我ながら、どうしてプログレからクラシックへ行っちゃったんでしょうか?



中学生くらいからJ-POPを聞き初めて、高校生くらいのときに初めて洋楽に手を出した。しかし、いつの間にかJ-POPも洋楽も、聞いててわくわくしなくなってしまった。何を聞いても代わり映えしないと感じるようになってしまったのだ。悲しいかな、聞いてて楽しいものよりも、あー、またこのパターンかよとがっかりするもののほうが多くなったのである。
そんな時、ちょうど僕の中でオリコンやビルボードに載るような音楽への興味が尽きようとしていた頃に、クリムゾンと出会ってしまったのである。一番最初に聴いたのは 1st だった。しかしそれまで上記のような音楽しか聞いてこなかった僕にとっては、最初の印象はとても悪かった。「スキゾイドマン」なんて、なんて悪趣味な音楽なんだろうと思ったもんである。しかし、どういうわけか、悪趣味極まりない思っていた音楽が、ふとした時に脳裡をよぎる。通学途中に、突如として頭の中で鳴り始める。まー、それだけ、ぼくにとっては衝撃だったということでしょう、知らない間に好きになっていた。で、とりあえず「RED」まで聴いてみたんだが、、、。気づけば虜。

その次に聴いたプログレバンドはイエスだった。最初に聴いたのは「危機」。すごーく順当な足取りだけど、これも第一印象はすごく悪かった。クリムゾンばっかり聴いてたので、まず音楽が軽すぎると思った。この曲は4パート構成だけど、最初の2パートはプログレすぎて音楽が破綻しているとも思った。こんなにぐちゃぐちゃなのはもはや音楽じゃないぞと。しかしこちらも、気づけば虜。プログレってよーわからんが、面白い音楽だなーと初めて気づき、以来、プログレ一直線。この時期から、非常に一面的で乱暴な言い方だが、「ヒットチャートに載るような一般的な普通のロックやポップ=ティーンエイジャーから小金をむしりとるための消費音楽(おいおい)」、「プログレ=なんでもありの面白い音楽」という図式が僕の中でできつつあったので、プログレはすごく光って見えていた。

以来、ネットで調べ倒して、有名無名問わず、国も問わず、面白そうだと思ったやつは片っ端から買って聴いた。CD20枚くらい持ってレジへ向かうときなんかは、ちょっと人生を考えてしまうこともあった(^^; こんなCDにしょっちゅう2万も3万も使っていて、俺の人生はこの先だいじょうぶだろうか。そんな金あったら、彼女と食事にでも行ったほうがよっぽど健全なのではないだろうか。しかしCD購入量はまったく減らず、何の反省もせず、売っていればどんどん買った。

しかしプログレにもいつの間にか飽き始めていた。そもそも、凡庸なロックやポップがつくづく嫌になってプログレに走ったわけだが、いろいろ聴くうちに、プログレというジャンルの中にもある種の凡庸さが充満していることに気づきだしたからだ。そして一度その辺が気になりだすと、それまで嬉々として買っていたプログレも、いつの間にか、買えども買えども驚きは減り、またこのパターンかよと、時には幻滅し、一種のむなしさすら感じるようになった(とくに、90年代のいわゆるポンプ、ネオ・プログレと呼ばれるものにがっかりすることが多かった)。良い!と思ったディスクも、比較的すぐに飽きてしまう。。。
もちろん、プログレにも、普通のロック・ポップの中にも素晴らしいものはいっぱいある(はずである)。しかし、全体としてみた場合、どうもこう、ちょっとさ、以前のようにわくわくしなくなってしまったなあというのが正直なところなんである。ていうか! 早い話が、「プログレッシヴ」とは名ばかりの模倣バンドばかりの現状に辟易してしまった(または買うCD がことごとくハズレだった)っちゅーことである。

そんな折、つまみ食い程度に聴いていたクラシックに当たりが多かった。とくにファジル・サイの「春の祭典」にはこれは!と思わされるものがあった。しかも昨今のクラシックCDは非常に廉価である。プログレ他、多くの洋楽は中古で1500円前後であるのに対し、輸入盤のクラシックは、新品で1500円ほどである。中古となると、1000円しないケースも多い。また、メジャーレーベルによる1000円均一の復刻シリーズや、安いときには1枚あたり400円という驚くべき超廉価のブリリアント・クラシックスのBOXセットなど、格安盤が多く、しかも決して「安かろう悪かろう」ではなく、「安かろう、そこそこ良かろう」というのが多い。総じて、現在のクラシックCDは相対的に非常に安くて質が高いのである。安くて内容が良いのなら、クラシックに流れてしまうというものである。たとえ買った盤がハズレでも、安いのであんまり後悔しないし。また、個人的にいま一番「当たり」に出会う確率が高いジャンルがクラシックだというのが実感としてあるのである。

以前は、真面目で面白みがない音楽だというイメージを漠然と持っていたクラシックも、いざ能動的に聴き始めてみると意外とそうでもなく、新鮮な発見や驚きも多い。だいたい、クラシックなんてものはバッハあたりから数えると優に300年くらい歴史がある。その中で、何百人もの天才たちが己の叡智と情熱のすべてを注ぎ込んで作り上げてきた音楽の集積がクラシック音楽なわけだから、面白い曲がないわけないのである。それに、そもそもプログレというものも、クラシックからの影響を受けたものが多いので、プログレからクラシックに走ろうと思えば、いくらでも走れたのだ。もちろん、歴史が長い分、クラシックにもプログレ以上に凡庸さが充満しているだろうが、クラシックという大きすぎる森は、僕にとってはまだまだ殆どが未開の地なので、当分飽きたりすることはない。というか、飽きることなどできないだろうな。
もちろん、クラシックばかり聴いているのは疲れるので、間食程度にプログレはもちろん、他の音楽も聴いたりする。プログレはメジャー盤でもまだ聴いてないものはいっぱいあるので、今後もぽつぽつと買うかもしれない。

というわけで、14歳くらいから音楽聴き始めて、ほぼ毎日、14年くらい聴き続けてるんだけど、あらためて振り返ってみるとそれなりに味わい深い。僕と同じくらいの音楽歴の人は、どんな変遷をたどっているんだろうか、けっこう気になる。


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