Waving / 4.Water /
5.Twilight Furniture / 6.24 Track Loop / 7.Diet of Worms /
8.Music Like Escaping Gas / 9.Rainforest / 10.Fall of Saigon /
11.Testcard

プログレの超名盤なのに長らく廃盤が続いていた伝説的作品。「プログレとパンクの境界にある音楽」なんていう評価もあり、ずーっと気になっていた作品だったが、ぼくは今回の再販でやっと聴くことができた。
まー、基本的には観念的なエレキサイケという感じではないだろうか。トラックは11に分かれているが、音楽の切れ目はなくひと続きになっている。メロディというものがあまりなく、電気的な発信音だとか信号音みたいなものが続いたり、vocal も入るが、だら〜〜っとしたうめきのようなグダグダvo.だったりするので滅入る。それでも動きのある最初のほうはまだ聴けるのだが、音楽が進むにつれて、流れが停滞してラリラリになり、薬物中毒者の心象風景みたいな世界が延々と続く。全体的に無機的で温度がなく冷たい印象で、どこまでもラリパッパである。だから正直、ぼくの好みには合わなかった。
うーん、それにしても、多分に非音楽的で、おそらく相当に聴く人を選ぶだろうと思われる本アルバムが、長らくプログレの超名盤として君臨し続けていたのはどういうわけか。一部の人しか聴いたことがない状態で長らく廃盤だったので、評価が一人歩きしていつの間にか祭り上げられていたんじゃないかと思わず勘繰ってしまう。てか、こういう音楽、カッコイイデスカ? しかし再発されてもやはり絶賛の嵐で、批判めいた声は全く聞こえないのだから、やはりぼくが世間の感覚とズレてると考えるほうが妥当か。
しかしまー、ぼくは今までプログレと呼ばれる音楽をたくさん聴いてきたけれど、そうとう変な音楽もいっぱい聴いてきたつもりだけれど、はっきり言って、本盤の何がそこまで良いのやらさっぱりわからん。
じつは、買う前にこのサイトで少し試聴してみて、そのときに相当買うのをためらったのだ。でもなあ、プログレの金字塔的アルバムだしなあ、試聴した断片的な内容だけで判断してしまうのもなんだしなあ、まーダメモトで買ってみるかと、実際買って聴いてみたら、ほんとに自分のストライクゾーンの埒外にある音楽だったのである。
しかしまー、自分の嗜好というのは時間の経過とともに変わるもので、昔はくだらないなんて思ってたものも、時が経てばいつの間にやら好きになっていたなんてことは実際よくあることである。本盤と同じように無機的な音楽だったがために、最初は受け付けなかったHELDONの「Interface」も、今ではまあまあ好きだしなあ。本盤も面白く聴ける日がくるだろうか。




マグマ/コンタルコス・アンテリア MAGMA/K.A(コンタルコス・アンテリア) ★★★★★
(04年 A34  France)

1.K.A 1 11:12
2.K.A 2 15:53
3.K.A 3 21:44

試聴 : Seventh Records

3部構成で実質1曲という大曲志向の本作は「MDK」と「コンタルコス」の間に位置する作品であるらしい。内容は、もう70年代の一番いい時期のマグマそのものと言ってよく、音楽的性格は前述の暗黒な2作とはやや異なり、より明るくややファンキーに仕上がっている。前述2作を「レトロヴィジョン」のノリで演った感じといえばいいか。なので、初心者でも安心の一枚と言えるかもしれない。もし本作を聴いてイマイチと感じるのであれば、その人はもはやマグマには縁がないと思ったほうがいいかも。それくらいマグマの魅力が凝縮された一枚であると言える。
編成は、ヴォーカル×5、パーカッション×2、フェンダー・ローズ×2、ギター×1、ベース×1、ピアノ×1、ドラムス×1 の総勢9名。
個人的にはブラスセクションが欲しかったなあ。FES のように、屈強ならっぱ部隊を大量編成してくれればさらなる迫力及び重量感、それに奥行きも出てもっと良くなったのに。あとは「MDK」の後半のような木琴の乱打、低音で轟音をかき鳴らして荒れ狂うピアノ、それでもってヒステリックかつ残忍なタッチで金切り声を上げるヴァイオリンがいればもう無敵。それらが混声コーラスと共に渾然一体となって突撃すれば、僕の理想のマグマができる。まー、言うは易しなんだけどね。うーん、それにしてもいつもながら妄想をかきたてられる音楽だ。
一方、ちょっと物足りないなと感じた部分もないでもない。たとえば、ハレルヤを連呼するラスト。この展開はチト安易じゃないかなあと思ったりもする。徐々にエンジンの回転数が上がっていき、猛スピードで終末に向かって突撃していくのに、その速度の頂点で急にシフトダウンしてソフトランディングというのもいかがなものか。加速度的にフィナーレを迎える展開なら、『Live!』の「コンタルコス」のように、興奮の頂点で爆発して終わってくれたほうがどれだけすっきりするだろう。うーむ、「K.A」をライヴで演るときは「コンタルコス」のようにぜひともラストに“オマケ”を付けて欲しいものである。
しかしまー、なんだかんだ言って、今作は久々に会心の出来だった。聴けば聴くほど病みつきになる。ふとしたところで陳腐な少々拙い表現が見られたりもするが、まあそういう部分も含めてマグマが好きな僕としては、逆に微笑ましかったりもする。今後も期待。



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