諸君 私はMSが好きだ  諸君 私はMSが好きだ  諸君 私はMSが大好きだ  殲滅戦が好きだ 電撃戦が好きだ 打撃戦が好きだ 防衛戦が好きだ  包囲戦が好きだ 突破戦が好きだ 退却戦が好きだ 掃討戦が好きだ 撤退戦が好きだ  平原でコロニーで宇宙で草原で凍土で砂漠で海上で空中で海中で 湿原で  宇宙世紀で行われた ありとあらゆるMS戦が大好きだ  銃身をならべた ザクの一斉攻撃が 轟音と共に61式戦車を 吹き飛ばすのが好きだ  宇宙深く戦い抜いたボールが 効力射でばらばらになった時など 心がおどる  ジオン兵の操る ドムのジャイアント・バズが 敵ジムを撃破するのが好きだ  悲鳴を上げて 燃えさかるビッグトレーから 飛び出してきた敵兵をグフカスタムで 踏み潰した時など 胸がすくような気持ちだった 銃身先をそろえた ドップの編隊が フライマンタの戦列を 蹂躙するのが好きだ  恐慌状態の新兵が 既に機能停止したジムを 何度も何度も射撃している様など 感動すら覚える 敗北主義の アクアジムをビル上に 吊るし上げていく様などはもうたまらない  泣き叫ぶジムキャノン達が 私の振り下ろした手の平とともに 金切り声を上げるザクマシンガンに ばたばたと薙ぎ倒されるのも最高だ  哀れな抵抗者達が 雑多な小火器で 健気にも立ち上がってきたのを アプサラスのメガ粒子砲が 戦域ごと木端微塵に粉砕した時など 絶頂すら覚える  連邦のMS部隊に 滅茶苦茶にされるのが好きだ  必死に守るはずだった都市が蹂躙され 女子供が犯され殺されていく様は とてもとても悲しいものだ  連邦の物量に押し潰されて 殲滅されるのが好きだ  コアブースターに追いまわされ 害虫の様に地べたを這い回るのは 屈辱の極みだ  諸君 私はMSを 地獄の悪魔の様なMSを望んでいる  諸君 私に付き従うキマイラ隊戦友諸君 君達は一体 何を望んでいる?  更なるMSを望むか? 情け容赦のない 糞の様なMSを望むか?  鉄風雷火の限りを尽くし 三千世界の鴉を殺す 嵐の様なMSを望むか?  MS!! MS!! MS!!  よろしい ならば新型MSだ  我々は満身の力をこめて 今まさに振り下ろさんとする握り拳だ  だが この暗い闇の底で 半年もの間 堪え続けて来た我々に ただのMSではもはや足りない!!  新型MSを!! 一心不乱に作られた最強MSを!!  我らはわずかに一個MS大隊 千人に満たぬ敗残兵に過ぎない  だが諸君は 一騎当千の古強者だと 私は信仰している  ならば我らは諸君と私で 総兵力100万機と1機の軍集団となる  我々を忘却の彼方へと追いやり 眠りこけている連中を叩き起こそう  髪の毛をつかんで 引きずり下ろし 眼を開けさせ 思い出させよう  連中に恐怖の味を 思い出させてやる  連中に我々の 軍靴の音を思い出させてやる  天と地とのはざまには 奴らの哲学では思いもよらぬ事がある事を思い出させてやる 百機のゲルググの戦闘団で 世界を燃やし尽くしてやる 全リアクター発動開始 最大戦力ドロス始動  離床!! 全ワイヤー 全牽引線 解除  「最後の大隊 キマイラ隊指揮官より 全キマイラ部隊へ」  目標 シャア板 プロジェクトX!!  第三次宣伝攻撃作戦 状況を開始せよ  征くぞ 諸君 開戦からすでに11ヶ月が経とうとしていた 連邦軍の優勢はもはや確実なものとなっていた しかし、未だにジオン軍はゲリラ戦を展開していた 「どうすれば彼らの戦意を失わせる事ができるのか・・・」 連邦軍上層部は悩んでいた そこに、一人の技術士官がいた 彼の名はP 技術士官でもあり名うての弁護士でもあった Pは考えた 『ジオン軍は最後の一兵でも戦いつづけると聞く、その兵をどうやって降伏させればいいんだ』 思案しながら家路についた 何も考えつかなかった 翌朝 Pは思いがけないもので目が覚めた 「さぁ〜おや〜さおぉたけぇ〜」(注:スペイン・ポルトガル語で) 単なる竿竹やのトラックだった Pはそれを見て閃いた 「そうだ!これがあったんだ!」 Pは急いで格納庫へ行った Pが見たもの、それはスピーカーだった 『並の降伏勧告では手緩い、彼らを説得できるのはこれしかない』 Pが作ったスピーカーは巨大だった 人一人分ぐらいはあった Pはそれをジムの頭部バルカン部に2つ付けた 「そのスピーカーからこのテープを流せ」 Pはテープをパイロットに渡した 「死霊のはらわた」と書かれていた その頃、連邦軍はジオンの基地を包囲している真っ最中だった 2度の降伏勧告にもかかわらず、彼らは受け入れなかった しかし、完全にジオンは不利だった 最終勧告をするために、そのジムキャノンは投入された Pも同行していた 両軍にらみ合いの中、テープの再生ボタンが押された 「ぎやぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!」 みな、驚いた Pも驚いた テープは1時間流された 1時間もの間、ジムキャノンは泣き叫んだ ジオン軍は恐怖した それから30分後 ジオン軍は降伏した その後何度かそのジムキャノンは実戦投入された あまりにもインパクトが強すぎて連邦軍からも恐れられた 結局終戦後も残党軍狩りにそのジムキャノンは使用された その間ジオン軍からは「連邦の白い悪魔」にならんで 「泣き叫ぶジムキャノン」と異名され恐れられた